K

Kの解説

はじめに

Kは、ラテンアルファベットの11番目の文字であり、小文字はkです。ギリシャ文字のカッパ(Κ)を起源とし、キリル文字のКに相当します。フランス語やイタリア語などでは、主に外来語で使用されます。本記事では、Kの字形、呼称、音素、そして様々な分野におけるKの意味や用法を詳細に解説します。

字形

Kの大文字は、縦棒から右上と右下に斜線が伸びた形をしています。大文字では、2本の斜線の高さが縦棒とほぼ同じですが、小文字では斜線の高さが半分になります。フラクトゥールと呼ばれる筆記体では、独特の形状になります。

呼称

Kの呼称は、言語によって異なります。ラテン語、ドイツ語、オランダ語、ハンガリー語、ポーランド語、ノルウェー語では「カー」、フランス語とスペイン語では「カ」、イタリア語では「カッパ」または「cappa」、ポルトガル語では「カパ」、英語では「ケイ」(/keɪ/)、エスペラント語では「コー」、日本語では「ケー」(/ke̞ː/)や「ケイ」(/ke̞i/)と呼ばれます。

音素

Kが表す音素は、/k/またはその類似音です。フランス語やイタリア語では、/k/の音を表す際にcやquが用いられることも多く、英語ではke, ki, ky以外の綴りではcがよく使われ、子音の前に来ることは稀です。またkuは主に外来語で使われます。多くの言語でKは使用されませんが、非ラテン文字を使用する言語をラテン文字に転記する際、/k/または類似音を表すためにKが頻繁に使用されます。

各言語におけるローマ字表記

日本語のローマ字表記（訓令式、ヘボン式）では、か行の子音にKが用いられます。朝鮮語のローマ字表記では、文化観光部2000年式ではㅋと終声のㄱ（母音が後続しない場合）、マッキューン＝ライシャワー式では語頭などの無声で発音される初声のㄱにKが用いられます。初声のㄲは、どちらの方式でもkkと表記されます。中国語の漢語拼音では、有気軟口蓋破裂音にKが用いられます。キリル文字のкは、原則としてkに転記されますが、хはkhで転記されることもあります。

Kの意味と用法

Kは、様々な分野で多様な意味を持ちます。

順序: 連続したものの11番目
ローマ数字: 250
元素記号: カリウム
物理学: 波数、固有状態、運動エネルギー、ボルツマン定数（小文字）、ばね係数（小文字）、K中間子、K点
原子物理学: K殻
光学: ケルナー形式
電子工学: カソード
医学: ドイツ語で癌を意味するKrebsまたはKarzinomの略語（例: Ö.K. = 食道癌）
印刷: CMYKの黒 (Key plate)
経済学: 資本、マーシャルのk
トランプ: キング
チェス: キング
国名略称: 韓国(Korea)、朝鮮
ドイツ語: Kurz（短い）の略語（例: ワルサーPPK = Polizei Pistole Kurz）
鉄道: 各路線の路線記号（例: JR石勝線・根室線、名古屋市営地下鉄上飯田線など）
台湾: 「K書」は「書を読む」
ネットスラング: 笑い（例: kkkk）
間取り図: キッチン
食品: K値（食品の鮮度指標）
敬称: 「くん」（特に若い女性の間で流行）
軍事: ソ連/ロシアの潜水巡洋艦
労働環境: 「きつい・汚い・危険」の3K
企業: ケロッグ社のティッカーシンボル
音楽記号: 「けい」の音
俗語: 警察
自動車: 軽自動車
排出ガス規制: 1979年規制のディーゼル車
単位: 1000、キロ、千円、1024バイト（コンピュータ関連）
温度単位: ケルビン
金の純度: カラット
スポーツ: 野球の三振、K-1、スキーのジャンプ競技におけるK点、アメリカンフットボールのキッカー
機械メーカー: [京セラ]、KENWOOD
カメラ: ペンタックスKマウント
コンピュータ: FACOM Kシリーズ、京（K computer）
音楽: 楽曲名、アーティスト名、整理番号（ケッヘル番号、カークパトリック番号）
アニメ・漫画・ゲーム: 作品名、登場人物名
* その他: K字回復など

符号位置

Unicodeでは、大文字KがU+004B、小文字kがU+006Bに割り当てられています。

その他の表現法

Kには、セディーユ、アキュート・アクセント、ハーチェク/キャロン、ドット符号、フックつき文字などの付加記号が付いた変種が存在します。また、ラオスの通貨単位であるキープを表す記号としてもKが使われます。

関連項目

Ķ、Ḱ、Ǩ、Ḳ、Ḵ、Ƙ、₭

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