かつて日本に存在した放送局
かつて日本国内に存在した放送局とは、合併や事業譲渡、経営破綻、機能の降格、あるいは諸般の事情により放送事業を終了、または法人として消滅した放送事業体を指します。
日本の放送史の初期においては、現在のNHKの前身となる法人間の事業承継が見られます。
公共放送を担う日本放送協会（NHK）の歴史においても、法人格の変遷や局機能の再編がありました。初期の放送事業を担っていた社団法人東京放送局（東京府）、社団法人大阪放送局（大阪府）、社団法人名古屋放送局（愛知県）は、1926年8月20日に設立された社団法人日本放送協会にその事業を譲渡し、それぞれ消滅しました（現在のNHK放送センター、NHK大阪放送局、NHK名古屋放送局の源流です）。
その後、社団法人日本放送協会自体も、1950年に放送法に基づき設立された特殊法人としての日本放送協会が権利義務を承継し、解散しています。
また、戦争や組織改編に伴い、放送を停止したり、拠点としての機能が降格された放送局も存在します。
パラオ放送局（南洋群島コロール町、呼出符号:JRAK）: 第二次世界大戦中の1944年7月25日に放送を停止しました。
豊原放送局（樺太豊原市、呼出符号:JDAK）: 終戦間もない1945年8月23日に放送を停止しました。
宮古放送局（沖縄県平良市、呼出符号:JOVQ-TV）: 沖縄本島との回線未整備により独自編成を行っていましたが、回線整備に伴い1976年12月22日に事務所へ機能を縮小しました。
1988年7月22日には、全国各地の複数の放送局が、報道室や支局へとその機能を降格しています。これには、小樽（北海道）、岩見沢（北海道）、弘前（青森県）、八戸（青森県）、鶴岡（山形県）、郡山（福島県）、いわき（福島県）、松本（長野県）、高山（岐阜県）、浜松（静岡県）、豊橋（愛知県）、姫路（兵庫県）、米子（鳥取県）、福山（広島県）、下関（山口県）、佐世保（長崎県）の各放送局が含まれます。
島原放送局（長崎県島原市、呼出符号:JOBG）: 雲仙普賢岳の火山活動に対応するため1991年から1996年まで臨時に設置されました。
日本民間放送連盟加盟社やコミュニティ放送など、様々な民放事業体も活動を終えています。
旧琉球（米国施政権下）では、沖縄放送協会が1972年の本土復帰時に日本放送協会に事業が引き継がれました。また、琉球の声放送は1954年に設備を譲渡して廃局。Far East Broadcasting Companyの沖縄中国語放送局も本土復帰に伴い廃止されました（日本語局は後に日本法人へ事業譲渡）。
かつての日本統治下の地域にも放送事業体が存在しました。朝鮮の社団法人京城放送局（後に社団法人朝鮮放送協会）、台湾の台湾総督府交通局逓信部（台北放送局、後に社団法人台湾放送協会）、関東州の関東庁逓信局（大連放送局、後に満洲電信電話株式会社）などが挙げられます。
特に近年のコミュニティFM局には、様々な事情で閉局に至る事例が多数あります。
エフエムこんぴら（香川県琴平町）: スポンサー不足により1998年に閉局。
沖縄市エフエムコミュニティ放送（沖縄県沖縄市）: 2004年にFMコザへ事業承継。
高松シティエフエム（香川県高松市）: 2005年にFM815に吸収合併され廃局。
宮崎シティエフエム（宮崎県宮崎市）: 経営悪化と代表者の死去により2005年に放送免許を更新せず廃局。
イセハラエフエム放送（神奈川県伊勢原市）: 経営難のため2006年に閉局。
エフエムたまな（熊本県玉名市）: 経営赤字と代表者の病気により2006年に閉局。
仙台市民放送（宮城県仙台市）: 移転費用と後継者問題から2007年に廃止。
FMニセコ放送（北海道倶知安町）: 経営難により2007年に放送終了、2008年に廃止。
五日市コミュニティ放送（FMななみ）（広島県広島市）: 広告収入不振のため2008年に廃局。
エフエムセト（香川県丸亀市）: スポンサー撤退による経営悪化のため2008年に廃局。
名古屋シティエフエム（愛知県名古屋市）: 電波受信環境悪化を理由に2008年に廃局（後に同周波数でMID-FMが開局）。
名古屋中エフエムラヂオ放送（FM DANVO/Transamerica）（愛知県名古屋市）: 不況の影響などから2009年に停波・解散。
南区コミュニティエフエム（GreenFM）（北海道札幌市）: 負債を抱え2008年に停波。
BIWA WAVE（B-WAVE）（滋賀県近江八幡市）: 違法増力による行政処分を発端とする経営悪化で2009年に廃止。
