桜島二俣町

鹿児島市桜島二俣町

桜島二俣町は、鹿児島県鹿児島市に位置する町で、旧大隅国大隅郡桜島郷二俣村を起源とします。現在の郵便番号は891-1412で、2020年4月1日時点の人口は135人、世帯数は71世帯です。

地理

桜島の北部に位置し、東に桜島白浜町、西に桜島松浦町と隣接しています。北側は鹿児島湾に面しており、海岸線沿いには鹿児島県道26号桜島港黒神線が東西に走っています。この地域は、温暖な気候と肥沃な土地を生かした園芸農業が盛んで、特に温州みかんや野菜の栽培が中心です。また、桜島特産の桜島大根も栽培されています。

自然公園・自然保護地区

町の一部は霧島錦江湾国立公園に指定されており、その区域は特別地域、特別保護地区、第1種から第3種特別地域に区分されています。これらの地域では、桜島の豊かな自然が厳格に保護されています。

歴史

中世の二俣

二俣の地名は戦国時代から見られ、大隅国向島の一部でした。1539年には島津貴久によって樺山善久に与えられましたが、後に藤野（現在の桜島藤野町）と交換されました。その後、1583年までは本田正親の領地となり、1583年から1585年にかけて上井覚兼領であった白浜との境界を巡る論争が起こりました。この論争は向島郷の地頭の裁定によって境界が確定しましたが、二俣の住民はこれを受け入れず、紛糾しました。

近世の二俣

江戸時代には大隅国大隅郡桜島郷に属し、村高は40石余と記録されています。1664年の「郡村高辻帳」には二俣村の名前は見られず、1824年の伊能忠敬による桜島測量の記録では松浦の一部とされています。また、薩摩藩の地誌「三国名勝図会」にも、二俣村は松浦村の支村として記載されています。1779年の安永大噴火では、火石が村内に落下する被害を受け、住民は鹿児島へ避難しました。

1887年には、大隅郡が南北に分割され、二俣村は北[[大隅郡]]に属することになりました。

町村制施行以後

1889年の町村制施行により、二俣村は周辺の村々と合併し、北[[大隅郡]]西桜島村の一部となりました。その後、1897年には鹿児島郡に統合され、西桜島村は鹿児島郡に属することになりました。1907年には二俣巡査駐在所が設置され、警察官が配置されましたが、1940年頃に廃止されました。

1973年には西桜島村が町制を施行し桜島町となり、二俣は大字として継承されました。同年、南岳の噴火により大量の火山灰が降り注ぎ、自衛隊が出動して除去作業が行われました。

2004年、桜島町は周辺の町と共に鹿児島市に編入され、旧大字二俣の区域は「桜島二俣町」として新たに設定されました。

人口

国勢調査によると、1995年以降、人口は減少傾向にあります。

施設

郵便局

二俣郵便局は、1939年に二俣郵便取扱所として開設され、翌年に郵便局に昇格しました。

寺社

大元神社は二俣の鎮守であり、大元ノ神、櫛磐間戸神、豊磐間戸神を祀っています。境内にあるクスノキは鹿児島神宮にゆかりがあるとされ、2006年に鹿児島市の保存樹林に指定されました。

小・中学校の学区

市立小・中学校の学区については、鹿児島市教育委員会の情報を参照してください。

交通

道路

主要地方道として鹿児島県道26号桜島港黒神線が通っています。

路線バス

鹿児島市交通局の路線バスが運行しており、二俣地区にもバス停があります。

港湾

桜島港には二俣地区の避難港があります。

脚注

脚注

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県』角川書店、1983年。
芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。
桜島町郷土誌編さん委員会『桜島町郷土誌』桜島町、1988年。
南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』鹿児島市、2015年。

関連項目

* 二俣 (曖昧さ回避)

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