2021年に発見された太陽系外惑星の一覧

2021年に発見された太陽系外惑星：新たな発見と観測技術の進展

2021年は、太陽系外惑星の発見において重要な一年となりました。多数の惑星が発見され、惑星の多様性や形成過程についての理解が深まりました。これらの発見は、主にTESS（Transiting Exoplanet Survey Satellite）やNGTS（Next-Generation Transit Survey）などの観測装置、そしてケプラー宇宙望遠鏡の過去の観測データの再解析によってもたらされました。

注目すべき発見

2021年に発見された惑星の中には、特に注目すべきものが多数あります。

KOI-5Ab: ケプラー宇宙望遠鏡によって初期に検出された惑星候補でしたが、他の多数の候補に埋もれていました。しかし、TESSによる観測で「TOI-1241 b」として再発見され、その存在が確認されました。この発見は、過去のデータを再評価することの重要性を示唆しています。
TOI-178系: 6つの惑星を持つ多惑星系で、外側の5つの惑星は軌道共鳴の関係にあります。この発見は、惑星系の形成と進化について新たな知見を与えてくれます。
ベガb: 恒星ベガの周りを約2.43日で公転する惑星候補です。この惑星は、観測された明るい星の周りを公転するため、今後の観測が期待されます。
ケンタウルス座α星Ab: 地球から最も近い恒星系であるケンタウルス座α星Aのハビタブルゾーン内を公転する惑星候補です。この惑星は、直接観測法で発見され、生命が存在する可能性のある惑星として注目されています。
NGTS-15b, 16b, 17b, 18b: NGTSによって発見された4つのホット・ジュピターです。これらの惑星は、大質量で恒星の近くを公転しており、惑星大気の研究に役立ちます。
YSES 2b: 超大型望遠鏡VLTのSPHEREを用いて直接撮像された惑星で、若い主星から約115天文単位離れた位置を公転しています。この惑星は、惑星形成の初期段階を研究する上で重要な対象です。
ドップラー分光法による発見: SOPHIEやThe California Legacy Surveyによって、複数の木星型惑星やその他の惑星が発見されました。これらの発見は、ドップラー分光法の有効性を示しています。
TOI-1807系、TOI-2076系: 合計4つの惑星が発見された系で、これらの惑星はまだ進化の段階にあります。特にTOI-1807 bは公転周期が13時間と非常に短い惑星です。
TOI-175 e, TOI-175 f: 既に3つの惑星が発見されていたTOI-175系に、新たに4つ目の惑星eが発見されました。さらに、ハビタブルゾーンに位置する可能性のある惑星候補fも示唆されています。
K2ミッションの惑星候補: K2ミッションの惑星候補から、新たに37個の惑星が確認されました。
グリーゼ146b: ESPRESSOによって単独で発見された惑星で、新たな発見手法の可能性を示唆しています。
2MASS J04372171+2651014 b (2M0437b): すばる望遠鏡により直接撮像法で発見された、最も若い太陽系外惑星の一つです。
ExoMinerによる発見: 機械学習を用いたExoMinerによって、ケプラー宇宙望遠鏡の301個の惑星候補が確認されました。この技術は、今後の惑星発見に大きく貢献すると期待されています。
TOI-731 b (グリーゼ367b): 地球質量の約0.55倍の超短周期惑星で、大きな核を持っていると考えられています。水星に似た特徴を持つ可能性があります。

惑星の分類と観測方法

太陽系外惑星の発見には、様々な観測方法が用いられます。

トランジット法 (T): 惑星が恒星の前を通過する際に、恒星の明るさがわずかに減少する現象を利用して惑星を検出します。
ドップラー分光法 (RV): 惑星の重力によって恒星がわずかに揺れる現象を利用して惑星を検出します。
直接観測法 (I): 恒星の光を遮ることで、直接惑星を撮影して検出します。
重力マイクロレンズ法 (M): 恒星と惑星が重力レンズとして機能し、背景の恒星の光が増幅される現象を利用して惑星を検出します。
TTV法: トランジットの時間変化を測定して惑星を検出します。
アストロメトリ法: 惑星の影響による恒星の固有運動の変化を観測して惑星を検出します。
タイミング法: パルサーのタイミング変動から惑星を検出します。
Disk Kinematics法: 星周円盤の速度構造から惑星を検出します。
軌道輝度変調法(OBM):惑星の軌道によって明るさが変化することを利用して検出します。

また、惑星の質量と半径は、地球質量（M⊕）と地球半径（R⊕）を基準に、木星質量（MJ）と木星半径（RJ）に換算されます。距離は、光年（ly）からパーセク（pc）に換算されます。

まとめ

2021年は、太陽系外惑星の発見において重要な進展が見られた一年でした。多数の惑星が発見されただけでなく、観測技術の進歩によって、より詳細な惑星の特性が明らかになりつつあります。これらの発見は、私たちの宇宙に対する理解を深める上で、非常に重要です。

参考資料

Confirmed Planets - NASA Exoplanet Archive
The Extrasolar Planet Encyclopaedia Catalog - The Extrasolar Planet Encyclopaedia
系外惑星データベース - ExoKyoto
Exoplanet Catalog - Exoplanet Exploration: Planets Beyond our Solar System (NASA)
NASA Exoplanet Archive

関連項目

太陽系外惑星
太陽系外惑星の発見方法
* 居住するのに適した太陽系外惑星の一覧

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