喜入生見町

喜入生見町（きいれぬくみちょう）

鹿児島市最南端に位置する喜入生見町は、豊かな自然と歴史が息づく町です。鹿児島湾に面した海岸線には、マングローブを形成するメヒルギの北限自生地があり、国の特別天然記念物にも指定されています。この地は、その地理的特性から、古くから人々の生活と密接に関わってきました。

地理

喜入生見町は、田貫川の下流域に位置し、北に喜入前之浜町、南に指宿市小牧、西に南九州市頴娃町牧之内と隣接しています。東側は鹿児島湾に面しており、海岸沿いには国道226号と指宿枕崎線が南北に走っています。また、鹿児島県道245号飯山喜入線が東西に横断し、これらの道路沿いに集落が点在しています。海岸部にはメヒルギの自生地があり、1921年に国の天然記念物に指定されました。町の中心部には鹿児島市立生見小学校、南部には生見駅、西部には生見海水浴場があります。

河川

町内には以下の河川が流れています。

田貫川
岩下川
井手川
吉見川
久津輪川
柳ヶ谷川
八枝川

歴史

奴久見の成立

室町時代には「奴久見（ぬくみ）」という地名が見られ、薩摩国給黎院に属していました。1426年の記録には「給黎院奴久見塩屋一所」とあり、1445年の記録には「給黎院奴久見之内塩屋一」と記され、共に谷山賢忠禅寺に寄進されました。

近世の生見

江戸時代には奴久見は下村の一部でしたが、1681年に下村南部が生見村として分村しました。この時、庄屋が任命され、生見村の石高は480石5斗余と記録されています。1715年には火災が発生し、13軒が焼失しました。1870年に前之浜と生見は合併して下村となり、1878年に再び分割され、生見村となりました。

町村制施行以後

1889年の町村制施行により、生見村は瀬々串村、中名村、前之浜村と共に給黎郡喜入村となりました。生見村は大字「生見」となり、1894年からは生見鉱山で銀が産出されました。1897年には国内生産量の4.7%を占めるほど採取されました。同年、給黎郡は揖宿郡に編入され、喜入村も揖宿郡の一部となりました。1934年には指宿線が開通し、生見駅が設置されました。1956年に喜入村は町制を施行し、喜入町となり、2004年に鹿児島市に編入され、大字生見は廃止され、喜入生見町となりました。

町・字域の変遷

喜入生見町の区域は、合併を経て現在の形に至っています。

人口

1995年以降の国勢調査による人口推移は以下の通りです。

年	人口
-	-
1995年	不明
2000年	不明
2005年	不明
2010年	不明
2015年	不明
2020年	857人

文化財

国指定

喜入のリュウキュウコウガイ産地（特別天然記念物）: メヒルギの自生地は、熱帯植物の北限自生地として貴重です。1914年に天然記念物に、1952年に特別天然記念物に指定されました。

市指定

帖地の田の神（有形民俗文化財（民俗資料））: 地域信仰を示す文化財です。

施設

公共

生見海水浴場：夏には多くの海水浴客で賑わいます。

教育

鹿児島市立生見小学校
生見保育園

郵便局

生見郵便局

寺社

伊勢神社
羽出島神社
久保薗社
錦光寺
佛生寺

教育

喜入生見町には「鹿児島市立生見小学校」があります。かつては中学校もありましたが、統合されました。

中学校

生見中学校: 1947年に設置されましたが、1972年に瀬々串中学校と共に喜入町立喜入中学校に統合されました。統合後も、1973年まで生見教場として利用されました。

小学校

生見小学校: 1876年に開校し、1921年には高等科が併設されました。2014年時点での児童数は29名であり、現在は小規模校の特認校に指定されています。

交通

道路

一般[[国道]]: 国道226号
主要地方道: 鹿児島県道17号指宿鹿児島インター線
一般県道: 鹿児島県道245号飯山喜入線

鉄道

九州旅客鉄道指宿枕崎線: 生見駅

難読地名

「生見」は「ぬくみ」と読む難読地名です。各種地名辞典にも掲載されています。

参考文献

「角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県」編纂委員会『角川日本地名大辞典』第46巻、角川書店、1983年
芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年
喜入町郷土誌編集委員会『喜入町郷土誌』喜入町、2004年
南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』5巻、鹿児島市、2015年
山口恵一郎、楠原佑介『難読地名辞典』東京堂出版、1993年

関連項目

生見 (曖昧さ回避ページ)
* 九州地方の難読地名一覧

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