臼部

臼部（きゅうぶ）について

臼部は、漢字を部首に基づいて分類する際の重要なグループの一つであり、康熙字典では214部首中135番目に位置づけられています。この部首は、6画の部首の中では17番目にあたります。

臼部の概要

臼部は『説文解字』に基づき、臼部自体と𦥑部、舁部が統合されたものです。臼部には「臼」と「𦥑」の2つの偏旁が含まれ、主にこれらに関連する漢字が収められています。

臼の意味

「臼」という文字は、米をつくるための器具である臼を指します。その形状は、器具内部に残った米粒を象徴しています。この偏旁は、臼に関連する事柄を示す意味符として機能し、声符としては「キウ」という音をあらわします。

𦥑の意味

「𦥑」という字の発音は「キョク」または「jú」であり、両手をこまねいている状況を表現しています。この文字は、上から伸びた両手の形状が象徴的です。偏旁としては、両手の動作を示す意味があります。

また、「𦥑」は「與」といった古い字形の陰に隠れており、いわゆる「廾」を伴います。この形は、「舁」という字形の変形でもあり、一般的に二人が協力して何かを持ち上げる様子を表現しています。

部首の分類

「興」という字も伝統的にはこの臼部に属していましたが、その部首の特定が難しい場合もあります。現代の部首分類法の一つである「GB13000.1字符集漢字部首帰部規範」では、字形による規則性を重視しているため、「興」は八部に分類されています。同様に、「舊」（旧の旧字体）についても音符に基づいており、隹部でなくここに収められています。

各国での呼称

臼部の呼称は国によって異なります。日本では「うす」と呼ばれ、韓国では「절구구부（jeolgu gu bu）」、英米では「Radical mortar」とされます。このように、文化によって異なる表現がなされています。

臼部の例字

この部首に属する典型的な字は「臼」だけでなく、さまざまな漢字があります。以下にその一部を示します。

• - 臼
• - 舂
• - 舅
• - 舊（旧に分類される場合あり）

「𦥑」部についても、いくつかの字が存在します。

• - 舁
• - 舃
• - 與（与に分類される場合あり）
• - 興

音韻について

臼部に関連する中古音や現代音も見逃せません。

• - 中古音

- 広韻：其九切、有韻、上声
- 詩韻：有韻、上声
- 三十六字母：群母

• - 現代音

- 普通話：ピンインは「jiù」、注音は「ㄐㄧㄡˋ」、ウェード式は「chiu4」
- 広東語：Jyutpingでは「kau5」、イェール式は「kau5」
- 日本語：音読みは「キュウ」（漢音）、訓読みは「うす」
- 朝鮮語：音は「구(gu)」、訓は「절구（jeolgu）」

臼部は漢字の中でも特に面白い特徴を持った部首であり、さまざまな文化や言語における変遷を追うことができる点が、漢字の魅力を深めています。

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