シーサッチャナーライ歴史公園

シーサッチャナーライ歴史公園は、タイ北部、スコータイ県シーサッチャナーライに位置する歴史公園です。この公園は、シーサッチャナーライとチャリエンの遺跡を包含し、スコータイ歴史公園やカムペーンペット歴史公園と共に、「スコータイの歴史的な町と関連の歴史的な町」としてユネスコの世界遺産に登録されています。タイ芸術局によって維持管理されています。

概要

シーサッチャナーライは、1250年にスコータイ王朝の第二の中心地として建設され、13世紀から14世紀にかけては副王の居住地として機能しました。町の規模は約900メートル×700メートルの長方形で、16世紀にはビルマの侵攻を防ぐために、高さ5メートルの城壁と堀が設けられました。この城壁は、町の敷地内に隣接する二つの丘を取り込むように築かれています。

歴史

チャリエンの歴史

13世紀以前、タイ族はチャオプラヤー川上流域に移動し、ヨム川沿いに「水の都」を意味するチャリエンを建設しました。チャリエンは、中国とクメール王朝間の重要な貿易拠点として発展しました。中国人はこの町を「チェンリャン」と呼んでいました。1180年まで、チャリエンはスコータイとシーサッチャナーライの地方支配者、ポー・クン・シー・ナウ・ナムトムの統治下で、クメール王朝の支配を受けつつも実質的な自治を享受していました。しかし、クメールの将軍コムサバット・クロンランポンによる直接支配が始まり、重税が課されるようになりました。1239年、ポー・クン・バーンクラーンハーオ（シーインタラーティット）とポー・クン・パームアンは反乱を起こし、アンコールから独立を宣言、チャリエンを攻略し、スコータイ王国の一部としました。

スコータイ王朝の時代

シーインタラーティットの統治下で、1250年にチャリエンの西に新しい町、シーサッチャナーライが建設されました。シーインタラーティットは、息子バーンムアンを副王として派遣し、バーンムアンが王位を継ぐと、弟ラームカムヘーンにシーサッチャナーライを統治させました。このことから、シーサッチャナーライは副王または王位継承者が統治する場所という伝統が確立しました。ラームカムヘーン大王の碑文には、シーサッチャナーライの中心に仏塔が建立され、その建設に6年を要したことが記されています。この町は、王都の北部防衛の要であり、西のナコーンチュム（カムペーンペット）、東のソーンクウェー（ピッサヌローク）、南のサルワン（ピチット旧市街）と並び、副王都に相当する「4大ムアン」として重要視されました。スコータイとシーサッチャナーライは、ラームカムヘーンによって建設されたプラ・ルワン道で結ばれていました。1345年には、リタイ王がシーサッチャナーライでタイ文学の傑作とされる「三界経」を執筆しました。

ラーンナーとアユタヤの時代

ラームカムヘーンの死後、スコータイ王朝の支配力は低下しましたが、シーサッチャナーライは貿易と産業の中心地としての役割を維持しました。1451年、チエンマイのティローカラート王はシーサッチャナーライをラーンナー王国に編入し、町をチェンチュンと改名しました。1474年、アユタヤ王朝のボーロマトライローカナート王は、アユタヤ・ラーンナー戦争でこの地を奪還し、サワンカロークと改称しました。ラーマーティボーディー2世の治世に、シーサッチャナーライでのティローカラートとボーロマトライローカナートの戦いを題材にした叙事詩『リリット・ユワンパーイ』が作られました。この作品はアユタヤ王朝の最高の詩の一つとされています。

シーサッチャナーライは、アユタヤ王朝が海外に輸出する陶磁器の生産拠点として栄え、13世紀から16世紀にかけて繁栄しました。この町は14世紀に経済的、文化的な頂点を迎えました。しかし、1766年にビルマ軍が侵攻し、町は破壊されました。その後、新しいサワンカロークの町が建設され、旧市街は放棄されました。

20世紀以降

1907年、ラーマ6世は考古学的調査を行い、シーサッチャナーライで仏像の残片を発見しました。これらの残片を基に再建された仏像は、ナコーンパトムのワット・プラパトムチェーディーに安置されています。1958年には、ラーマ9世とシリキット王妃がシーサッチャナーライを訪問しました。1961年にはこの地域が保護地域に指定され、1988年に歴史公園として正式に公開されました。1991年には、スコータイの歴史的な町と関連の歴史的な町の一部として、世界遺産に登録されました。2011年のタイ洪水では、ヨム川の氾濫により、歴史公園の陶磁器窯が被害を受けました。

主な遺跡

1. ワット・プラシーラッタナーマハータート
2. ワット・チョムチュエン
3. ワット・チャオチャン
4. ワット・コクシンカラーム
5. ワット・ナーンパヤー
6. ワット・スアン・ケウ・ウタヤン・ヤイ
7. ワット・チェーディーチェットテーオ
8. ワット・チャーンローム
9. ワット・カオ・パノム・プルーン
10. ワット・カオ・スワンキリ
11. ワット・クディライ
12. サンカローク窯

シーサッチャナーライ歴史公園は、タイの歴史と文化を物語る貴重な場所であり、その歴史的価値は非常に高いと言えます。

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