趙謙

趙謙の生涯と業績

趙 謙（ちょう けん、？ - 初平3年〈192年〉）は後漢時代末期に活躍した人物であり、字は彦信です。彼は益州の蜀郡、現在の成都県出身で、祖父の趙戒や叔父の趙典、さらには弟の趙温と共に、三公の位に就くという名誉を受けました。また、彼は『巴蜀老旧伝』の編纂にも携わっており、自らの名声と共に歴史に足跡を残しました。

初期の経歴

趙謙は中平元年（184年）に汝南太守として黄巾党と戦うものの、大敗を喫しました。その後、初平元年（190年）に、罷免された黄琬の後任として太尉に任命されることとなります。このとき、彼は献帝の遷都に際し、護衛の役割を果たしました。その後、彼は車騎将軍に就任され、洛亭侯の称号も授与されます。

政治的な活動

しかし、初平2年（191年）には病に倒れ辞職しますが、同年7月、馬日磾が太尉に就任した際には、趙謙も司隷校尉に任命されることとなりました。彼は恐れ知らずの性格で、董卓の寵愛を受けていた車師王の侍子が不法行為を繰り返していたため、これを捕らえて処刑しました。

この行動は董卓の怒りを買い、彼自身には直接的な報復はなかったものの、董卓によって司隷校尉の職を解任され、財産も没収されるという事態に至りました。こうした難局を経ても、彼は軍事的な腕前によって再び評価されることとなります。

軍事的な活躍

その後、『英雄記』によれば、犍為太守の任岐が反乱を起こした際、董卓が趙謙に益州への侵攻を命じました。趙謙は劉焉の部下である校尉の賈龍を説得し、彼を味方に引き込むことに成功しましたが、劉焉の迎撃を受けて賈龍は敗れ、戦死してしまいます。それでも、趙謙は前将軍に任命され、白波賊との戦いで功績を挙げ郫侯に封じられました。

後期の役職

初平3年（192年）4月、董卓が呂布によって暗殺された後、王允の後任として司徒に任命されましたが、再び病に苦しみ、数か月後には退任しています。同年、彼は尚書令を拝命するものの、最終的には病によってこの世を去りました。趙謙の死後、彼は忠義の名を受け継がれました。

逸話と人脈

彼の生涯には多くの逸話が存在します。特に、清流派の謝弼との親交が有名です。謝弼は曹節の従子の讒言により不当に獄死してしまいましたが、趙謙は彼の無実を証明するため、上奏を行い、曹紹を逮捕して処刑に追い込んでいます。彼のこの行動は彼が正義感に溢れた人物であったことを示しています。

遺族

さらに、趙謙の子、趙寧は故郷に戻り、『郷俗記』を著したと言われています。彼の一族はその後も歴史の中で名を残す存在となりました。

趙謙の人生は、後漢末の混乱を乗り越え、様々な役割を果たしながらも忠義を貫いた人物として、今日に至るまで多くの人々に語り草となるものです。

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