東急自動車学校

東急自動車学校（とうきゅうじどうしゃがっこう）は、東京都多摩市に拠点を置く、東京都公安委員会から指定を受けた自動車教習所です。東急グループの一員であり、学校法人五島育英会によって運営されています。この学校法人には、同じく五島育英会が設置する東京都市大学が含まれており、関連の深さがうかがえます。

東急自動車学校は、1955年4月7日に東京都大田区田園調布でその歴史を開始しました。その後、1968年には東京都世田谷区上野毛、二子玉川地区に移転し、長年にわたりこの地で多くのドライバーを育ててきました。しかし、二子玉川地区の都市計画事業が進められる中で、世田谷区からの要請を受け、2009年11月30日をもって上野毛での営業を終了。同年12月10日には、現在の所在地である東京都多摩市唐木田に新たに校舎を設け、営業を再開しました。この移転を機に、「東急ドライビングスクール」という愛称も採用されています。

現在、東急自動車学校では非常に幅広い種類の自動車・自動二輪車の教習を提供しています。普通自動車教習ではトヨタ・カローラアクシオを、準中型自動車ではいすゞ・エルフを、中型自動車では日野・レンジャーや三菱ふそう・ファイターを、そして大型自動車では日野・プロフィアや三菱ふそう・スーパーグレートといった多様な車種を使用しています。また、二輪車教習も充実しており、小型自動二輪車（ホンダ・リード、ホンダ・CB125T）、普通自動二輪車（ホンダ・シルバーウイング、ホンダ・CB400スーパーフォア）、大型自動二輪車（ホンダ・NC750L、ハーレーダビッドソン・XL883R）に対応しています。さらに、牽引自動車（日野・レンジャー）や、旅客運送に必要な大型二種（いすゞ・エルガ）、中型二種（日野・ブルーリボンII）といった免許取得も可能です。これらの主要な免許取得に加え、ペーパードライバー教習や、各種限定解除審査なども実施しています。

教習所の特色として、技能教習において指導員を選択したり、指名したりできる制度が導入されている点が挙げられます。これにより、生徒は自分に合った指導員から教習を受けることができます。また、バイク教習については、他の車種とは異なる専用のコースが用意されており、安全かつ効果的に練習に取り組める環境が整備されています。高速道路での運転教習は、現在の多摩校ではシミュレーターを用いて行われますが、かつて世田谷にあった頃は第三京浜道路で実車教習が実施されていました。安全対策として、大型教習車にはドライブレコーダーが装備されています。さらに、教習車や送迎バスのナンバープレートがすべて「・109」（東急）で統一されている点もユニークな特徴と言えるでしょう。

現在の多摩校は、東京都道158号小山乞田線、通称「尾根幹線道路」に沿って位置しています。アクセスについては、最寄りの小田急多摩線唐木田駅や京王相模原線京王堀之内駅などから無料送迎バスが運行されており、通学の便が図られています。世田谷時代は二子玉川園駅や田園調布駅からの送迎バス、あるいは東急バスの利用が可能でした。さらに遡る田園調布での開校当初は、多摩川園駅から徒歩2分という立地でした。

かつて世田谷に校舎があった時代には、東急自動車整備専門学校が併設されていました。教習所と専門学校の跡地は現在整備され、二子玉川公園の一部として利用されています。また、当時の東急自動車学校は、東京都23区の西側地域において、大型車や大型二種の免許を取得できる数少ない、あるいは唯一の教習所として知られていました。普通車教習では、マツダ・アクセラ（その前はマツダ・ファミリア、日産・ローレル）が使用されていました。さらに、世田谷区たまがわ花火大会の会場に近かったことから、夏期に入校した生徒向けに、校内に花火大会の特別観覧席を設置するというユニークな特典も提供されていたそうです。

東急自動車学校の休校日は原則として年末年始のみで、年間を通じてほぼ無休で営業していますが、イベントなどにより臨時休業する場合があります。また、東急カードの加盟店となっており、カードでの決済が利用できる点も利便性を高めています。

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