ダッチ・サベージ

ダッチ・サベージ：太平洋岸北西部の伝説的レスラー

ダッチ・サベージ（本名：フランク・スチュワート）は、1935年6月9日にペンシルベニア州スクラントンで生まれ、2013年8月3日に78歳で没したアメリカのプロレスラーです。1960年代から1980年代初頭にかけて、オレゴン州やワシントン州、カナダのバンクーバーなど、太平洋岸北西部を主戦場に活躍しました。

プロレスラーとしてのキャリア

アメリカンフットボールの選手として活躍していましたが、膝の怪我によりプロレスに転向。ハイスクールの友人であったルーク・ブラウンのトレーニングを受け、1962年にジョージア州メイコンでデビューしました。当初はロニー・ブラウンと名乗り、その後ミスターXやダッチ・シュルツなど、様々なリングネームを経て、カンザスシティのNWAセントラル・ステーツ地区でダッチ・サベージとして活動。黒いロングタイツに口髭というスタイルで、大型ヒールとして人気を博しました。

1966年にはテキサス州西部のアマリロ地区でNWA北米ヘビー級王座を獲得。ドン・ジャーディンとのタッグでは、ドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンク兄弟と激しい抗争を繰り広げました。また、ドリー・ファンク・シニア、ワフー・マクダニエル、ジャック・ブリスコなど、数々の強豪レスラーとも対戦しています。1968年にはAWAに参戦し、クラッシャー・リソワスキー、マッドドッグ・バションといった強豪たちと鎬を削りました。

1960年代後半からは、パシフィック・ノースウエスト・レスリング（PNW）を拠点に活動。カナダ・バンクーバーのNWAオールスター・レスリング（ASW）にも参戦し、ジン・キニスキーやドン・レオ・ジョナサン、ロッキー・ジョンソンらと抗争を展開しました。1970年代に入るとベビーフェイスに転向し、PNWではNWAパシフィック・ノースウエスト・ヘビー級王座を7回獲得。ジミー・スヌーカとのタッグでも活躍しました。また、アドリアン・アドニスやロディ・パイパー、リック・マーテルらとも共闘し、キラー・ブルックス、ザ・シープハーダーズといったチームと対戦しました。

日本での活躍

1967年5月に日本プロレスに初参戦。1970年4月の再来日では、ワールドリーグ戦に出場し、ジャイアント馬場には敗れたものの、アントニオ猪木と引き分け、坂口征二から反則勝ちを収めるなど、ダークホースぶりを発揮しました。1971年にはイワン・コロフと組み、BI砲のインターナショナル・タッグ王座に挑戦。1972年10月には全日本プロレスの旗揚げシリーズに参戦し、その後も度々来日しました。

引退後

1981年に引退後は不動産業に携わり、ノースウエスト地区のプロレス中継のカラー・コメンテーターも担当。晩年は牧師に転身し、教役者として活動していました。2013年4月に脳卒中に見舞われ、左半身が麻痺した状態で闘病生活を送っていましたが、同年8月3日に亡くなりました。

得意技と獲得タイトル

得意技はダイビング・ニー・ドロップ、パイルドライバー。

数々のタイトルを獲得しており、NWAカナディアン・タッグ王座（バンクーバー版）を13回、NWA世界タッグ王座（バンクーバー版）を2回、NWAパシフィック・ノースウエスト・ヘビー級王座を7回、NWAパシフィック・ノースウエスト・タッグ王座を12回獲得しています。

ダッチ・サベージは、その強烈なキャラクターと卓越したプロレス技術で、多くのファンを魅了し、太平洋岸北西部のプロレス界に大きな足跡を残しました。

もう一度検索