大岩誠

大岩誠

大岩誠（おおいわ まこと、1900年7月8日 - 1957年1月11日）は、日本の政治学者であり、政治思想史を専門としていました。

来歴

東京で生まれた大岩誠は、1926年に京都帝国大学法学部を卒業後、同大学の助教授に就任しました。しかし、1933年に発生した滝川事件において、滝川教授の休職処分に抗議して辞職しました。その後、立命館大学教授兼図書館長となり、満鉄調査局を経て、戦時期には東南アジアや南アジアの独立運動に関する研究を行いました。

戦後、1948年に公職追放となり、日本電報通信社広告室（現在の電通）やカトリック通信社などに勤務しました。1951年には南山大学教授に就任し、再び教壇に立ちました。

大岩誠は、18世紀フランス啓蒙思想やイタリア・ルネサンスの思想原典の翻訳に尽力しました。翻訳は多賀善彦名義で行われたものも含まれています。

1957年1月11日、心臓衰弱のため逝去。56歳でした。

著書

単著

『新社会設計図』甲文堂書店〈最近経済問題叢書〉、1936年3月。
『安南民族運動史概説』ぐろりあ・そさえて〈ぐろりあ文庫 6〉、1941年11月。
『南アジア民族政治論』万里閣〈国防文化撰書 4〉、1942年5月。
『仏印行政制度概説』南満洲鉄道東亜経済調査局〈経済資料 通巻第205〉、1943年10月。
『政治思想発達史』三元社〈学生文庫 第6輯〉、1948年10月。

監修

仏印経済部綜合統計課 編『仏印統計書』国際日本協会訳編、国際日本協会〈大東亜統計叢書 第1部 3〉、1942年6月。

共著

小池四郎『高岳親王の御事蹟』日本南方協会、1942年3月。

翻訳

ジヤネ『サン・シモン及びサン・シモニズム』大鐙閣、1928年10月。
エラ・マイアール『婦人記者の大陸潜行記 : 北京よりカシミールへ』創元社、1938年。多賀善彦 訳名義
『マキアヴェルリ選集1 君主論』創元社、1940年。多賀善彦 訳名義
マキアヴェルリ『君主論』酣燈社〈学生文庫〉、1951年6月。
マキアヴェルリ『君主論』角川書店〈角川文庫〉、1967年4月。
マキアヴェッリ『君主論』（新版解説・大澤真幸）角川学芸出版〈角川ソフィア文庫〉、2012年8月。ISBN 9784044086091。新装改版
『マキアヴェルリ選集2・3 ローマ史論』創元社、1940年。多賀善彦 訳名義
マキアヴェルリ『ローマ史論』 全3巻、岩波書店〈岩波文庫〉、1949-1950年。
『マキアヴェルリ選集5・6 フイレンツェ史』創元社、1940年。多賀善彦 訳名義
マキアヴェルリ『フィレンツェ史』 上・下、岩波書店〈岩波文庫〉、1954年4月-1960年2月。
アナトール・フランス『現代史Ⅱ 柳のひとがた』白水社〈アナトオル・フランス長篇小説全集 第4巻〉、1941年2月。
T.E.エンニス『印度支那 フランスの政策とその発展』生活社、1941年4月。
モンテスキュー『ローマ人盛衰原因論』岩波書店〈岩波文庫〉、1941年5月。
モンテスキュー『ローマ史論』斎藤書店、1948年10月。
アンリ・ムオ『タイ・カンボヂア・ラオス諸王国遍歴記』改造社、1942年12月。
アンリ・ムオ『インドシナ王国遍歴記 アンコール・ワット発見』（新版）中央公論新社〈中公文庫〉、2002年2月。ISBN 9784122039865。
アンリ・ムオ『アンコール ワットの「発見」 タイ・カンボジア・ラオス諸王国遍歴記』（電子書籍も刊）まちごとパブリッシンブ、2018年。ISBN 9784861433368。
モンテスキュー『ペルシア人の手紙 上』斎藤書店、1948年5月。
モンテスキュー『ペルシア人の手紙』 上・下、岩波書店〈岩波文庫〉、1950年12月-1951年1月。
マキアヴェルリ『マンドラゴラ』岩波書店〈岩波文庫〉、1949年6月。
シエイエス『第三階級とは何か 他二篇』岩波書店〈岩波文庫〉、1950年5月。
カムパネルラ『太陽の都』岩波書店〈岩波文庫〉、1950年8月。
モルリイ『自然の法典』岩波書店〈岩波文庫〉、1951年11月。

共訳

グイ・ポレ、エヴリーヌ・マスペロ『カムボヂァ民俗誌 クメール族の慣習』浅見篤 共訳、生活社、1944年5月。
グイ・ポレ、エヴリーヌ・マスペロ『カムボヂァ民俗誌 クメール族の慣習』浅見篤 共訳（復刻版）、大空社〈アジア学叢書 175〉、2008年1月。ISBN 9784283005372。
J.B.デュロゼル『カトリックの歴史』岡田徳一 共訳、白水社〈文庫クセジュ 149〉、1954年11月。
J.B.デュロゼル『カトリックの歴史』岡田徳一 共訳（改訳版）、白水社〈文庫クセジュ 149〉、1967年6月。

外部リンク

* 大岩誠 - コトバンク

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