源氏物語各帖のあらすじ

源氏物語 各帖あらすじ

この文章では、紫式部による長編小説『源氏物語』全54帖のあらすじを、時代順に簡潔にまとめています。各帖の詳細な内容や登場人物については、それぞれの項目や関連資料を参照してください。

第一部：生立ちと遍歴

桐壺

物語は、桐壺更衣を深く愛した帝と、その間に生まれた光源氏の誕生から始まります。更衣の死後、帝は更衣に似た藤壺を寵愛するようになります。光源氏は、美しく成長し、臣籍降下して源氏となり、葵の上と結婚します。

空白部分（「輝く日の宮」説あり）

源氏は、藤壺や六条御息所と関係を持ち、朝顔にも思いを寄せます。この間の出来事を描いた「輝く日の宮」という巻が存在したという説もあります。

帚木

源氏は雨の夜に宿直し、そこで伊予介の妻・空蝉と出会います。空蝉の美しさに惹かれた源氏は逢瀬を求めますが、空蝉はそれを拒み続けます。

空蝉

源氏は空蝉と義理の娘の碁を偶然見かけ、逢瀬を試みますが、空蝉は脱ぎ捨てた衣を残して逃げ出します。

夕顔

源氏は夕顔という女性と関係を持ちます。夕顔は美しく素直でしたが、六条御息所の嫉妬によって命を落とします。

若紫

北山で源氏は紫の上と出会います。当初は祖母に反対されましたが、最終的に紫の上を自身の元に迎え入れます。この頃、藤壺が源氏の子を身ごもります。

末摘花

源氏と頭中将は、廃邸に住む常陸宮の姫君に惹かれますが、姫君は容姿が美しくなく、源氏は落胆します。

紅葉賀

帝が催した紅葉賀で、源氏は舞を披露し、その美しさは藤壺らを魅了します。藤壺は源氏の子を産みます。

花宴

源氏は観桜の宴で姫君と関係を持ちます。その後、その姫君が右大臣の娘・朧月夜であることを知ります。

葵

桐壺帝が退位し、源氏の兄が朱雀帝として即位します。賀茂祭で、六条御息所と葵の上の争いが勃発し、葵の上は六条御息所の生霊の祟りによって亡くなります。

賢木

六条御息所は伊勢へ下向します。桐壺帝と藤壺が亡くなり、源氏は朧月夜との密会が露見し、政敵につけ込まれそうになります。

花散里

源氏は麗景殿女御を訪ね、そこで花散里と再会します。

須磨、明石、澪標

源氏は須磨、明石に流罪となり、明石の御方と関係を持ちます。その後、無実が明らかになり、京へ戻ります。帰京後、源氏は順調に政界に復帰し、冷泉帝が即位します。六条御息所も亡くなります。

蓬生

源氏は流罪中に待ち続けた末摘花を訪ねます。

関屋

源氏は空蝉と再会します。

空白部分

物語にはこの年の記述がありません。

絵合

冷泉帝の後宮で、斎宮女御と弘徽殿女御が寵愛を競います。絵合が行われ、源氏の絵巻が賞賛されます。

松風

源氏は明石の御方を京に迎え入れます。

薄雲

明石の姫君が源氏のもとへきます。藤壺が亡くなります。冷泉帝は自身の出生の秘密を知ります。

朝顔

朝顔の斎院が退下します。源氏は夢に藤壺が現れます。

少女

葵の上との子・夕霧が元服します。六条院が完成します。

第二部：玉鬘十帖、六条院の完成と栄華

玉鬘十帖

夕顔と頭中将の娘・玉鬘を中心に、六条院での出来事が描かれます。玉鬘は多くの男性から求婚されますが、最終的には髭黒大将と結婚します。

梅枝

明石の姫君の入内準備が進みます。薫物合が行われます。

藤裏葉

夕霧と雲居雁が結婚します。明石の姫君が東宮に入内します。源氏は准太上天皇に進められます。

若菜 上・下

源氏の四十の賀を祝います。女三宮が源氏に嫁ぎます。柏木が女三宮と密通します。

柏木

女三宮は柏木との間に子を産みます。柏木は病死し、女三宮は出家します。

横笛

柏木の一周忌が行われます。

鈴虫

女三宮の開眼供養が行われます。

夕霧

夕霧は落葉の宮と結婚します。

御法

紫の上の病状が悪化します。紫の上は亡くなります。

幻

紫の上亡き後の源氏の一年が描かれます。

雲隠

帖名のみで本文は伝わっていません。

第三部：源氏死後の世界

匂宮

源氏死後の世界で、薫と匂宮を中心に物語が進みます。

紅梅

頭中将家の物語。

竹河

鬚黒家の物語。

宇治十帖

薫と匂宮、宇治の三姉妹をめぐる物語。強い仏教的色彩が特徴です。

関連項目

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