島津忠承

島津忠承（しまづ ただつぐ）

プロフィール

島津忠承は、1903年（明治36年）5月19日に東京で生まれ、1990年（平成2年）8月26日に亡くなった日本の華族です。玉里島津家の第3代当主であり、公爵の爵位を持ちます。位階は正三位、勲等は勲一等です。日本赤十字社社長や結核予防会会長などの要職を歴任し、社会福祉に貢献しました。

生涯

若年期と教育

1903年、島津忠済の長男として東京に生まれた忠承は、学習院で教育を受けました。学習院幼稚園から初等科、中等科、高等科を卒業後、京都大学に進学。文学部から法学部に転じ、1930年に卒業しました。

社会活動

大学卒業後、日本赤十字社に入社し、社会事業調査の嘱託として勤務しました。その後、貴族院公爵議員として政治の世界にも足を踏み入れます。1940年には日本赤十字社副社長に就任。1946年には第8代日本赤十字社社長に就任し、戦後の混乱期において、ソ連や中国に残留した日本人の救出に尽力しました。同年、結核予防会会長にも就任。

晩年と辞任

1965年、日本赤十字社の献血事業に関わる職員の汚職事件の責任を取り、社長を辞任しました。1987年には、高松宮宣仁親王の斂葬儀で司祭長を務めました。

経歴詳細

1903年（明治36年）：東京市麹町区三年町にて誕生
学習院幼稚園、初等科、中等科、高等科を卒業
1915年（大正4年）：父・忠済の死去に伴い、家督を継承
1926年（大正15年）：京都大学文学部入学、のち法学部に転部
1930年（昭和5年）：京都大学卒業、日本赤十字社入社
1933年（昭和8年）：貴族院公爵議員に就任
1937年（昭和12年）：東京慈恵会理事に就任
1940年（昭和15年）：日本赤十字社副社長に就任
1942年（昭和17年）：日本赤十字社捕虜救恤委員部長に就任
1944年（昭和19年）：結核予防会副会長に就任
1946年（昭和21年）：第8代日本赤十字社社長、結核予防会会長、三州倶楽部第5代会長に就任
1965年（昭和40年）：日本赤十字社社長を辞任
1987年（昭和62年）：高松宮宣仁親王斂葬儀司祭長に就任

栄典

島津忠承は、数々の栄典を受けています。

1915年（大正4年） 銀杯一個、大礼記念章
1917年（大正6年） 金杯一組
1918年（大正7年） 銀杯一組
1920年（大正9年） 銀杯一個
1923年（大正12年） 従五位
1925年（大正14年） 正五位、紺綬褒章
1928年（昭和3年） 従四位
1932年（昭和7年） 正四位
1934年（昭和9年） 勲四等瑞宝章
1940年（昭和15年） 紀元二千六百年祝典記念章
1942年（昭和17年） 勲三等瑞宝章
1943年（昭和18年） 正三位
1973年（昭和48年） 勲一等旭日大綬章

外国勲章

1934年（昭和9年） 満洲帝国：建国功労章
1935年（昭和10年） 満洲帝国：満洲帝国皇帝訪日紀念章
1941年（昭和16年） 満洲帝国：建国神廟創建紀念章

家族

父：島津忠済（玉里島津家第2代当主）
母：竹内田鶴子（子爵竹内治則次女）
姉：薫子（侯爵小松輝久夫人）、肅子（島津康久夫人）
弟：島津久大
妹：量子（侯爵久邇邦久夫人）
妻：三条泰子（公爵三条公美三女）
長男：島津忠広（玉里島津家第4代当主）、妻は北白川肇子（北白川宮永久王第1王女子）
次男：島津久正、妻は穂穙典子
長女：純子（波多野敬雄夫人）
次女：迪子（兼高安登仁夫人）
三女：慶子（北白川道久夫人）

参考文献

『私の履歴書 第14集』（日本経済新聞社、1961年）

外部リンク

三州倶楽部


島津忠承は、日本の社会福祉と国際協力に多大な貢献をした人物として、その功績は後世に語り継がれています。特に、戦後の混乱期における日本赤十字社社長としての活動は、多くの人々に希望を与えました。

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