駒井朝温

駒井朝温（こまい ともあつ）

駒井朝温は、文政6年（1823年）に生まれ、明治29年（1896年）に73歳で没した、幕末の旗本です。上野国連取などに領地を有していました。

生涯

父は駒井兜十郎。官位は従五位下山城守、甲斐守。玉虹と号しました。

朝温は、西丸目付、本丸目付などを務め、安政5年（1858年）5月26日には、軍政改革掛ならびに外国貿易取調掛に起用されました。この時期には、13代将軍徳川家定の継嗣問題が論じられており、朝温は御三卿の一つである一橋徳川家の当主・徳川慶喜（のちの15代将軍）を推す一橋派の立場でした。

万延元年（1860年）3月4日、桜田門外の変においては、老中松平乗全、若年寄遠藤胤統、寺社奉行本庄宗秀、大目付久貝正典、江戸町奉行池田頼方、勘定奉行山口直信とともに吟味掛となりました。同年12月には大目付に昇進しています。

文久2年（1862年）8月24日に小姓組番頭となりましたが、同年11月、井伊直弼による安政の大獄に関与したとして蟄居を命じられました。しかし、元治元年（1864年）6月29日には歩兵頭として復帰し、同年7月21日には大目付に復し、8月11日には勘定奉行、12月19日には再び大目付となり、その後講武所奉行並を務めました。

慶応元年（1865年）2月、長州征伐における長州藩主・毛利敬親父子、三条実美ら五卿の江戸拘引において、護送の命を受けましたが、その使命の遂行が困難であるとして幕命を固辞し、職を免じられました。5月11日には歩兵奉行となり6月19日まで務め、11月2日には再び勘定奉行となりました。

慶応2年（1866年）7月3日には大目付となり、慶応3年1月19日より陸軍奉行並となり1月28日まで務めました。慶応4年（1868年）3月、江戸幕府の終焉とともに公職を去り、明治29年（1896年）に73歳で死去しました。

系譜

祖父：駒井正明（政太郎、右京）
父：駒井朝輝（兜十郎、左京、松平左金吾定寅の三男、駒井正明の婿養子）
二男：小栗忠道（小栗忠順の養子。小栗忠順が斬首された翌日に上野国高崎で斬首）
三男：小栗忠祥（忠順の遺児国子が成人し結婚する迄小栗家を継ぐ）
四男：駒井朝充
五男：駒井忠祥

参考文献

明治維新人名辞典（日本歴史学会）
小川恭一編『寛政譜以降旗本家百科事典』東洋書林 1997年
* 『伊勢崎史話』6(9),江戸末期､連取村を知行した 駒井甲斐守朝温,渡辺敦,p2～6,伊勢崎市立図書館,1963-09

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