六條八幡宮

六條八幡宮

六條八幡宮は、兵庫県神戸市北区山田町中に位置する神社で、かつて旧山田村の総鎮守として崇敬を集めていました。旧社格は郷社であり、現在も地域の人々にとって大切な存在です。

祭神

主祭神は、応神天皇です。

社名の由来

「六條八幡」という社名は、保安4年（1123年）に由来します。当時、山田庄の領主であった源為義の通称が「六条判官」であったことから、この名が付けられました。

歴史

創建

社伝によれば、六條八幡宮のある山田の地は、神功皇后の行宮があったとされる霊地です。平安時代中期の長徳元年（995年）に、周防国の僧侶である基灯が八幡三神を祀る宝殿を建てたのが始まりとされています。

元禄5年（1692年）に成立した「寺社御改書上帳」（田中家文書）には、基灯が円融寺という草庵を建てるとともに、里人の協力を得て八幡神を祀る宝殿を建てたと記されています。基灯は『今昔物語集』にも登場する人物ですが、その伝記は定かではありません。

その後、保安4年（1123年）に、山田庄の領主であった源為義が、京都の六条西洞院の自邸に祀られていた石清水八幡宮の分霊である左女牛八幡宮を勧請し、合祀しました。この出来事が、六條八幡という呼称の由来となっています。以後、神仏習合の霊山として、足利家代々の篤い尊崇を受けました。

歴史的に見ると、山田庄は平家没官領でしたが、文治3年（1187年）に源頼朝が左女牛八幡宮に寄進しました（『吾妻鏡』、若宮八幡神社文書）。この頃が、六條八幡宮の実質的な創建時期ではないかと推定されています。

室町時代以降

室町時代の文正元年（1466年）には、三重塔が建立されました。近世に入り、貞享5年（1688年）には現在の本殿が再建されています。

明治時代の廃仏毀釈の際には、神宮寺であった円融寺が廃されました。明治時代以降は、近代社格制度のもとで郷社に定められ、八幡大神を祭神としています。

社殿

本殿・拝殿

本殿は貞享5年（1688年）に再建されたもので、三間社流造、銅板葺の様式です。神戸市指定有形文化財に指定されています。

三重塔

室町時代中期の文正元年（1466年）に建立された和様の三重塔です。建立当時は、地元の有力者であった鷲尾綱貞の協力があったとされています。棟札の墨書から、大工藤原周次・小工藤原光重という2人の職人によって建てられたことが確認されています。総高は13～19.1メートルで、檜皮葺の屋根を持ちます。初層内部には仏壇が置かれ、阿弥陀三尊像が安置されています。大正3年（1914年）4月17日に、当時の古社寺保存法に基づき特別保護建造物に指定され（1950年の文化財保護法施行後は重要文化財）、平成14年（2002年）には屋根の大規模な修復が行われました。

その他

薬師堂 - 基灯が創建した円融寺の遺構と伝えられています。
舞台 - 切妻造の舞台で、神戸市指定有形文化財です。
神功皇后ゆかりの井戸 - 境内には、神功皇后にゆかりがあるとされる井戸も存在します。

境内末社

稲荷神社（宇賀魂命）
住吉神社（住吉三神・神功皇后）
山王神社（大山祗命）
大歳神社（大歳神・高良大神）
猿田彦神社（猿田彦大神）

祭事・年中行事

10月第2日曜日には、流鏑馬神事が行われます。この神事は、神戸市の登録無形民俗文化財に登録されています。

文化財

重要文化財（国指定）
三重塔（附 棟札3枚）（1914年（大正3年）4月17日指定）
神戸市指定有形文化財
本殿（1997年（平成9年）10月23日指定）
舞台（同上）
神戸市登録無形民俗文化財
流鏑馬神事（1997年（平成9年）10月23日登録）
市民の木
大銀杏（1974年（昭和49年）指定）

地域活性の取り組み

北神急行電鉄のキャラクターである北神弓子を巫女として迎え入れ、地域活性化プロジェクトを開始しました。その一環として、2016年1月1日より、御守り袋に北神弓子のイラストと電車をあしらった「夢かなう幸福御守」の授与を開始。2017年1月1日からは、新デザインの御守の授与も開始されています。

交通アクセス

神戸電鉄有馬線箕谷駅から市バス『衝原』行き（111系統）に乗車し、『山田小学校前』で下車後、徒歩6分。
* 三宮駅からもバスが利用できます。

もう一度検索