エフエム多摩放送（東京都多摩市）: 営業収入減少と市からの支援打ち切りにより2010年に放送終了・解散。
かにかも放送（FMでんでん）（岐阜県可児市・美濃加茂市）: 電波法違反や不況、豪雨災害を機に2010年に廃止。
貝塚コミュニティ放送（SENSHU JOLLY FM）（大阪府貝塚市）: 不況で経営基盤が築けず、2010年にFM放送終了・インターネット放送へ移行（免許は失効）。
福岡コミュニティ放送（StyleFM）（福岡県福岡市）: 親会社の問題で経営悪化、2010年に免許更新せず停波。
天神エフエム（FREE WAVE）（福岡県福岡市）: 他の放送局への免許譲渡に伴い、2011年にコミュニティ放送事業を終了。
東京コミュニケーション放送（SHIBUYA-FM）（東京都渋谷区）: 2013年に放送休止後、廃止届を提出し廃局。
エフエムさかい（大阪府堺市）: 入居建物の指定管理者交代を受け、2015年に廃局。
エフエムわいわい（兵庫県神戸市）: 放送法改正などの影響でFM継続を断念、2016年にインターネット放送へ移行（災害時の臨時局協定あり）。
やまがたシティエフエム（Vigo FM）（山形県山形市）: 2016年に放送停止し廃止。
市川エフエム放送（いちかわエフエム）（千葉県市川市）: 経営環境悪化と裁判判決の影響で2016年に放送休止、自己破産（設備はFM浦安へ事実上譲渡）。
FMなんじょう（沖縄県南城市）: 市からの業務委託契約終了に伴い、2018年に運営終了（同周波数でハートFMなんじょうが開局）。
長崎シティエフエム（長崎県長崎市）: 2020年の免許更新が行われず事実上閉局（公式発表なし）。
エフエム津山（岡山県津山市）: 経営難などから2020年に放送局廃止届を提出し閉局。
FMオホーツク（北海道北見市）: 代表者死去による運営困難のため、2022年に休止後、廃止。
エフエムひらかた（大阪府枚方市）: 市の委託料打ち切りとスポンサー不足により、2022年に放送終了・運営会社解散。
エフエムもりぐち（FM HANAKO）（大阪府守口市）: SNS普及による有用性低下や自治体からのスポンサー料打ち切り見込みにより、2023年に閉局。
エフエムあまがさき（兵庫県尼崎市）: 市からの業務委託打ち切りが直接の原因となり、2023年に閉局（後に新法人により再開局）。
ハートFMなんじょう（沖縄県南城市）: 5年の契約満了にあたり、赤字のため契約更新を断念し2023年に閉局。
また、近い将来の閉局が発表されている局もあります。
エフエムジャイゴウェーブ（青森県田舎館村）: 経営状況悪化により2025年3月28日に閉局予定。
東九州コミュニティー放送（スターコーンFM）（福岡県築上町）: コロナ禍以降のスポンサー減少と機材更新費用の目処が立たないため2025年3月31日に閉局予定。
たかはぎFM（茨城県高萩市）: SNSや防災アプリの普及に加え、資金難を理由に2025年3月31日に閉局予定。
予備免許が交付されながらも、様々な事情により本放送開始に至らなかった放送局の計画も存在します。
西日本放送（福岡県・ラジオ）: 1951年に予備免許取得（JOGR）したが、会社設立が進まず1952年に予備免許を返上（現在の九州朝日放送として開局）。
姫路市営放送（兵庫県・ラジオ）: 1952年に予備免許取得（JODR）したが、市長と市議会の対立で施設建設が進まず予備免許取り消し。
ラジオ福島（福島県・テレビ）: 1957年に予備免許取得（JOWR-TV）したが、資本構成などの条件を満たせず1958年に予備免許失効。
株式会社福島テレビ（福島県・テレビ）: 1960年に予備免許取得（JOPX-TV）したが、役員問題で会社設立が進まず1961年に予備免許失効（現在の福島テレビとは別会社）。
ニュー徳島放送（徳島放送）（徳島県・テレビ）: 1969年に予備免許取得（JOTI-TV）したが、会社設立が進まず1970年に予備免許失効。
栃木コミュニティー放送（FM蔵の街）（栃木県・コミュニティFM）: 1993年に予備免許取得（JOZZ3AA-FM）したが、準備不足を理由に免許申請を取り下げ。
加古川FM放送（兵庫県・コミュニティFM）: 2001年に予備免許取得（JOZZ7AW-FM）したが、準備不足を理由に免許申請を取り下げ。
エフエムつづき（神奈川県・コミュニティFM）: 2009年に予備免許取得（JOZZ3BS-FM）したが、運営会社の混乱などにより一度も放送されず計画が頓挫しました。
これらの活動を終えた放送局は、日本の放送ネットワークの発展過程における重要な一部であり、地域社会における情報伝達の歴史を物語っています。
