クリス・マルコフ
クリス・マルコフ（Chris Markoff）は、1938年3月1日にユーゴスラビアで生まれ、2024年2月10日に85歳で亡くなったプロレスラーです。本名はリスト・ゼレヴァロフ（Risto Zelevarov）といいます。
1960年代初頭、オーストラリアのメルボルンでクリス・ジェレヴァロウ（Chris Jelevarou）というリングネームでデビュー。その後、北米へ渡り、ロシア人ギミックのヒールとして活躍しました。ギミック上の出身地はロシアのスターリングラードでした。
アメリカでは、ボリス・ボルコフ（Boris Volkoff）と名乗り、ニコライ・ボルコフ（後のWWFで活躍するヨシップ・ペルゾビッチとは別人）とのボルコフ・ブラザーズで活動。その後、クリス・マルコフ（Chris Markoff）と改名し、インディアナポリスのWWAにてアンジェロ・ポッフォ（ランディ・サベージの父親）とデビルズ・デュオ（The Devil's Duo）なるタッグチームを結成。ボビー・ヒーナンをマネージャーに従え、ディック・ザ・ブルーザー&クラッシャー・リソワスキーの極道コンビを相手にWWA世界タッグ王座を巡る抗争を繰り広げました。
1967年11月1日には、負傷したラリー・ヘニングの代打としてハーリー・レイスのパートナーとなり、AWA世界タッグ王座を獲得。しかし、わずか2日後の11月3日にシカゴでパット・オコーナー&ウイルバー・スナイダーに敗れ、王座から陥落しました。1968年にはテキサスのダラス地区に入り、フリッツ・フォン・エリックとテキサス・ブラスナックル王座を争いました。
1969年4月、日本プロレスの『第11回ワールドリーグ戦』に初来日。外国陣営ではボボ・ブラジル、ゴリラ・モンスーンに次ぐ3番手のダークホース的存在でしたが、モンスーンが不調だったこともあり、ブラジルと同点の首位という戦績を残しました。日本陣営もジャイアント馬場とアントニオ猪木が同点で首位となり、5月16日の東京都体育館での優勝決定戦では4選手による決勝トーナメントが行われました。第1試合の馬場対ブラジルが時間切れ引き分けで両者失格となったため、第2試合の猪木対マルコフがそのまま決勝戦となりました。試合は猪木が勝利し、マルコフは優勝を逃しましたが、猪木のワールドリーグ戦初優勝の相手を務めたことで、日本のプロレス史にその名を残しました。この試合は、猪木の卍固めを一躍有名にしたことでも知られています。
その後も、1970年、1971年、1972年、1974年と日本プロレス、全日本プロレスに参戦し、数々の強豪と対戦しました。1972年には、ブル・ラモスやエル・ゴリアスらとリング外で乱闘事件を起こし、マルコフはラモスに脳天をビール瓶で殴打され、ゴリアスに右耳を食いちぎられるという悲惨な目に遭いましたが、報復にゴリアスの左手の親指を噛みちぎり返したという逸話も残っています。
帰米後はロサンゼルス地区でのミル・マスカラスとの抗争を経て、同じユーゴスラビア出身のブロンコ・ルービッチとのタッグで活動。フロリダ地区では1969年10月25日、サム・スティムボート&サイクロン・ネグロを破りNWAフロリダ・タッグ王座を獲得。1971年にはダラス地区にて、ジョニー・バレンタイン&ワフー・マクダニエルなどの強豪チームとNWAアメリカン・タッグ王座を争いました。
1977年からはハワイに進出しジョン・トロスやドン・ムラコと抗争、バディ・ローズ&ビッグ・ジョン・スタッドと共闘してアンドレ・ザ・ジャイアントとも対戦しました。南半球のニュージーランドでは、1978年にレス・ソントンから大英帝国ヘビー級王座を奪取しています。同年10月、ブルート・バーナード&キラー・カール・クラップとの悪党外国人トリオの一角として新日本プロレスに来日。猪木との因縁の対決が注目され、シリーズ最終戦の11月1日に愛知県体育館にてNWFヘビー級王座に挑戦するも、ここでも卍固めで敗れ去りました。
1984年よりAWAに定着し、ジョバーとして活動。1985年には当時のロシア系ヒールの新鋭ボリス・ズーコフのマネージャー兼パートナーとなり、サージェント・スローターやロード・ウォリアーズとも対戦しました。
引退後はAWAの本拠地だったミネアポリスにて集合住宅の管理業務に就きました。
ダイビング・ニー・ドロップ
キッチン・シンク
WWA世界タッグ王座（アンジェロ・ポッフォと2回）
AWA世界タッグ王座（ハーリー・レイスと1回）
NWAビート・ザ・チャンプTV王座（1回）
NWAテキサス・ブラスナックル王座（1回）
NWAアメリカン・タッグ王座（ブロンコ・ルービッチと2回）
NWAフロリダ・タッグ王座（ブロンコ・ルービッチと2回、ボビー・シェーンと1回）
NWA世界タッグ王座（ドミニク・デヌーチと1回）
NWA大英帝国ヘビー級王座（1回）
NWAハワイ・タッグ王座（スティーブ・ストロングと1回）
NWAミッドアトランティック・タッグ王座（ニコライ・ボルコフと1回）
