カルガリー国際空港

カナダ西部を代表する国際空港：カルガリー国際空港

カルガリー国際空港（Calgary International Airport）は、カナダ・アルバータ州最大の都市カルガリーに位置する国際空港です。カナダ国内で4番目に利用客が多く、バンクーバー国際空港と並び西部カナダの主要なハブ空港としての役割を担っています。カルガリー中心部から北東へ約17kmの場所に位置し、その広大な敷地面積は2136haにも及びます。

歴史：初期の飛行場から現代的な空港へ

1914年、カルガリー北西部のBownessに開設された飛行場が、カルガリー国際空港の起源です。当初は草地の滑走路と小さな格納庫のみの簡素な施設でした。1928年には現在の南側にあたるRenfrewに市営空港が開設されましたが、その後、1938年に現在の場所に移転し、第一次世界大戦のエースパイロット、フレッド・マッコールにちなんでマッコール飛行場と命名されました。1940年には連邦運輸省が戦時収用し大規模な拡張が行われましたが、1949年にはカルガリー市に返還されました。ジェット機時代の到来に対応するため、1956年には南西に新ターミナルが建設されたものの、すぐに陳腐化しました。1966年、カルガリー市は空港を連邦運輸省に売却し、この頃からカルガリー国際空港と呼ばれるようになりました。運輸省は土地収用を進め、1977年には現在の国内線ターミナルが建設されました。1992年7月1日、空港の運営はカルガリー空港公団(Calgary Airport Authority)に委譲されました。

近年では、機能強化のための再開発が進められており、2013年には新管制塔が完成し、2014年6月28日には新平行滑走路が供用開始、2016年10月31日には国際線ターミナルが開業しました。

施設：広大な敷地と充実した設備

カルガリー国際空港の敷地内には、ウエストジェット航空の本社があります。

滑走路

当空港は、南北方向の2本の平行滑走路に加え、横風用滑走路2本を備えています。2014年に供用開始された東側滑走路17L/35Rは、エアバスA380の離着陸にも対応可能な高規格（コードF）滑走路で、その全長14,000フィートはカナダ最長を誇ります。これは標高が1,000mと高いため、低地にある空港よりも離陸に長い距離が必要になるためです。通常、南北方向の2本の滑走路が使用され、カルガリー東方面への便は東側滑走路（17L/35R）、西方面への便は西側滑走路（17R/35L）が指定されます。通常は北向き（17L,17R）を優先しますが、風向きにより南向きでの離着陸が行われることもあります。

ターミナル

カルガリー国際空港には、国内線ターミナルと国際線ターミナルの2つがあります。

国内線ターミナル

1977年に完成した国内線ターミナルは、扇形の3層構造で、1階が到着階、2階が出発階となっています。2階の上には中空階があり、フードコートや無料のミニミュージアム「Spaceport」があります。ターミナル内では、赤いベストと白いカウボーイハットを着用した「White Hat Volunteer」が利用客の案内をしています。搭乗には、ターミナルから突き出た3つのピアが利用されます。それぞれA、B、Cの保安検査場とコンコースに対応していますが、内部での行き来は可能です。コンコース名と搭乗口番号は国際線ターミナルの開業に合わせて再編されました。

コンコースA: 搭乗口A1-A25。主にウエストジェット航空が使用しており、小型機用の搭乗口A1-A6はバスで駐機場へ移動し、タラップで搭乗します。
コンコースB: 搭乗口B31-B40。中央ピアに位置しています。
コンコースC: 搭乗口C50-C73。主にエアカナダが利用しており、小型機用の搭乗口C61-C65はバスで駐機場へ移動し、タラップで搭乗します。C70-C73は実際には国際線ターミナルにありますが、需要に応じて国内線が発着します。

国際線ターミナル

2016年10月31日に開業した国際線ターミナルは、5階建てで総面積18万平方メートルです。国内線ターミナルの東隣に位置し、連絡通路で結ばれています。ターミナルから突き出た2つのピアを利用して搭乗します。出発客向けにはD、Eの2つのコンコースがあり、米国事前入国審査の有無によって階を分けることで、保安検査場以降の動線を区分しています。

コンコースD: 搭乗口D70-D87。米国を除く国際線用です。
コンコースE: 搭乗口E70-E97。米国線専用であり、米国事前入国審査後には階上へ誘導されます。

就航航空会社と就航都市

カルガリー国際空港には、以下の航空会社が就航しています。

エア・カナダ
エア・カナダJazz
ウエストジェット航空
フレア航空
サンウィング航空
リンクス航空
エア・ノース
アメリカン航空
アメリカン・イーグル
ユナイテッド航空
ユナイテッド・エクスプレス
デルタ航空
デルタ・コネクション
アラスカ航空
アエロメヒコ航空
ブリティッシュ・エアウェイズ
KLMオランダ航空
ルフトハンザドイツ航空
キャセイパシフィック航空

これらの航空会社によって、カナダ国内の主要都市をはじめ、アメリカ、メキシコ、カリブ海諸国、ヨーロッパ、アジアなど、世界各地へのフライトが運航されています。

主な就航都市

カナダ国内: エドモントン、ハリファックス、ロンドン、モントリオール、オタワ、トロント、ウィニペグ、バンクーバーなど
アメリカ: ロサンゼルス、デンバー、ヒューストン、ダラス、ラスベガス、シカゴ、ニューヨーク、シアトル、サンフランシスコなど
メキシコ: メキシコシティ、カンクン、マサトラン、プエルトバヤルタ、サン・ホセ・デル・カボなど
カリブ海: サンタ・クララ、バラデロ、モンテゴベイ、ナッソー、プンタカナなど
ヨーロッパ: フランクフルト、アムステルダム、ロンドンなど
アジア: 東京（成田）
貨物便: 香港

アクセス

カルガリー国際空港へのアクセスには、以下の方法があります。

市バス: カルガリー交通局による市バスが運行しています。
300番: 中心市街への急行バスで、所要時間約40分。空港から乗車する場合は特別料金が必要です。
100番: Cトレイン（ライトレール）のMcKnight–Westwinds駅へ約20分で連絡。中心市街へはさらにCトレインを利用して約20分かかります。
シャトルバス: Allied Airport Shuttleが市内主要ホテルへのシャトルサービスを提供しています。
バンフ方面への急行バス: Brewster transportationとBanff Airporterの2社がバンフへの急行バスを運行しています。

脚注と外部リンク

詳細な情報については、以下の外部リンクをご参照ください。

* カルガリー国際空港 （英語）

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