デリー級駆逐艦

デリー級駆逐艦の概要

デリー級駆逐艦は、インド海軍が運用するミサイル駆逐艦の系列であり、その計画番号は15型です。この艦級の設計にはロシアのセヴェルノイェ設計局が関与し、ソビエト連邦から輸入した61ME型（ラージプート級）を基に、船体を延長して基本構成を整えました。また、ゴーダーヴァリ級フリゲートの開発経験も活かされています。

設計の特徴

デリー級駆逐艦は、安定性を向上させるために非収納式のフィンスタビライザーを備えています。抗堪性を重視し、船体は6つの独立した区画に Partitionされており、それぞれが独自の動力や通信システムを有しています。さらに、核・生物・化学兵器に対する防御システムも整備されており、海水による洗浄システムを装備しています。2番艦以降の艦では、電子機器のオーバーヒート防止のために空調能力が強化されています。

この艦は、ウクライナ製のDT-59ガスタービンエンジンを4基搭載し、COGAG方式で運用されます。これにより、出力は64,000馬力を誇り、最大速力は前進32ノット、後進13ノットに達しています。一部の情報によれば、CODOG機関の搭載も示唆されています。

装備センサーと武器システム

デリー級の主要センサーの一つとして、バラト社製のシカリ（Shikari）戦術情報処理装置が搭載されています。これにより、同時に12の目標を追尾し、その中から6目標に対応することが可能です。艦には全艦に旗艦機能が備えられており、指揮系統の強化が図られています。

主センサーとしては、3次元のフレガートMAEやフレガート-M2（NATO名「ハーフ・プレート」）、さらに長距離捜索用の2次元レーダーとしてバーラトRAWL-02が搭載され、艦対艦ミサイルの測的にも対応しています。音響探知能力としては、国産のHUMVADソナーやフランス製のTSM-2633「スフェリオン」のライセンス生産機が装備されています。

防空システムでは、最初にロシアの956型艦隊水雷艇をモデルにした3K90「ウラガーン」艦隊防空ミサイルシステムが使用され、近接防空用にはAK-630 CIWSを搭載しています。近年、2003年から2006年にかけて、AK-630の一部をバラク-1個艦防空ミサイルに換装する改修が実施されました。

また、艦対艦ミサイルとしては、初めて3M24Eが採用され、KT-184 4連装発射機が搭載されました。このシステムは、その後のフリゲートやコルベットにおいても導入されました。2023年には近代化改装が行われ、ブラモス巡航ミサイルへの換装が実施されました。対潜兵器としてはRBU-6000対潜迫撃砲と533mm口径の5連装魚雷発射管が装備されています。

主砲としては、ロシア製のAK-100 100mm単装砲が搭載されていますが、2023年の近代化改装でオート・メラーラ76mmスーパー・ラピッド砲に換装されました。

艦載機

デリー級駆逐艦の後部にはヘリコプター甲板があり、ここには着艦拘束装置が装備されています。艦には、シーキングヘリコプターまたはHAL ドゥルーブの2機を搭載することができます。

同型艦

デリー級には、類似の設計を持つ艦が他にも存在し、それぞれの艦には特定の任務が割り当てられています。

デリー級駆逐艦は、インド海軍における重要な戦闘ユニットであり、その先進的な設計と戦闘能力によって、海上の安全保障に寄与しています。

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