狼 (映画)

映画『狼』

1955年に公開された新藤兼人監督による日本映画。
近代映画協会が製作を手掛けた。

あらすじ

本作は、貧困にあえぐ人々が、生きるために保険勧誘員となるも、やがて追い詰められ強盗に手を染めてしまう姿を描いた作品である。

会社組織が弱者を搾取し、非情なまでに追い詰めていく様を鮮烈に描き出し、人間の業や社会の暗部を抉り出す社会派犯罪映画として評価されている。

スタッフ

監督・脚本: 新藤兼人
製作: 絲屋寿雄、山田典吾、能登節雄
撮影: 伊藤武夫
音楽: 伊福部昭
編集: 今泉善珠

キャスト

矢野秋子: 乙羽信子
藤林富江: 高杉早苗
三川義行: 殿山泰司
原島之男: 浜村純
吉川房次郎: 菅井一郎
和田医師: 宇野重吉
東洋生命支社橋本桜部長: 小沢栄
東洋生命支社長: 東野英治郎
東洋生命支社本社営業部長: 清水将夫
東洋生命支社営業課長: 三島雅夫
山本秀夫: 信欣三
捜査本部警部: 永田靖
東洋生命支社西部支部長: 御橋公
小学校の女教員: 岸旗江
原島智子: 坪内美子
吉川たか: 英百合子
捜査本部刑事: 河野秋武
捜査本部警部補: 神田隆
洗濯屋主人: 左卜全
勧誘員: 小笠原章二郎
勧誘員: 武田正憲
東洋生命支社町田梅部長: 北林谷栄
たみ: 高野由美
三川文代: 菅井きん
十二号の看護婦: 奈良岡朋子
病院の女事務員: 佐々木すみ江
岡野: 柳谷寛
佐藤: 近藤宏
高橋孝: 下元勉
男: 芦田伸介
勧誘員: 鶴丸睦彦
押し売り: 高原駿雄
秋子の息子: 松山省二
森山: 望月伸光
踏切の警官: 下條正巳

その他の出演者

中原早苗、清川玉枝、花岡菊子、朝霧鏡子、田中筆子、嵯峨善兵、金子信雄、清水一郎、斎藤美和、島田文子、安部徹、紅沢葉子、戸田春子、原ひさ子、三崎千恵子、田中敬子、花沢徳衛、石島房太郎、田島義文、宮坂将嘉、日野道夫、高島敏郎、松下達夫、富田浩太郎、庄司永健、木下ゆず子、幸田宗丸、曙ゆり（特別出演）など、多くの俳優が出演している。

映画の特徴

新藤兼人監督のリアリズムを追求した演出と、社会の矛盾を鋭く描いた脚本が特徴。

弱者が追い詰められていく過程を丁寧に描き、観る者に深い感情移入と衝撃を与える。

保険会社という組織の冷酷さや、当時の社会情勢が反映された作品として、現代においてもそのメッセージ性は色褪せていない。

伊福部昭による音楽も、作品の雰囲気を盛り上げるのに一役買っている。

外部リンク

* 狼 - 文化庁日本映画情報システム

もう一度検索