男女群島

男女群島について

男女群島（だんじょぐんとう）は、長崎県の五島列島に属し、福江島の南南西約70kmに位置する無人島の群れです。この群島は、総面積が4.75平方キロ[[メートル]]で、最も高い地点は283メートルに達します。無人島であるため、現在住民はおらず、かつては女島にあった灯台に職員が交代で派遣されていましたが、2006年にその灯台が無人化されました。これにより、男女群島はより一層自然の状態が保たれることになりました。

この群島は、対馬海流が交差する絶海の孤島であり、周辺海域は豊かな漁場として知られています。男女群島には渡り鳥や釣り人が頻繁に訪れ、特に釣り愛好者にとっては名所となっています。男女群島を構成する主な島々には男島、クロキ島、中ノ島、ハナグリ島、女島があります。この一帯は、北西へ約30kmのところに肥前鳥島があります。

自然環境

男女群島の全ての島は均質な溶結凝灰岩で形成されており、海岸線は海食崖によって囲まれ、柱状節理が見受けられます。植物相は、暖温帯のタブノキやヤブニッケイと亜熱帯のオオタニワタリやクワズイモが混在しており、特に北限地としてマルバニッケイも見られます。動物相では、天然記念物に指定されているカラスバトやアカヒゲが生息し、男島には独自の爬虫類もいることから、生物多様性が評価されています。

男女群島は、1969年8月18日には国によって指定された天然記念物および保護区域とされ、一般観光客が立ち入る際には許可が必要です。海鳥の繁殖地としても重要であり、オオミズナギドリやカンムリウミスズメなどの鳥類が集まります。このため、1973年には国指定の鳥獣保護区としての指定を受け、全域が特別保護地区となっています。

歴史的背景

国産み神話においては、男女群島はイザナギとイザナミの神が産んだ6つの島の一つと考えられています。8世紀後半から9世紀には、日本の遣唐使船の航海における目印として利用され、逐次南路を通った船の寄港地となりました。

中世には源定茂がこの島を所有し、さらには松浦水軍に属して貿易の中継地としても機能していました。江戸時代にはおおいに漁業が栄え、年間300隻を超える漁船が集まったとされています。特に1886年からはサンゴの漁が盛んになり、多くの漁船が周辺海域に出入りしましたが、海難事故も多発しました。

1945年には戦争の影響で民間人が全員島を離れることとなり、進駐軍によって灯台が爆破されました。戦争終結後は再び人々が帰島し、今後は観光地としても発展していきました。

現状と課題

男女群島は近年、釣りやダイビングのスポットとして評判が良く、観光客が訪れるようになっています。しかし、排他的経済水域の問題も抱えており、大韓民国との海洋紛争によって日本の主権が問われる場面もありました。

交通アクセス

男女群島へのアクセスは九州の本土から、長崎県や熊本県、鹿児島県から出発する渡船が利用されています。高速艇で約3時間ほどで到着可能です。また、男島には真浦漁港があり、海上保安庁管理のヘリポートも存在するなど、周辺海域の監視体制も整っています。

男女群島はその自然の美しさと歴史的背景から、訪れる価値のある特別な場所となっています。自然保護の観点からも重要視されているため、訪れる際にはマナーを守った行動が求められます。

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