日本の放送史の初期においては、現在のNHKの前身となる法人間の事業承継が見られます。
NHK関連の変遷
公共放送を担う日本放送協会（NHK）の歴史においても、法人格の変遷や局機能の再編がありました。初期の放送事業を担っていた社団法人東京放送局（東京府）、社団法人大阪放送局（大阪府）、社団法人名古屋放送局（愛知県）は、1926年8月20日に設立された社団法人日本放送協会にその事業を譲渡し、それぞれ消滅しました（現在のNHK放送センター、NHK大阪放送局、NHK名古屋放送局の源流です）。
その後、社団法人日本放送協会自体も、1950年に放送法に基づき設立された特殊法人としての日本放送協会が権利義務を承継し、解散しています。
また、戦争や組織改編に伴い、放送を停止したり、拠点としての機能が降格された放送局も存在します。
パラオ放送局（南洋群島コロール町、呼出符号:JRAK）: 第二次世界大戦中の1944年7月25日に放送を停止しました。
豊原放送局（樺太豊原市、呼出符号:JDAK）: 終戦間もない1945年8月23日に放送を停止しました。
宮古放送局（沖縄県平良市、呼出符号:JOVQ-TV）: 沖縄本島との回線未整備により独自編成を行っていましたが、回線整備に伴い1976年12月22日に事務所へ機能を縮小しました。
1988年7月22日には、全国各地の複数の放送局が、報道室や支局へとその機能を降格しています。これには、小樽（北海道）、岩見沢（北海道）、弘前（青森県）、八戸（青森県）、鶴岡（山形県）、郡山（福島県）、いわき（福島県）、松本（長野県）、高山（岐阜県）、浜松（静岡県）、豊橋（愛知県）、姫路（兵庫県）、米子（鳥取県）、福山（広島県）、下関（山口県）、佐世保（長崎県）の各放送局が含まれます。
島原放送局（長崎県島原市、呼出符号:JOBG）: 雲仙普賢岳の火山活動に対応するため1991年から1996年まで臨時に設置されました。
民間放送局の廃止・閉局
日本民間放送連盟加盟社やコミュニティ放送など、様々な民放事業体も活動を終えています。
旧琉球（米国施政権下）では、沖縄放送協会が1972年の本土復帰時に日本放送協会に事業が引き継がれました。また、琉球の声放送は1954年に設備を譲渡して廃局。Far East Broadcasting Companyの沖縄中国語放送局も本土復帰に伴い廃止されました（日本語局は後に日本法人へ事業譲渡）。
かつての日本統治下の地域にも放送事業体が存在しました。朝鮮の社団法人京城放送局（後に社団法人朝鮮放送協会）、台湾の台湾総督府交通局逓信部（台北放送局、後に社団法人台湾放送協会）、関東州の関東庁逓信局（大連放送局、後に満洲電信電話株式会社）などが挙げられます。
特に近年のコミュニティFM局には、様々な事情で閉局に至る事例が多数あります。
エフエムこんぴら（香川県琴平町）: スポンサー不足により1998年に閉局。
沖縄市エフエムコミュニティ放送（沖縄県沖縄市）: 2004年にFMコザへ事業承継。
高松シティエフエム（香川県高松市）: 2005年にFM815に吸収合併され廃局。
宮崎シティエフエム（宮崎県宮崎市）: 経営悪化と代表者の死去により2005年に放送免許を更新せず廃局。
イセハラエフエム放送（神奈川県伊勢原市）: 経営難のため2006年に閉局。
エフエムたまな（熊本県玉名市）: 経営赤字と代表者の病気により2006年に閉局。
仙台市民放送（宮城県仙台市）: 移転費用と後継者問題から2007年に廃止。
FMニセコ放送（北海道倶知安町）: 経営難により2007年に放送終了、2008年に廃止。
五日市コミュニティ放送（FMななみ）（広島県広島市）: 広告収入不振のため2008年に廃局。
エフエムセト（香川県丸亀市）: スポンサー撤退による経営悪化のため2008年に廃局。
名古屋シティエフエム（愛知県名古屋市）: 電波受信環境悪化を理由に2008年に廃局（後に同周波数でMID-FMが開局）。
名古屋中エフエムラヂオ放送（FM DANVO/Transamerica）（愛知県名古屋市）: 不況の影響などから2009年に停波・解散。
南区コミュニティエフエム（GreenFM）（北海道札幌市）: 負債を抱え2008年に停波。
BIWA WAVE（B-WAVE）（滋賀県近江八幡市）: 違法増力による行政処分を発端とする経営悪化で2009年に廃止。
エフエム多摩放送（東京都多摩市）: 営業収入減少と市からの支援打ち切りにより2010年に放送終了・解散。
かにかも放送（FMでんでん）（岐阜県可児市・美濃加茂市）: 電波法違反や不況、豪雨災害を機に2010年に廃止。