* GPWタッグ王座（ジル・ポワソンと1回）
初期のキャリア
1960年代初頭、オーストラリアのメルボルンでクリス・ジェレヴァロウ（Chris Jelevarou）というリングネームでデビュー。その後、北米へ渡り、ロシア人ギミックのヒールとして活躍しました。ギミック上の出身地はロシアのスターリングラードでした。
アメリカでの活躍
アメリカでは、ボリス・ボルコフ（Boris Volkoff）と名乗り、ニコライ・ボルコフ（後のWWFで活躍するヨシップ・ペルゾビッチとは別人）とのボルコフ・ブラザーズで活動。その後、クリス・マルコフ（Chris Markoff）と改名し、インディアナポリスのWWAにてアンジェロ・ポッフォ（ランディ・サベージの父親）とデビルズ・デュオ（The Devil's Duo）なるタッグチームを結成。ボビー・ヒーナンをマネージャーに従え、ディック・ザ・ブルーザー&クラッシャー・リソワスキーの極道コンビを相手にWWA世界タッグ王座を巡る抗争を繰り広げました。
1967年11月1日には、負傷したラリー・ヘニングの代打としてハーリー・レイスのパートナーとなり、AWA世界タッグ王座を獲得。しかし、わずか2日後の11月3日にシカゴでパット・オコーナー&ウイルバー・スナイダーに敗れ、王座から陥落しました。1968年にはテキサスのダラス地区に入り、フリッツ・フォン・エリックとテキサス・ブラスナックル王座を争いました。
日本での活躍
1969年4月、日本プロレスの『第11回ワールドリーグ戦』に初来日。外国陣営ではボボ・ブラジル、ゴリラ・モンスーンに次ぐ3番手のダークホース的存在でしたが、モンスーンが不調だったこともあり、ブラジルと同点の首位という戦績を残しました。日本陣営もジャイアント馬場とアントニオ猪木が同点で首位となり、5月16日の東京都体育館での優勝決定戦では4選手による決勝トーナメントが行われました。第1試合の馬場対ブラジルが時間切れ引き分けで両者失格となったため、第2試合の猪木対マルコフがそのまま決勝戦となりました。試合は猪木が勝利し、マルコフは優勝を逃しましたが、猪木のワールドリーグ戦初優勝の相手を務めたことで、日本のプロレス史にその名を残しました。この試合は、猪木の卍固めを一躍有名にしたことでも知られています。
その後も、1970年、1971年、1972年、1974年と日本プロレス、全日本プロレスに参戦し、数々の強豪と対戦しました。1972年には、ブル・ラモスやエル・ゴリアスらとリング外で乱闘事件を起こし、マルコフはラモスに脳天をビール瓶で殴打され、ゴリアスに右耳を食いちぎられるという悲惨な目に遭いましたが、報復にゴリアスの左手の親指を噛みちぎり返したという逸話も残っています。
その後のキャリア
帰米後はロサンゼルス地区でのミル・マスカラスとの抗争を経て、同じユーゴスラビア出身のブロンコ・ルービッチとのタッグで活動。フロリダ地区では1969年10月25日、サム・スティムボート&サイクロン・ネグロを破りNWAフロリダ・タッグ王座を獲得。1971年にはダラス地区にて、ジョニー・バレンタイン&ワフー・マクダニエルなどの強豪チームとNWAアメリカン・タッグ王座を争いました。
1977年からはハワイに進出しジョン・トロスやドン・ムラコと抗争、バディ・ローズ&ビッグ・ジョン・スタッドと共闘してアンドレ・ザ・ジャイアントとも対戦しました。南半球のニュージーランドでは、1978年にレス・ソントンから大英帝国ヘビー級王座を奪取しています。同年10月、ブルート・バーナード&キラー・カール・クラップとの悪党外国人トリオの一角として新日本プロレスに来日。猪木との因縁の対決が注目され、シリーズ最終戦の11月1日に愛知県体育館にてNWFヘビー級王座に挑戦するも、ここでも卍固めで敗れ去りました。
1984年よりAWAに定着し、ジョバーとして活動。1985年には当時のロシア系ヒールの新鋭ボリス・ズーコフのマネージャー兼パートナーとなり、サージェント・スローターやロード・ウォリアーズとも対戦しました。
引退後はAWAの本拠地だったミネアポリスにて集合住宅の管理業務に就きました。
得意技
ダイビング・ニー・ドロップ
キッチン・シンク
タイトル歴
WWA世界タッグ王座（アンジェロ・ポッフォと2回）
AWA世界タッグ王座（ハーリー・レイスと1回）
NWAビート・ザ・チャンプTV王座（1回）
NWAテキサス・ブラスナックル王座（1回）
NWAアメリカン・タッグ王座（ブロンコ・ルービッチと2回）
NWAフロリダ・タッグ王座（ブロンコ・ルービッチと2回、ボビー・シェーンと1回）
NWA世界タッグ王座（ドミニク・デヌーチと1回）
NWA大英帝国ヘビー級王座（1回）
NWAハワイ・タッグ王座（スティーブ・ストロングと1回）
NWAミッドアトランティック・タッグ王座（ニコライ・ボルコフと1回）
* GPWタッグ王座（ジル・ポワソンと1回）
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