俵一

俵一（たわら はじめ）は、1946年10月15日に東京都で生まれた日本の俳優および声優です。

1970年代中頃から映像作品の世界でキャリアを積み重ね、テレビドラマを中心に数多くの作品に出演しました。時代劇、刑事ドラマ、現代劇、特撮など、その出演ジャンルは多岐にわたり、物語に深みを与える脇役として欠かせない存在でした。

テレビドラマでの活躍

特にテレビドラマでの出演は豊富で、NHKの大河ドラマには度々登場しています。『獅子の時代』（1980年）を皮切りに、『山河燃ゆ』（1984年）では小田上等兵を演じ、その他にも『春の波涛』（1985年）、『真田太平記』（1985年、瀬戸伴蔵役）、『太平記』（1991年）、『信長 KING OF ZIPANGU』（1992年、朝比奈泰能役）、『炎立つ』（1993年、藤原季兼役）、『毛利元就』（1997年、香川行景役）など、多数の大河ドラマに出演し、時代劇における確かな存在感を示しました。

また、NHKの連続テレビ小説にも出演しており、『澪つくし』（1985年）や『あぐり』（1997年）に登場しています。ドラマ人間模様『続・続 事件』（1980年）や新春ドラマスペシャル『男子の本懐』（1981年）、勇者は語らず『いま、日米自動車戦争は』（1983年）、月曜ドラマシリーズ『ハート』（2001年）など、他のNHK制作のドラマでもその姿を見せています。

NHK以外の民放各局のドラマにも精力的に出演しました。日本テレビ系では『俺たちの朝』（1977年）や『新五捕物帳』（1978年）、『大追跡』（1978年）、『俺はご先祖さま』（1982年）などに出演。フジテレビ系では『飢餓海峡』（1978年）、時代劇『旅がらす事件帖』（1981年）、『闇を斬れ』（1981年）、『早春スケッチブック』（1983年）など、多岐にわたる作品に参加しています。

TBS系では『夜明けの刑事』（1976年）、『青春の門 第二部「自立編」』（1978年）、水曜劇場『茜さんのお弁当』（1981年）、そして『流れる星は生きている』（1982年）や『わが子よII』（1982年）、『空への手紙』（1999年）といった「花王 愛の劇場」シリーズなど、様々な時間帯のドラマに出演しました。

テレビ朝日系では、特に刑事ドラマや特撮シリーズでの活躍が目立ちます。人気シリーズ『特捜最前線』には、「自供・檻の中の野獣！」など複数のエピソードに異なる役柄で出演。『ザ・ハングマン』や『ザ・ハングマンII』、『西部警察 PART-II』、『ゴリラ・警視庁捜査第8班』、『はぐれ刑事純情派』、『代表取締役刑事』、『はみだし刑事情熱系 PART1』など、数々の刑事ドラマで脇を固めました。土曜ワイド劇場や火曜サスペンス劇場といった2時間ドラマ枠でも、『松本清張の書道教授・消えた死体』（1982年）や『探偵・神津恭介の殺人推理』（1983年）、『タクシードライバーの推理日誌』シリーズなど、多くの作品に出演しています。

特撮シリーズでは、初期の『秘密戦隊ゴレンジャー』（1977年）や『超神ビビューン』（1977年）に端役で出演した後、2000年から2001年にかけて放送された『未来戦隊タイムレンジャー』では伊吹長官役として複数回登場し、物語の重要な役割を担いました。テレビ東京系の時代劇『大江戸捜査網』（1983年）への出演歴もあります。

映画・アニメ・Vシネマ

映画においても、1980年代から2000年代にかけて多数の作品に出演しています。山田洋次監督の『男はつらいよ 寅次郎紙風船』（1981年）や、『裸の大将放浪記』（1981年）、『南十字星』（1982年）、『マークスの山』（1995年）、『CAT'S EYE キャッツ・アイ』（1997年）、『ホワイトアウト』（2000年）など、邦画史に残る作品群で多様な役柄を演じました。アニメーション作品では、1974年に放送されたテレビアニメ『昆虫物語 新みなしごハッチ』に声優として参加しています。また、2000年のVシネマ『サギ師一平3』にも出演するなど、活躍の場は多岐にわたります。

俵一は、そのキャリアを通じて、日本の映像界において、作品世界を豊かにする存在として多くのドラマや映画を支え続けました。

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