歴史書懇話会

歴史書懇話会

歴史書懇話会（れきししょこんわかい）は、日本の歴史書を精力的に発行する出版社が結集した団体であり、互助組織としての側面も持っています。略称は「歴懇（れきこん）」として親しまれています。

概要

1967年に設立準備委員会が発足し、翌1968年6月には、御茶の水書房（退会）、学生社、至文堂（退会）、東京大学出版会、塙書房、山川出版社、吉川弘文館の7社によって正式に結成されました。初代会長には学生社の鶴岡阷巳が就任しました。

活動内容

歴史書懇話会は、歴史書の普及と出版業界の発展のため、様々な活動を展開しています。

歴史書ブックフェア（歴史書懇話会フェア）: 懇意の特設書店（21店舗）などで開催されるブックフェア。
『歴史書通信』の発行: 隔月刊で発行される歴史出版物の無料PR誌。
共同復刊企画: 一時期、復刊ドットコムの協力を得て「歴懇リバイバル」や「歴懇クラシック」といった共同復刊企画を実施。

事務局は、会員社である吉川弘文館の本社ビル内に置かれています。

また、歴史図書総目録を刊行する「歴史図書目録刊行会」も構成していましたが、2022年版をもって休刊となりました。

歴史書通信

『歴史書通信』は、歴史書懇話会が発行する歴史出版物のPR誌です。1973年6月に書店への販促を目的とした季刊誌として創刊され、1984年4月からは隔月刊へと変更、誌面もリニューアルされました。2006年1月からは、歴史書懇話会の公式ウェブサイトでもPDFファイルで閲覧できるようになっています。

特徴として、会員社以外の書籍も多く掲載されている点が挙げられます。

会員社

現在の会員社（2024年3月現在）

明石書店（1995年6月 - ）
同成社（1995年6月 - ）
塙書房（1968年6月 - ）
法藏館（2001年9月 - ）
ミネルヴァ書房（2009年4月 - 2011年6月休会 - 2012年復会 - ）
山川出版社（1968年6月 - ）
吉川弘文館（1968年6月 - ）

過去の会員社

御茶の水書房（1968年6月 - 1987年6月退会）
至文堂（1968年6月 - 2003年6月休会 - 2004年6月退会）
学生社（1968年6月 - 2012年休会 - 2013年退会）
東京大学出版会（1968年6月 - 2013年休会 - 2014年退会）
青木書店（1969年7月 - 2013年休会 - 2014年退会）
福村出版（1969年7月 - 1978年12月退会）
みすず書房（1970年8月 - 1998年6月休会 - 1999年6月退会）
校倉書房（1970年8月 - 2018年退会）
創元社（1971年8月 - 1984年12月退会）
法政大学出版局（1971年12月 - 1998年2月休会 - 1999年6月退会）
大明堂（1974年1月 - 2003年6月休会 - 2004年1月退会）
勁草書房（1975年7月 - 1981年7月退会）
社会思想社（1975年7月 - 1992年6月休会 - 1993年6月退会）
雄山閣出版（1975年7月 - 2000年6月休会 - 2001年1月退会）
東京堂出版（1975年7月 - 2019年6月28日退会）
近藤出版社（1979年7月 - 1992年1月退会）
刀水書房（1981年7月 - 2019年6月28日退会）
思文閣出版（1984年6月 - 2017年休会 - 2018年退会）
同朋舎（1985年6月 - 1997年6月休会 - 1998年6月退会）
六興出版（1986年6月 - 1992年7月退会）
大月書店（1990年6月 - 2009年6月休会 - 2010年6月退会）
平凡社（1991年4月 - 1995年6月休会 - 1996年6月退会）
柏書房（1992年9月 - 2010年6月休会 - 2011年6月退会）
恒文社（1994年6月 - 2002年6月休会 - 2003年6月退会）
京都大学学術出版会（2005年6月 - 2008年6月退会）
汲古書院（2009年4月 - 2014年8月休会 - 2015年退会）
新人物往来社（2009年4月 - 2013年退会）

歴史書通信への掲載

歴史書通信には、歴史書懇話会の会員社以外の出版社の書籍も掲載されています。2023年の掲載例としては、和泉書院、岩田書院、戎光祥出版、風間書房、汲古書院、慶應義塾大学出版会、現代書館、高志書院、皓星社、志学社、青史出版、東京堂出版、刀水書房、文学通信、八木書店などがあります。

参考文献

横井真木雄「『歴史書通信』200号を振り返る ―役立つ歴史書情報の発信をめざして―」『歴史書通信』第200号、1頁、2012年3月。
「年表・歴史書懇話会の45年」『歴史書通信』第200号、27-40頁、2012年3月。

外部リンク

歴史書懇話会 新刊情報 - 公式サイト

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