ジェイアールバス関東諏訪支店

ジェイアールバス関東諏訪支店は、長野県諏訪郡下諏訪町に所在するJRバス関東の営業所です。かつては下諏訪支店、中央道支店諏訪営業所と名称を変え、2018年に現在の諏訪支店となりました。

所在地

長野県諏訪郡下諏訪町広瀬町5325、JR東日本中央本線下諏訪駅2階に位置しています。所属車両のナンバーは諏訪ナンバーですが、諏訪ナンバー登場以前に導入された車両は松本ナンバーとなっています。

概要

1933年、鉄道の短絡を目的として上諏訪・下諏訪と丸子町を結ぶ路線が開設された際、下諏訪営業所がその前身として開設されました。白樺湖などの観光地への路線として、国鉄時代から和田峠南線や霧ヶ峰線が運行されていました。1989年までは和田峠北線を経由して上田駅まで行くこともできましたが、利用者の減少により季節運行となり、2004年に運行終了となりました。ビーナスラインの無料開放時に増発も試みられましたが効果は見られず、鉄道線のフィーダー路線であった諏訪線も2005年に廃止されました。

2008年 3月31日の和田峠南線の一部廃止以降、一般路線の運行はなくなり、高速バス、貸切バス、コミュニティバスを担当しています。

高速バスでは、中央高速バス諏訪・岡谷線を運行開始当初から担当し、現在は定期便2往復と続行便を運行しています。また、駿府ライナー（新宿・静岡号）も間合いで担当しています。過去にはドリーム志賀号やニュードリーム名古屋号、中央ライナーなども乗務員交代の形で担当していました。かつては、新宿 - 岡谷線から駿府ライナー、新宿 - 佐野線を3日行程で担当する乗務員のシフトもありました。中央高速バス諏訪・岡谷線の乗車券は、バスタ新宿窓口、京王バス・アルピコ交通・山梨交通の指定窓口、およびハイウェイバスドットコムで購入できます。車両整備工場は持たないため、車両整備は中央道支店に委託されています。

2020年4月1日現在、高速車3台、一般路線車（コミュニティバス）6台、貸切登録車1台の計10台が配置されています。

沿革

1987年（昭和62年）
4月1日：国鉄民営化に伴い、東日本旅客鉄道関東自動車事業部下諏訪自動車営業所となる。
7月1日：中央高速バス諏訪岡谷線を運行開始。
1988年（昭和63年）4月1日：関東自動車事業部の分社化により、ジェイアールバス関東下諏訪営業所となる。
1992年（平成4年）10月1日：支店制度導入に伴い、下諏訪支店に改称。
2003年（平成15年）
3月24日：諏訪湖周循環バス「スワンバス」（内回り線）の受託運行開始。
4月：下諏訪町コミュニティバス「あざみ号」の受託運行開始。
2004年（平成16年）10月1日：下諏訪支店を中央道統括支店傘下の営業所に降格。中央道統括支店諏訪営業所に改称。
2005年（平成17年）
4月22日：諏訪線を廃止。
7月7日：中央高速諏訪・岡谷線が11→15往復に増便。JRバスの受け持ちも1→2往復に増加。
12月17日：和田峠南線の樋橋以北の区間を廃止。
2007年（平成19年）6月16日：駿府ライナーが開業。
2008年（平成20年）3月31日：和田峠南線の下諏訪駅 - 斧立・樋橋間（全線）を廃止。
2010年（平成22年）：中央道支店諏訪営業所に名称変更。
2018年（平成30年）10月1日：諏訪営業所が諏訪支店に昇格。
2019年（令和元年）10月8日：マイクロバスのあざみ号を新車両（日野・ポンチョ）に変更。
2021年（令和3年）5月1日：オープントップバス「めいぷるスカイ」を借り受け、諏訪湖周遊の定期観光バスとして運行（7月25日まで）。
2023年（令和5年）12月1日：ジェイアールバステックが下諏訪駅でレンタサイクルを開始。本支店（下諏訪駅駅舎2階）にて貸出・返却の受け付けを行う。

現在の所管路線

高速バス

中央高速バス諏訪岡谷線
バスタ新宿 - 岡谷駅間の定期便2往復と週末などに運行される続行便（他社便の続行の場合もある）を担当。
新宿・静岡号（旧駿府ライナー号）
主管は東京支店。佐野支店とともに3支店で担当。
上州ゆめぐり号
2021年7月1日より1日1往復のみ運行

