小笠原家長

小笠原家長（おがさわら いえなが）

小笠原家長は、戦国時代の武将で、信濃国伊那郡の松尾城を拠点とした松尾小笠原家の当主です。信濃守護の小笠原氏の分家に当たります。

生涯

父は信濃守護の小笠原光康で、子に小笠原定基がいます。応仁元年（1467年）に始まった応仁の乱では、東軍に与して戦いました。

文明5年（1473年）、将軍足利義政の命により、子の小笠原定基や木曾家豊（木曾義元の父）と共に美濃攻略に参加しました。当時、足利義視方の土岐成頼が京にいた隙をつき、美濃恵那郡の大井城や土岐郡の荻之島城を攻め落としました。この結果、恵那郡の中部と土岐郡の一部には、天文3年（1534年）まで小笠原氏の勢力が及びました。

また、京極氏のお家騒動である京極騒乱にも介入しました。東軍の京極政経・多賀高忠に味方し、西軍の京極高清、多賀清直・宗直父子、六角高頼らを打ち破りました。小笠原文書によれば、文明10年（1478年）には、尾張の守護代であった織田敏定の要請に応じて、武田兵庫助を介して美濃の斎藤妙椿を牽制するために援軍を送っています。

しかし、小笠原家の家督を巡り、従兄弟にあたる信濃守護・小笠原政秀と対立しました。文明12年（1480年）、政秀によって討たれ、その生涯を閉じました。なお、『寛政重修諸家譜』などには、延徳2年（1490年）10月15日に死去したと記されています。

脚注

参考文献を参照

参考文献

今井尭「小笠原系図」『日本史総覧』 3（中世 2）、新人物往来社、1984年。
長野県編『長野県史 通史編 第3巻 中世2』1987年
「寛政重修諸家譜 巻第195」

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