ブラジルの地域

ブラジルの地域区分

ブラジルは27の州を5つの地域に分類しています。この地域分けは、1969年にブラジル地理統計院（IBGE）によって策定されました。各地域は、地理的な特徴や経済的な側面から異なる個性を発揮しており、政治的な地位は持たないものの、地域ごとの特性を知ることはブラジルを理解する上で重要です。

北部地域

北部地域は、アクレ州、アマゾナス州、アマパ州、トカンティンス州、パラー州、ロライマ州、ロンドニア州といった広大な州から成り立っています。この地域は、ブラジル国土のほぼ半分を占め、主にアマゾン熱帯雨林に覆われています。トカンティンス州を除けば、サバンナが広がっているわけではなく、いわゆる「地球の肺」とも言われるアマゾンは、多様な生態系を育んでいます。

この地域では、木材やブラジルナッツ、アサイー、黒コショウ、天然ゴムの原材料であるラテックスが産出されるほか、石油や天然ガスなども豊富です。また、金、鉄、銅、ボーキサイト、マンガンといった鉱山資源も多く、世界的にも注目されています。トランスアマゾニアンハイウェイをはじめとする交通網が整備されていますが、依然として多くの地域では水上交通が主流であり、アクセスには工夫が必要です。

北東部地域

北東部地域には、アラゴアス州、セアラー州、セルジペ州、バイーア州、パライバ州、ピアウイ州、ペルナンブーコ州、マラニョン州、リオグランデ・ド・ノルテ州が含まれます。この地域はブラジル最古のポルトガル人の入植地であり、最大都市サルヴァドールは1549年に設立されました。主にココナッツ、カシューナッツ、サトウキビ、カカオ、綿花などが生産され、観光業も盛んです。

しかし人口の43.5%が1日わずか2ドル未満で生活しており、経済的には貧しい地域とも言えます。一人当たりのGDPが最も低い数字を示していますが、最近では経済成長が見られ、貧富の差は少しずつ縮まっています。

中西部地域

中西部地域は、ゴイアス州、マットグロッソ州、マットグロッソ・ド・スル州、ブラジリア連邦直轄区で構成されています。この地域は熱帯雨林やパンタナルと呼ばれる広大な湿地帯が特徴で、ボリビアやパラグアイと国境を接しています。この地域はブラジル全体の人口に占める割合が最も低く、放牧が主な生業となっています。大豆、トウモロコシ、綿花の生産が進んでおり、地下資源としては金、銅、ニッケルなどが採掘されています。

南東部地域

南東部地域にはサンパウロ州、リオデジャネイロ州、ミナスジェライス州、エスピリトサント州が含まれ、ブラジルの経済シンボルともいえる地域です。サンパウロ市は最大の都市であり、リオデジャネイロ市もかつては首都だったことから、その重要性が伺えます。この地域は人口の約40%を占め、都市化が進行中で、金融や商業、製造業などの産業も充実しています。

南部地域

最後に南部地域は、パラナ州、サンタカタリーナ州、リオグランデ・ド・スル州から成り立っています。ブラジルの最南端を占め、寒冷な気候が特徴です。ここ数十年で製造業が発展し、国内最大の石炭鉱床も存在します。この地域は人間開発指数が最も高く、インフラの整備や都市化が進んでいます。穀物の栽培や畜産が盛んに行われており、他の地域に比べて白人の割合が多いことでも知られています。冷涼な気候が影響し、冬には雪が降ることもあります。

これらの地域は、それぞれ異なる文化や経済基盤を持つため、地域ごとの学びがブラジルの理解を深める手助けとなります。

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