コミュニティバス

諏訪湖周（諏訪市・岡谷市・下諏訪町）循環バス「スワンバス」内回り
下諏訪町循環バス「あざみ号」全系統
岡谷市民バス「シルキーバス」「1今井・長地線」

その他

JR東日本・JR東海の関東・中部エリアで長期に渡る鉄道代行輸送が実施される際には車両、乗務員が現地に派遣されることがあります。

過去の路線

和田峠南線（下諏訪駅 - 斧立・樋橋 - 東餅屋 - 八島 - 霧ヶ峰 - 車山高原 - 東白樺湖）
霧ヶ峰線（上諏訪駅 - 霧ヶ峰）
諏訪線（上諏訪清水町 - 上諏訪駅 - 下諏訪 - 岡谷駅）
塩尻線（諏訪今井 - 塩尻峠 - 塩尻駅）
ドリーム志賀号
東京松本線「松本号」
ニュードリーム名古屋号
中央ライナー号
ニュードリーム京都号
ニュードリーム大阪号
ドリーム大阪号
マロニエ新宿号
新宿 - TDR線
定期観光バスオープントップバスで行く「信州の旅」
JR飯田線の鉄道代行バス（辰野 - 伊那新町）
2021年8月13日の大雨により、JR東海・飯田線の辰野 - 宮木間の横川橋梁が損傷したため、8月23日より岡谷 - 伊那新町間でバス代行輸送を実施。8月26日からはバス代行区間を辰野 - 伊那新町間に短縮。伊那バスとともに飯田線運行再開の前日の11月14日まで運行。

車両

現在は、高速車、高速バス兼用の貸切登録車、市町村から委託されたコミュニティバスが配置されています。

高速車・貸切車

ハイデッカー4列シート40人乗り・後部ワイドトイレ仕様の日野・セレガ3台と、貸切登録の楽座4列シート40人乗り・後部トイレ仕様の三菱ふそう・エアロエース1台が配置されています。いずれも新車からの配置ではなく、東京支店からの転入車です。上州ゆめぐり号の1往復にも当支店の車両が使用されています。一方、中央高速バス諏訪・岡谷線の1往復には長野原支店所属の車両が使用されています。2018年1月には、車内で利用できるフリーWi-Fiが他支店に先駆けて導入されました。

コミュニティバス

各号ごとの専用カラーの車両と、JRバス関東標準色の共通予備車が配置されています。

トヨタ・ハイエース（あざみ号）
日野・ポンチョ（1ドア仕様　ロング）（スワンバス、あざみ号）
日野・ポンチョ（1ドア仕様）ショート（シルキーバス）
三菱ふそう・エアロミディMJ（共通予備）

過去の車両

以前は国鉄中部自動車局の管轄であったため、伊那や小諸と同様にUDトラックス（旧:日産ディーゼル）の車両が主でしたが、民営化以降は支店が車両導入を決められるようになり、引き続き日産ディーゼル製が新車に採用されていました。

一般路線車

観光路線を多く抱えていたため、観光仕様の大型車両が多かったですが、相次ぐ観光路線からの撤退により、中型車のみでの運用となりました。1989年には西工車体の日産ディーゼル・スペースランナー(RB80G)が導入されました。これはJRバス関東初のワンステップ車でもありました（現在は廃車）。

高速車

諏訪岡谷線開業からしばらくは、国鉄末期に投入された日産ディーゼル・富士重工ボディで運行されていましたが、東京支店からスーパーハイデッカーの三菱ふそう・エアロクイーンWが転属したため、日産ディーゼル車は他支店に転属となりました。その後はハイデッカー車両（三菱ふそう・エアロバス）に置き換えられました。2003年には日産ディーゼル・スペースアローC-Ⅰ型ボディが新車で配置され、2007年以降は三菱ふそう・エアロエースが他支店からの転属により導入されました。2021年6月には、東京支店から40座席・後部ワイドトイレ仕様の日野・セレガが転入し、三菱ふそう・エアロエースは1台を残して他支店に転属しました。

コミュニティバス

2015年4月には、シルキーバスが三菱ふそう・ローザから日野・リエッセに世代交代しました。リエッセは元々JRバス関東標準カラーの予備車でしたが、この時点でシルキーバス塗装に塗り替えられました。2018年12月には、スワンバスが三菱ふそう・エアロミディMJワンステップバスから日野・ポンチョの新車に世代交代しました。2019年10月8日には、あざみ号が三菱ふそう・ローザから日野・ポンチョの新車に世代交代しました。

貸切車

以前には、三菱ふそう・エアロクイーンI（S644-95405、96401）やディーゼル・電気式ハイブリッド車の日野・セレガHIMR（H647-00408）のびゅうバスが新車から長期に渡って配置されていました。三菱ふそう・エアロバス（H654-03402：諏訪200か63）が配置されていた時期もありました。2021年4月には、館山支店より三菱ふそう・エアロキングのオープントップバス「めいぷるスカイ」が転入し、5月から7月までの土曜・日曜・祝日に諏訪湖周遊の定期観光バスとして運行されました。

付帯事業

支店構内の月極駐車場（31台）を管理、運営しています。また、ジェイアールバステックが下諏訪駅でレンタサイクルを営業しており、本支店（下諏訪駅駅舎2階）にて貸出・返却を受け付けています。

脚注

参考文献

バスラマ・インターナショナル48号「ユーザー訪問：ジェイアールバス関東」
バスジャパン・ハンドブック「18 ジェイアールバス関東」
* バスジャパン・ニューハンドブック「37 ジェイアールバス関東」

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