マリンブルーくじらなみ号とは？意味をやさしく解説

マリンブルーくじらなみ号とは

マリンブルーくじらなみ号（マリンブルーくじらなみごう）は、東日本旅客鉄道（JR東日本）によって、夏季の特定期間（主に7月下旬から8月上旬にかけて）に運行されていた臨時快速列車です。埼玉県北部地域を出発し、高崎線、上越線、そして信越本線を経由して上越国境を越え、日本海沿岸に位置する新潟県の海水浴場、特に鯨波海水浴場などを目的地とする利用客の輸送を主な目的としていました。

座席はすべて普通車で構成され、利用者に応じて自由席と指定席が連結されていました。

運行形態

運行の最末期にあたる2009年7月時点では、7月18日から20日までの3日間と、7月25日から8月9日までの期間中の毎土曜日・日曜日に、熊谷駅と柿崎駅の間を1日1往復運転していました。

しかし、かつてはより多くの人々に利用されており、夏休み期間に入ってから8月10日頃までのほぼ毎日運行されていた時期もありました。また、2004年（平成16年）の運転計画からは、以前に比べて列車本数および運転日数が大幅に削減されています。それ以前には、群馬県の両毛線沿線である桐生駅を起点とする列車も設定されており、熊谷駅発着の列車と合わせて1日に2往復が運転される体制でした。さらに、熊谷駅発着便の運行区間が、終点の柿崎駅よりも先の直江津駅まで延長される年もありました。

停車駅

運行が終了する直前の2010年における停車駅は以下の通りです。

新潟県の宮内駅では、折り返しのために運転停車を行いましたが、ここでは乗降はできませんでした。

使用車両

この列車に使用された車両は、運行時期によって変更されています。

2002年シーズンまでは、国鉄時代からの近郊型電車である165系が主に充当されていました。2003年シーズンからは、大宮総合車両センターに所属していた183系1000番台が後を継ぎ、引退まで活躍しました。また、愛称が「青海川」だった時代には、185系200番台が運用に就いた記録もあります。

歴史と変遷

「マリンブルーくじらなみ号」の歴史は古く、その起源は約40年以上前の1968年（昭和43年）8月に遡ります。この年に高崎駅と笠島駅の間で運転された臨時普通列車「くじらなみ」が、この列車のルーツとされています。

その後、「くじらなみ」は種別を普通列車と快速列車の間で何度か変更しましたが、1981年（昭和56年）以降は快速列車として定着しました。起点となる駅も高崎駅から熊谷駅、あるいは籠原駅や宮原駅へと変わり、終点も笠島駅から米山駅、潟町駅、犀潟駅、そして直江津駅など、年によって様々な区間で運行されました。

列車の増強も行われ、1974年（昭和49年）には1日2往復体制となり、国鉄分割民営化後の1988年（昭和63年）には信越本線内での直通運転区間が拡大され、さらに1989年（平成元年）からは両毛線からの直通列車も運転されるようになりました。

愛称についても変更があり、1993年（平成5年）には「'青海川’」という名称が使われました。そして1997年（平成9年）に現在の愛称である「マリンブルーくじらなみ号」に改称され、この時点での運行区間は熊谷駅・桐生駅発着でいずれも柿崎駅行きとなりました。

その後も運行区間の微調整が行われ、例えば1999年（平成11年）や2001年（平成13年）には熊谷駅発着の列車が直江津駅まで運転されたこともありますが、2000年（平成12年）には再び2往復とも柿崎行きに戻されています。そして、2004年（平成16年）のダイヤ改正で、運行体制は熊谷駅 - 柿崎駅間の1往復に大幅に削減されました。

運行終了へ

「マリンブルーくじらなみ号」の運行は、予期せぬ自然災害や社会情勢の影響を受けました。

2007年（平成19年）には新潟県中越沖地震が発生し、運行ルート上にある信越本線の青海川駅構内で大規模な土砂崩れが発生し、線路や設備が甚大な被害を受けました。これにより信越本線の一部区間が長期間不通となったため、この年の「マリンブルーくじらなみ号」は運休となりました。

さらに、2011年（平成23年）には東日本大震災が発生し、それに伴う電力供給不足の影響により、夏季の臨時列車の運行が全体的に見直された結果、この列車も運行計画が立てられず運休となりました。電力事情が改善された翌2012年（平成24年）以降も、「マリンブルーくじらなみ号」は再び設定されることなく、そのまま事実上の運行終了となりました。長年にわたり多くの海水浴客を運んだこの列車は、歴史に幕を閉じることとなりました。

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