中国中車長春軌道客車

中国中車長春軌道客車股份有限公司（CRRC Changchun Railway Vehicles Co., Ltd.）

中国中車長春軌道客車股份有限公司は、中華人民共和国吉林省長春市に本社を置く、鉄道および軌道車両の設計・製造を行う中国中車（CRRC）グループの中核企業です。その歴史は1954年に鉄道部機車車輛製造局長春客車厰として発足したことに始まり、長年にわたり中国の鉄道発展に大きく貢献してきました。

沿革

1954年: 鉄道部機車車輛製造局長春客車厰として設立。
1958年: 鉄道部機車車輛製造局と機車車輛修理局が合併し、鉄道部機車車輛工業総局の管轄下となる。
1986年: 中国鉄路機車車輛工業総公司に改組。
2000年9月: 国有企業分割化に伴い、中国機車車輛総公司工業が分割され、中国北方機車車輛工業集団公司（中国北車）の傘下となる。
2002年3月: 長春軌道客車股份有限公司に改称。
2015年6月: 中国北車と中国南車が合併し、中国中車が設立。これにより、中車長春軌道客車となる。

主な事業

同社は、主に以下の事業を展開しています。

鉄道、軌道車両（客車、電車）の新造
高速鉄道車両の開発・製造
地下鉄車両の開発・製造

主な製造車両

中車長春軌道客車は、多岐にわたる鉄道車両を製造しています。以下に代表的な車両を紹介します。

高速車両

中国国鉄DJJ1型電車「藍箭（ブルーアロー）」号: 付随車のみを製造。
中国国鉄DJJ2型電車「中華之星」号: 付随車のみを製造。
中国高速鉄道CRH5型電車: アルストムのペンドリーノをライセンス生産。
中国高速鉄道CRH3型電車: シーメンスのヴェラロを唐山軌道客車と共同でライセンス生産。
中国高速鉄道CR400BF型電車: 中国が独自開発した最新の高速鉄道車両。

客車

中国国鉄22型客車: 中国の標準的な客車。
中国国鉄25型客車: 22型客車の後継モデル。
中国国鉄25型二階建て客車: 輸送力増強のために導入された二階建て客車。

地下鉄車両

中車長春軌道客車は、国内外の多くの都市の地下鉄車両を製造しています。以下はその一例です。

アルストム: 上海軌道交通6号線、8号線、成都軌道交通3号線、4号線、北京地下鉄6号線など。
ボンバルディア: 深圳地下鉄MOVIA 456型（100系）、深圳地下鉄2号線、3号線、北京地下鉄首都機場線など。
その他: 広州地下鉄、重慶軌道交通1号線、6号線、西安地下鉄2号線、瀋陽地下鉄、天津地下鉄DKZ9型、1号線、南昌地下鉄1号線、武漢地下鉄1号線、北京地下鉄10号線、13号線、14号線、15号線、9号線、5号線、2号線、亦荘線、ハルビン地下鉄1号線、仏山地下鉄1号線、北京地下鉄B4000型など。

輸出車両

中車長春軌道客車の車両は、海外にも多数輸出されています。以下に主な輸出先を挙げます。

北米: ボストン地下鉄、ロサンゼルス地下鉄
南米: リオデジャネイロ地下鉄、ブエノスアイレス地下鉄
アフリカ: アディスアベバ・ライトレール
中東: テルアビブ・ライトレール、メッカ・メトロ、テヘラン・メトロ、マシュハド・メトロ
東南アジア: タイ・バンコク・スカイトレイン
その他: 平壌地下鉄DK4型電車

技術提携

中車長春軌道客車は、海外の鉄道車両メーカーとの技術提携も積極的に行っています。

アルストム: ペンドリーノのライセンス生産。
シーメンス: ヴェラロのライセンス生産。
ボンバルディア: Moviaのライセンス生産。

これらの技術提携を通じて、同社は高度な技術力を蓄積し、国際的な競争力を高めています。

まとめ

中国中車長春軌道客車は、中国の鉄道車両製造を牽引する重要な企業です。その長い歴史の中で培われた技術力と、国内外の多くの鉄道プロジェクトへの貢献は、同社の存在を際立たせています。今後も、グローバルな鉄道輸送の発展に大きく貢献していくことが期待されます。

関連項目

鉄道車両
ボンバルディア
アルストム
日立製作所

外部リンク

長春軌道客車股份有限公司
* 中国中車

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