歌姫 〜センチメンタル女性ヴォーカリスト〜

『歌姫 〜センチメンタル女性ヴォーカリスト〜』は、日本のポピュラー音楽史における女性ヴォーカリストの珠玉の楽曲を厳選して収録したコンピレーションアルバムシリーズの第2作として、2009年2月4日にSony Music Directから発売されました（規格品番：MHCL-1477）。

本作には、1973年8月にリリースされた南沙織の「色づく街」から、1983年5月発売の薬師丸ひろ子「探偵物語」まで、およそ10年間にわたる期間に発表され、多くの人々に親しまれた女性ボーカル曲の中からヒットソングがセレクトされています。当時の音楽シーンを俯瞰できる選曲となっており、特に1978年に発表された楽曲が多数収録されている点が特徴的です。この年には、オリコン年間ヒットチャートにランクインした庄野真代「飛んでイスタンブール」（年間19位）、渡辺真知子「かもめが翔んだ日」（年間20位）、八神純子「みずいろの雨」（翌1979年年間32位）、中原理恵「東京ららばい」（年間38位）、研ナオコ「かもめはかもめ」（年間39位）、大橋純子「たそがれマイ・ラブ」（年間40位）といった名曲が、このアルバムに収められています。

収録曲は以下の通りです。

赤いスイートピー（松田聖子、1982年）
松本隆作詞、呉田軽穂（松任谷由実）作曲。オリコン年間12位。松田聖子が初めて松任谷由実から楽曲提供を受けた記念碑的作品。
五番街のマリーへ（ペドロ&カプリシャス、1973年）
阿久悠作詞、都倉俊一作曲・編曲。後に髙橋真梨子によってセルフカヴァーされました。
夢先案内人（山口百恵、1977年）
阿木燿子作詞、宇崎竜童作曲。オリコン年間21位。第6回東京音楽祭世界大会で銅賞を獲得。
ダンスはうまく踊れない（石川セリ、1977年）
井上陽水作詞・作曲。後に井上陽水自身や高樹澪、中森明菜など多くのアーティストにカヴァーされました。
たそがれマイ・ラブ（大橋純子、1978年）
阿久悠作詞、筒美京平作曲・編曲。1978年のオリコン年間40位を記録したヒット曲です。
私はピアノ（高田みづえ、1980年）
桑田佳祐作詞・作曲。サザンオールスターズ（ボーカルは原由子）のカヴァーとして知られます。
どうぞこのまま（丸山圭子、1976年）
丸山圭子作詞・作曲。セカンドアルバムからシングルカットされ、オリコン年間32位（1977年）となりました。
フィーリング（ハイ・ファイ・セット、1976年）
モリ―ス・アルベールとルイス・ガステによる洋楽曲に、なかにし礼が日本語詞をつけたもの。1977年のオリコン年間10位と大ヒットしました。
雨の物語（イルカ、1977年）
伊勢正三作詞・作曲。後に伊勢正三が在籍する風によってセルフカヴァーされています。
想い出まくら（小坂恭子、1975年）
小坂恭子作詞・作曲。1975年のオリコン年間で第3位という大ヒットを記録しました。
私は泣いています（りりィ、1974年）
りりィ作詞・作曲。1974年のオリコン年間12位にランクインしました。
かもめはかもめ（研ナオコ、1978年）
中島みゆき作詞・作曲。アルバムからのシングルカットながら、1978年のオリコン年間39位となりました。
探偵物語（薬師丸ひろ子、1983年）
松本隆作詞、大滝詠一作曲。主演映画の主題歌であり、1983年のオリコン年間4位を記録しました。
色づく街（南沙織、1973年）
有馬三恵子作詞、筒美京平作曲・編曲。本作で最も古い楽曲の一つであり、様々なアーティストにカヴァーされています。
木綿のハンカチーフ（太田裕美、1975年）
松本隆作詞、筒美京平作曲・編曲。オリコン年間4位（1976年）。アルバム収録版とは別アレンジでシングルカットされました。
東京ららばい（中原理恵、1978年）
松本隆作詞、筒美京平作曲・編曲。1978年のオリコン年間38位を記録した都会的なナンバーです。
みずいろの雨（八神純子、1978年）
八神純子自身が作曲した代表曲。1979年のオリコン年間32位となりました。
かもめが翔んだ日（渡辺真知子、1978年）
渡辺真知子作詞・作曲。1978年のオリコン年間20位。第20回日本レコード大賞最優秀新人賞受賞曲です。
飛んでイスタンブール（庄野真代、1978年）
筒美京平作曲。エキゾチックな魅力を持つヒット曲で、1978年のオリコン年間19位でした。
魅せられて（ジュディ・オング、1979年）
阿木燿子作詞、筒美京平作曲・編曲。1979年のオリコン年間2位、第21回日本レコード大賞大賞受賞という輝かしい実績を持つ代表曲です。

これらの楽曲を通して、当時の女性シンガーたちが表現した多様な感情や世界観に触れることができる、聴き応えのある一枚となっています。

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