三条実永

三条実永（さんじょう さねなが）

三条実永は、鎌倉時代に生きた公卿です。最終的には参議、従二位という高い位階にまで昇りつめました。父は権中納言を務めた三条公泰、母は橘知茂の娘です。また、異母兄には浅原事件に関与を疑われた三条実盛がいます。

経歴

以下に、『公卿補任』および『尊卑分脈』に記載された内容に基づいて、三条実永の経歴をまとめます。

文永3年（1266年）4月21日：叙爵。
文永4年（1267年）2月1日：侍従に任ぜられる。
文永5年（1268年）1月5日：従五位上に昇叙。
文永6年（1269年）3月27日：右少将に任ぜられる。
文永7年（1270年）1月5日：正五位下に昇叙。同月21日、出羽権介を兼任。
文永8年（1271年）1月5日：従四位下に昇叙。同年2月1日、右少将に還任。
文永11年（1274年）10月3日：右中将に転任。
建治元年（1275年）12月26日：従四位上に昇叙。
建治3年（1277年）1月29日：但馬権介を兼任。
建治4年（1278年）2月10日：正四位下に昇叙。
弘安8年（1285年）8月19日：皇后宮権亮を兼任。
正応元年（1288年）11月8日：蔵人頭に補される。
正応2年（1289年）1月13日：参議に任ぜられる。右中将と皇后宮権亮は元の如し。従三位に叙される。
正応3年（1290年）1月13日：土佐権守を兼任。同月29日に参議を辞退。
正応3年（1290年）3月9日：浅原事件が発生。浅原為頼が自害に用いた刀「鯰尾」が実盛の家に伝わるものと判明し、3月10日に実盛は六波羅探題によって捕縛。
正応4年（1291年）2月：土佐権守を止める。
永仁元年（1293年）1月13日：正三位に昇叙。
正安元年（1299年）1月25日：従二位に昇叙。
嘉元3年（1305年）8月：父公泰の喪に服す。同年9月出家。
応長2年（1312年）2月28日：薨去。三条と号す。

このように、三条実永は着実に昇進を重ね、様々な官職を歴任しました。しかし、正応3年に発生した浅原事件では、異母兄である実盛が事件に関与した疑いをかけられ、捕縛されるという出来事も経験しています。

系譜

父：三条公泰（1231-?）
母：橘知茂の娘
妻：不詳
養子：三条公雅 - 三条公泰の子

参考文献

『公卿補任』（新訂増補国史大系）吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編集会（編）
『尊卑分脈』（新訂増補国史大系）吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編集会（編）
* 井上宗雄 全訳注『増鏡 中』（講談社〈講談社学術文庫〉、1983年） ISBN 978-4-06-158449-5

三条実永は、鎌倉時代という激動の時代を生き、公卿として一定の地位を築いた人物であったと言えるでしょう。

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