李宗閔

李宗閔の生涯と業績

李宗閔（り そうびん）は、唐の時代に生きた政治家であり、その名は牛李の党争において特に耳にすることが多い人物である。彼の生涯は、政治的な裏舞台や権力闘争が織り交ぜられた波乱のものであった。生年は不詳だが、846年に亡くなったとされている。

経歴の始まり

李宗閔は貞元21年（805年）に進士試験に合格し、その後も元和4年（809年）に賢良方正科に名を連ねた。政治の腐敗を批判した彼は、宰相の李吉甫からは憎悪を向けられ、洛陽県尉へと任じられる。このように、彼の政治キャリアは多くの困難に覆われていたが、元和7年（812年）には監察御史に任命され、その後も礼部員外郎に昇進する。

権力争いの渦中へ

元和12年（817年）には、宰相の裴度が淮西の乱を鎮圧するために李宗閔を召し出し、彼は淮西観察判官となった。乱が鎮圧された後、駕部郎中を経て知制誥に転任。元和15年（820年）には、穆宗の即位に伴い中書舎人として政治の最前線に立つこととなった。

長慶元年（821年）には、娘婿の蘇巣のために剣州刺史に左遷されるが、再度入朝して中書舎人に返り咲いた。その後も昇進を続け、長慶3年（823年）には礼部侍郎、長慶4年（824年）には兵部侍郎に昇進し、最終的には大和3年（829年）に宰相の座を手に入れる。

李徳裕との対立

彼の宰相としてのキャリアにおいて、李徳裕との対立が一つの重要なテーマとなる。大和8年（834年）、再び宰相の地位に戻ると、李徳裕の任用に反対し、彼を外任に追いやるために宦官の助けを利用したと伝えられている。しかし、この行動は後に彼にとっての呪縛となり、李徳裕の政治力が増す中で、李宗閔は徐々に影響力を失っていく。

彼は大和9年（835年）に明州刺史に左遷され、さらなる降格を経て潮州司戸参軍へと流される。このように、彼の政治的立場は徐々に脅かされていった。

復権の機会とその消失

開成元年（836年）から彼の復権の機会が訪れるが、李徳裕の政権が盤石である中、なかなか復帰は果たせなかった。開成3年（838年）には、宰相に任命される可能性があったものの、他の勢力からの反対があって実現に至らず、杭州刺史に転任する。

その後、開成4年（839年）には太子賓客として一時的に地位が上昇するも、楊嗣復の再任を見たことによって再度の上昇は果たせなかった。

最晩年

会昌元年（841年）、李徳裕が政権を握ると彼は外部に追放され、さらに処州長史に降格することとなった。会昌6年（846年）には、最終的に郴州司馬に左遷され、そこで生涯を終える。

李宗閔の人生は、波乱に富んだ政治的な経験に彩られており、彼の行動や選択は、当時の唐の政治情勢を理解する上で重要な手がかりとなる。しかし、彼の業績は常に権力闘争や対立の中で変遷し、最終的には孤立した存在として終焉を迎えた。彼の一生は、政治権力の激しい変動を如実に反映しているといえるだろう。

もう一度検索