貝塚コミュニティ放送（SENSHU JOLLY FM）（大阪府貝塚市）: 不況で経営基盤が築けず、2010年にFM放送終了・インターネット放送へ移行（免許は失効）。
福岡コミュニティ放送（StyleFM）（福岡県福岡市）: 親会社の問題で経営悪化、2010年に免許更新せず停波。
天神エフエム（FREE WAVE）（福岡県福岡市）: 他の放送局への免許譲渡に伴い、2011年にコミュニティ放送事業を終了。
東京コミュニケーション放送（SHIBUYA-FM）（東京都渋谷区）: 2013年に放送休止後、廃止届を提出し廃局。
エフエムさかい（大阪府堺市）: 入居建物の指定管理者交代を受け、2015年に廃局。
エフエムわいわい（兵庫県神戸市）: 放送法改正などの影響でFM継続を断念、2016年にインターネット放送へ移行（災害時の臨時局協定あり）。
やまがたシティエフエム（Vigo FM）（山形県山形市）: 2016年に放送停止し廃止。
市川エフエム放送（いちかわエフエム）（千葉県市川市）: 経営環境悪化と裁判判決の影響で2016年に放送休止、自己破産（設備はFM浦安へ事実上譲渡）。
FMなんじょう（沖縄県南城市）: 市からの業務委託契約終了に伴い、2018年に運営終了（同周波数でハートFMなんじょうが開局）。
長崎シティエフエム（長崎県長崎市）: 2020年の免許更新が行われず事実上閉局（公式発表なし）。
エフエム津山（岡山県津山市）: 経営難などから2020年に放送局廃止届を提出し閉局。
FMオホーツク（北海道北見市）: 代表者死去による運営困難のため、2022年に休止後、廃止。
エフエムひらかた（大阪府枚方市）: 市の委託料打ち切りとスポンサー不足により、2022年に放送終了・運営会社解散。
エフエムもりぐち（FM HANAKO）（大阪府守口市）: SNS普及による有用性低下や自治体からのスポンサー料打ち切り見込みにより、2023年に閉局。
エフエムあまがさき（兵庫県尼崎市）: 市からの業務委託打ち切りが直接の原因となり、2023年に閉局（後に新法人により再開局）。
ハートFMなんじょう（沖縄県南城市）: 5年の契約満了にあたり、赤字のため契約更新を断念し2023年に閉局。
また、近い将来の閉局が発表されている局もあります。
エフエムジャイゴウェーブ（青森県田舎館村）: 経営状況悪化により2025年3月28日に閉局予定。
東九州コミュニティー放送（スターコーンFM）（福岡県築上町）: コロナ禍以降のスポンサー減少と機材更新費用の目処が立たないため2025年3月31日に閉局予定。
たかはぎFM（茨城県高萩市）: SNSや防災アプリの普及に加え、資金難を理由に2025年3月31日に閉局予定。
開局に至らなかった計画
予備免許が交付されながらも、様々な事情により本放送開始に至らなかった放送局の計画も存在します。
西日本放送（福岡県・ラジオ）: 1951年に予備免許取得（JOGR）したが、会社設立が進まず1952年に予備免許を返上（現在の九州朝日放送として開局）。
姫路市営放送（兵庫県・ラジオ）: 1952年に予備免許取得（JODR）したが、市長と市議会の対立で施設建設が進まず予備免許取り消し。
ラジオ福島（福島県・テレビ）: 1957年に予備免許取得（JOWR-TV）したが、資本構成などの条件を満たせず1958年に予備免許失効。
株式会社福島テレビ（福島県・テレビ）: 1960年に予備免許取得（JOPX-TV）したが、役員問題で会社設立が進まず1961年に予備免許失効（現在の福島テレビとは別会社）。
ニュー徳島放送（徳島放送）（徳島県・テレビ）: 1969年に予備免許取得（JOTI-TV）したが、会社設立が進まず1970年に予備免許失効。
栃木コミュニティー放送（FM蔵の街）（栃木県・コミュニティFM）: 1993年に予備免許取得（JOZZ3AA-FM）したが、準備不足を理由に免許申請を取り下げ。
加古川FM放送（兵庫県・コミュニティFM）: 2001年に予備免許取得（JOZZ7AW-FM）したが、準備不足を理由に免許申請を取り下げ。
エフエムつづき（神奈川県・コミュニティFM）: 2009年に予備免許取得（JOZZ3BS-FM）したが、運営会社の混乱などにより一度も放送されず計画が頓挫しました。
これらの活動を終えた放送局は、日本の放送ネットワークの発展過程における重要な一部であり、地域社会における情報伝達の歴史を物語っています。
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