上智大学の人物一覧

上智大学にゆかりのある人物たち

この項目では、カトリックの精神に基づき設立された上智大学に縁の深い様々な分野の人物を紹介します。大学の創立に関わった重要な人物から、現在に至るまで各界で顕著な功績を挙げている多くの卒業生や教員が含まれます。

建学の精神を形作った人々

上智大学の設立には、幾人もの先駆的な人物が深く関わっています。イエズス会宣教師として日本に初めてキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルは、日本人の知的好奇心を高く評価し、文化交流の拠点として首都での大学設立をイエズス会に提言しました。その提言に応える形で、第257代ローマ教皇であるピウス10世が1906年、イエズス会に日本での高等教育機関設置を正式に要請します。また、薩摩藩出身の政治家である高島鞆之助は、自身の邸宅をイエズス会に譲渡し、これが現在の四谷キャンパス内に「クルトゥムハイム聖堂」として残されており、大学の礎が築かれる上で重要な役割を果たしました。

知の探求者たち：著名な教員陣

上智大学では、多岐にわたる学問分野で多くの著名な研究者や専門家が教鞭をとってきました。神学部や文学部からは、キリシタン研究に功績を残したヨハネス・ラウレス、死生学の分野を開拓したアルフォンス・デーケン、英文学研究者の安西徹雄や渡部昇一、哲学者のクラウス・リーゼンフーバー、精神分析学者の藤山直樹らがいます。法学部では、国際関係論の猪口邦子（後に政治家としても活躍）、憲法学の佐藤功や高見勝利、国際取引法の澤田壽夫といった第一人者たちが教壇に立ち、第7代学長のヨゼフ・ピタウや第14代学長の滝澤正も法学部の教授でした。経済学部では、元日本銀行副総裁の岩田規久男が知られています。外国語学部は、言語教育の吉田研作、評論家の加藤周一、元国連難民高等弁務官の緒方貞子（後にJICA理事長）など、国際的な視野を持つ人材を育成しました。理工学部では、物理学者の大槻東巳、G-SHOCK開発者の伊部菊雄などが活躍しました。総合グローバル学部や地球環境学研究科といった新しい分野でも、気鋭の研究者たちが教育・研究を推進しています。

社会の各分野を牽引する卒業生

上智大学は、卒業生たちが社会の幅広い分野で活躍していることでも知られています。

政界・官界

政界では、第79代内閣総理大臣を務めた細川護熙をはじめ、野田聖子、平井卓也などの国会議員、沖縄県知事の玉城デニーなどの地方首長を輩出しています。海外でも、インドネシアの元大臣であるリザル・ラムリやアニス・バスウェダンなど、要職に就いた人物がいます。官界では、高裁長官の秋吉仁美、仙台高検検事長の鈴木真理子といった法曹界の prominent figures に加え、初代デジタル監の石倉洋子や、多くの優秀な官僚、国際機関で活躍する久山純弘（元国連事務次長補）、浦元義照（UNIDO事務局事務次長）といった人材を送り出しています。特に外交官分野では、多数の駐日大使、特命全権大使を輩出し、国際社会での貢献も目覚ましいものがあります。

財界

経済界においても、多種多様な業界でリーダーシップを発揮する卒業生がいます。商社では、三菱商事元会長の諸橋晋六、住友商事元副社長の冨樫和久など、大手企業の要職を歴任した人物がいます。製造業では、本田技研工業元会長の池史彦、京セラ社長の谷本秀夫、G-SHOCK開発者の伊部菊雄、リコー元社長の三浦善司らが知られています。金融界では、三菱UFJフィナンシャル・グループ元会長の上原治也、りそなホールディングス元社長の東和浩、シティバンク・プライベートバンク元代表の北出高一郎、投資家の阿部修平などが名を連ねています。メディア・広告・出版分野でも、電通グループ相談役の石井直、博報堂DYメディアパートナーズ会長の大森壽郎といった業界の重鎮や、読売新聞社元主幹の安田庄司、共同通信社社長の佐藤雄二郎、ダイヤモンド社社長の石田哲哉などがいます。他にも、流通・小売、食品、運輸、資源・鉄鋼、建設・不動産、コンサルティング、情報・通信といった幅広い分野で、多くの卒業生が企業の経営を担っています。

学術・文化・芸能・スポーツ

学術界では、文化人類学者の青木保（元文化庁長官）、国際政治学者の伊豆見元や添谷芳秀、経営学者の石倉洋子、民事訴訟法学者の薮口康夫、物理学者の秋山仁など、多分野で活躍する研究者を輩出しています。文化・芸能分野では、芥川賞作家の新井満、直木賞作家の井上ひさし、本屋大賞受賞作家の宮下奈都、ノンフィクション作家の久田恵や野村進、コピーライターの佐々木圭一などがいます。歌手では、青山テルマ、Crystal Kay、早見優、南沙織らが有名です。俳優では、石田太郎、佐戸井けん太、ミュージカル女優の新妻聖子、俳優の吉田鋼太郎などが活躍しており、タレントとしては、西田ひかる、知花くらら、デーブ・スペクター、ゾマホン・ルフィン、ラランドのサーヤとニシダなどが知られています。アナウンサー・キャスターとしても、NHKの有馬嘉男、元日本テレビの松本志のぶ、元TBSの三雲孝江、フジテレビの島田彩夏、元テレビ東京の大橋未歩など、多数の著名な顔ぶれが並びます。スポーツ界では、プロ野球パシフィック・リーグ元会長の松浦晋やセントラル・リーグ初代会長の安田庄司といった球界関係者や、レーシングドライバーの山野哲也などがいます。

その他のゆかりある人々

上智大学は、名誉博士号を授与した人物も多く、本田技研工業創業者の本田宗一郎や、東ティモール初代大統領のシャナナ・グスマン、ドイツ元首相のヘルムート・コールなど、世界的に影響力を持つ人物が含まれます。また、様々な理由で大学を中途退学しながらも、後にカトリック枢機卿となった金寿煥、作家の遠藤周作や鷺沢萠、指揮者の斎藤秀雄、歌手の古内東子など、各分野で大成した人物も少なくありません。

このように、上智大学は設立当初から国際的な視野を持ち、様々な分野で活躍する多くの有為な人材を社会に送り出してきました。ここに挙げたのはその一部であり、彼らの活動は上智大学の豊かな歴史と多様性を示す証と言えるでしょう。

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