韓説

韓説（かん えつ）

韓説は、紀元前の前漢時代に生きた人物で、字は少卿と称しました。彼は、弓高侯韓頽当の孫にあたり、韓王信の曾孫という家系に生まれています。また、韓説の兄である韓嫣も武帝に寵愛された人物として知られています。

生涯

韓説は、元朔5年（紀元前124年）に校尉として匈奴攻めに参加し、匈奴王を捕虜にするという大きな功績を挙げました。この功績により、彼は龍頟侯に封じられることとなります。しかし、元鼎5年（紀元前112年）には、酎金事件に連座して列侯の地位を失ってしまいます。

その後、元封元年（紀元前110年）に横海将軍として再び軍功をあげる機会を得ます。彼は閩越侵攻に従軍し、按道侯に封じられました。太初3年（紀元前102年）には、游撃将軍となり五原の塞外の城に駐屯しました。任務を終えて帰還すると、光禄勲という官職に就いています。

征和2年（紀元前91年）に発生した巫蠱の禍では、江充らと共に事件の取り調べに当たる役割を担いました。江充が太子宮で巫蠱の証拠を発見すると、追い詰められた皇太子劉拠（戾太子）は江充を捕らえ、反乱を起こします。皇太子は韓説の元にも逮捕の使者を送りましたが、韓説はそれを疑い逮捕に応じなかったため、その使者によって殺害されるという悲劇的な結末を迎えます。

死後、韓説は愍侯と諡され、按道侯の地位は子の韓興が継承しました。しかし、韓興も後に巫蠱の事件に関与した罪で処刑されてしまいます。後元元年（紀元前88年）、武帝は「游撃将軍（韓説）は殉職したのであり、その忠誠に免じて家族は連座させてはならぬ」と命じ、韓興の弟である韓増が龍頟侯に封じられました。韓増はその後、大司馬車騎将軍・領尚書事という重要な地位にまで昇りつめました。

参考文献

班固著『漢書』巻6武帝紀
班固著『漢書』巻16高恵高后文功臣表
班固著『漢書』巻19下百官公卿表下
班固著『漢書』巻33韓王信伝
班固著『漢書』巻63劉拠伝
班固著『漢書』巻93韓嫣伝

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