清原業忠

清原業忠（きよはら の なりただ）は、室町時代中期に活躍した公家であり、その学識の高さから「天下の学者」と称えられました。応永16年（1409年）に生まれ、応仁元年（1467年）に60歳でこの世を去りました。初名は良宣といい、少納言・清原宗業の子として生まれました。環翠軒という号も持っています。

業忠の初期の経歴は、後南朝に属していたことが特徴的です。尹良親王に従い、主水正に任ぜられ、応永34年（1427年）には尾張国津島に移り住んでいます。一時的に吉野に潜伏していた時期もありました。

その後、京に戻り、後花園天皇と後土御門天皇の侍読として仕えました。大膳大夫や大炊頭といった役職を経て、明経博士に任じられました。文安5年（1448年）には従四位上に叙せられ、その後、直講、大外記、少納言などの要職を歴任しました。享徳4年（1455年）には従三位に叙せられ、清原氏（広澄流）として初めて公卿に昇進しました。長禄元年（1457年）には大蔵卿となり、翌長禄2年（1458年）には正三位に至りました。この際、真人姓から朝臣姓に改姓しています。

業忠は、その学識の高さが広く認められており、「天下の学者皆之を師とす、清原の学大いに興る」とまで賞賛されました。彼の学問は、明経道を中心に展開され、古注に宋学の朱熹の学説を加味した独自の学風を築きました。また、明法道にも通じており、中原家や坂上家といった明法家の衰退後には、業忠の学説が重視されるようになりました。細川勝元の要請により貞永式目を講じ、『貞永式目聞書』を著すなど、その学問は多岐にわたりました。著作には『永享大饗記』も含まれています。

官歴としては、穀倉院別当、主水正、大膳大夫、大炊頭、大外記、明経博士、局務、少納言などを歴任しています。文安5年（1448年）に従四位上、宝徳元年（1449年）に少納言、享徳4年（1455年）には従三位、長禄元年（1457年）に大蔵卿、長禄2年（1458年）に正三位に叙されています。同年には出家し、法名を常忠と名乗りました。

系譜を見ると、父は清原宗業、母は不詳で、妻との間に清原宗賢と清原宗長（実際は横井政時の子）を儲けています。応仁元年（1467年）5月31日に亡くなりました。

業忠は、室町時代の学問の中心人物として、その知識と学問に対する深い情熱で、後世に大きな影響を与えました。彼の学問的遺産は、今もなお、歴史の中で重要な位置を占めています。

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