第4特科連隊

第4特科連隊について

第4特科連隊は、かつて福岡県久留米市の久留米駐屯地に駐屯していた、陸上自衛隊第4師団隷下の野戦特科部隊です。2019年3月25日に部隊は廃止され、その歴史に幕を閉じました。

概要

第4特科連隊は、かつては旭川駐屯地の第2特科連隊と並び、日本最大の特科連隊の一つでした。しかし、2013年3月の師団改編と西部方面混成団の新編に伴い、その規模は大きく縮小されました。具体的には、5個特科大隊16個射撃中隊から3個特科大隊6個射撃中隊編成へ、そして火砲の数も約80門から30門へと削減されました。

2019年3月には部隊が廃止され、その機能は第4師団司令部火力調整部と西部方面特科連隊の第2特科大隊・第4特科大隊に再編されました。

部隊マークには、久留米に駐屯していた第18師団（菊兵団）と第56師団（龍兵団）に由来する菊と龍が用いられていました。

沿革

第64連隊時代

1951年（昭和26年）5月1日：警察予備隊第4管区隊第64連隊として、針尾駐屯地で新編されました。
1952年（昭和27年）
3月20日：第3大隊が久留米駐屯地に移駐しました。
10月10日：第4大隊が久留米駐屯地に移駐しました。
12月3日：連隊主力（第1・第2大隊を除く）が久留米駐屯地に移駐しました。

第4特科連隊時代

1954年（昭和29年）
7月1日：陸上自衛隊の発足に伴い、第64連隊は第4特科連隊に称号変更されました。
11月5日：第1大隊が久留米駐屯地に移駐しました。
12月30日：第2大隊が久留米駐屯地に移駐しました。
1956年（昭和31年）1月25日：第4特科連隊の構成員を主力とし、第3特科群の一部人員を加えて、第8特科連隊（第3大隊を除く）が久留米駐屯地で編成されました。
1962年（昭和37年）8月15日：第4管区隊の第4師団への改編に伴い、第4大隊が第5大隊に、第5大隊が第6大隊に改編。新たに第4大隊が新編されました。
1972年（昭和47年）3月24日：35mm2連装高射機関砲 L-90の配備に伴い、第6大隊が改編されました。
1987年（昭和62年）3月26日：第5大隊に155mmりゅう弾砲 FH70が配備され、情報中隊が新編されました。
1989年（平成元年）3月24日：第6大隊に81式短距離地対空誘導弾と79式対空レーダ装置 JTPS-P9が配備されました。
1990年（平成2年）3月26日：第6大隊が第4高射特科大隊として分離独立し、師団直轄となりました。
1992年（平成4年）3月27日：第1、第2大隊の装備が155mmりゅう弾砲 FH70に更新されました。
2003年（平成15年）3月27日：第4師団の沿岸配備型師団への改編に伴い、各大隊の155mmりゅう弾砲 FH70を増強し、2個中隊から3個中隊に編成を改編しました。後方支援体制の変更に伴い、整備部門は第4後方支援連隊第2整備大隊特科直接支援中隊へ移管されました。
2013年（平成25年）3月26日：第4師団の改編に伴い、5個大隊16個射撃中隊から3個大隊6個射撃中隊編成に縮小改編されました。
2018年（平成30年）3月26日：久留米駐屯地司令職務・佐賀県隊区の指定部隊が西部方面混成団に移管されました。
2019年（平成31年）3月25日：部隊は廃止されました。連隊本部は師団司令部の火力調整部へ、3個射撃大隊は西部方面特科連隊の第2特科大隊（玖珠駐屯地）と第4特科大隊として再編されました。警備隊区は福岡県を西部方面混成団および第4高射特科大隊へ、佐賀県を西部方面特科連隊第4特科大隊に移管されました。

廃止時の部隊編成

第4特科連隊本部
第4特科連隊本部中隊「4特-本」
情報中隊「4特-情」
第1特科大隊
第1特科大隊本部
本部管理中隊「4特-1-本」
第1射撃中隊「4特-1-1」
第2射撃中隊「4特-1-2」
第2特科大隊
第2特科大隊本部
本部管理中隊「4特-2-本」
第3射撃中隊「4特-2-3」
第4射撃中隊「4特-2-4」
第3特科大隊
第3特科大隊本部
本部管理中隊「4特-3-本」
第5射撃中隊「4特-3-5」
第6射撃中隊「4特-3-6」
整備支援部隊
第4後方支援連隊第2整備大隊特科直接支援中隊「4後支-2-特」（久留米駐屯地）：2003年（平成15年）3月27日から2019年（平成31年）3月25日の間。

歴代の連隊長

歴代の連隊長については、詳細な情報が確認できませんでした。

主要装備

155mmりゅう弾砲 FH70
中砲けん引車
82式指揮通信車
対砲レーダ装置 JTPS-P16
対迫レーダ装置 JMPQ-P13
1/2tトラック／73式小型トラック
1 1/2tトラック／73式中型トラック
3 1/2tトラック／73式大型トラック
9mm拳銃
89式5.56mm小銃
12.7mm重機関銃

警備区域

情報中隊 - 福岡県八女市・広川町
第1大隊 - 佐賀県唐津市・伊万里市・有田町・玄海町
第2大隊 - 福岡県久留米市・うきは市・大川市・みやま市・筑後市・柳川市・大牟田市・大木町
第3大隊 - 佐賀市・小城市・多久市

脚注

出典

『日本砲兵史 : 自衛隊砲兵過去現在未来』（陸上自衛隊富士学校特科会 編 1980.6）
“防衛省人事発令”. 2015年12月18日閲覧。

関連項目

富士学校 / 富士教導団 / 特科教導隊
西部方面特科隊（西部方面特科連隊）
第8特科連隊

外部リンク

* 久留米駐屯地

第4特科連隊は、その長い歴史の中で、日本の防衛に大きく貢献しました。その解散は、陸上自衛隊の近代化の一環であり、新たな体制へと移行するためのものでした。

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