八幡町 (岐阜県)

岐阜県郡上郡、旧八幡町の歴史と文化

八幡町は、かつて岐阜県郡上郡に存在した町です。2004年3月1日、郡上郡の7町村が合併し郡上市が誕生したことで、その歴史に幕を閉じました。しかし、旧八幡町は「郡上八幡」という名で広く知られ、郡上市の中心としてその役割を担い続けています。

地理

旧八幡町は飛騨高地の南部に位置し、長良川が町域を南北に貫流しています。市街地の標高は約200mで、東西を山地に囲まれています。長良川とその支流沿いに集落が形成されており、特に長良川と吉田川の合流点付近が市街地として発展しました。町域には南東に突き出た部分があり、小那比川の流域に属しています。これらの河川は長良川水系ですが、小那比川は下流の関市で合流するため、旧八幡町内では分水嶺によって隔てられています。また、鬼谷川と貢間川は木曽川水系に属しています。

山々：

高賀山（1,224m）
稚児山（818m）
京塚山（863m）

河川：

長良川
吉田川
小駄良川
那比川
亀尾島川
千虎川
小那比川
神奈良川
鬼谷川
貢間川

隣接していた自治体：

大和町、明宝村、和良村、美並村（現郡上市）
金山町（現下呂市）
上之保村、洞戸村、板取村（現関市）

歴史

旧八幡町の歴史は、江戸時代の郡上八幡藩の城下町として栄えたことに遡ります。16世紀後半には遠藤盛数が八幡城を築城しました。その後、稲葉氏、再び遠藤氏、井上氏、金森氏、青山氏が治め、廃藩置県によって郡上郡となりました。

1889年（明治22年）7月1日 - 町村制施行により郡上郡八幡町（初代）が発足。
1929年（昭和4年） - 鉄道省（国鉄）越美南線（現長良川鉄道越美南線）深戸駅-郡上八幡駅間が開業。
1954年（昭和29年）12月15日 - 八幡町、川合村、口明方村、相生村、西和良村が合併し、八幡町（2代）が発足。
1957年（昭和32年）4月1日 - 大和村の一部（有坂）を編入。
2004年（平成16年）3月1日 - 八幡町、大和町、白鳥町、高鷲村、美並村、明宝村、和良村と合併して郡上市が発足。同日、八幡町は廃止。

行政

旧八幡町の議員定数は12でした。合併時の町長は小森久二男氏です。

教育

旧八幡町には、以下の教育機関がありました。

高等学校：

岐阜県立郡上高等学校

中学校：

八幡町立八幡中学校
八幡町立八幡西中学校
八幡町立西和良中学校

小学校：

八幡町立八幡小学校
八幡町立川合小学校
八幡町立口明方小学校
八幡町立相生小学校
八幡町立相生第二小学校
八幡町立西和良小学校

また、多くの小中学校が廃校になっています。

経済

旧八幡町は山間部に位置しますが、20世紀後期には吉田川と長良川沿いに工場が立地し、工業が盛んになりました。農業では、米、肉牛、花などが生産されました。

産業人口：

第1次産業就業者数：287人
第2次産業就業者数：3,237人
第3次産業就業者数：4,657人

交通

鉄道：

長良川鉄道越美南線：相生駅（美濃相生駅）- 郡上八幡駅 - 自然園前駅

道路：

山間を縫うように道路が整備され、四方に国道が通っています。東海北陸自動車道が南北に走り、国道156号がほぼ同じ経路を走っています。また、国道256号が東西に、国道472号が北東方向に通っています。

高速道路：

東海北陸自動車道：郡上八幡インターチェンジ

一般国道：

国道156号
国道256号
国道472号

主要地方道：

岐阜県道61号大和美並線
岐阜県道63号美濃加茂和良線
岐阜県道82号白鳥明宝線

一般県道：

岐阜県道315号白山内ヶ谷線
岐阜県道319号寒水八幡線
岐阜県道320号有穂中坪線
岐阜県道323号鹿倉白山線
岐阜県道327号八幡停車場線
岐阜県道328号安久田吉野線

その他：

新町通り
橋本町通り
本町通り
やなか水のこみち

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

郡上おどり

毎年7月中旬から9月上旬にかけて、32夜にわたり開催される盆踊りです。10種類の踊りがあり、寺社の境内や道路、広場など様々な場所で踊られます。特にお盆の時期には夜通し踊る「盂蘭盆会（徹夜踊り）」が有名です。一般の人も参加可能で、400年以上の歴史を持ち、日本三大盆踊りの一つとされています。1973年に国の選択無形民俗文化財、1996年に重要無形民俗文化財に指定されました。

水の町

旧八幡町は、近世以降、伝統的な水利用施設が発達した「水の町」としても知られています。河川や谷川を利用した洗い場「カワド」や、水路に板を落とし込んだ洗い場「セギ」などがあります。また、山水を引き込んで段階的に利用する水受け用具「水舟」や、湧水を利用する「清水」などがあります。これらの水利用の様子は、大和ハウスのテレビCMでも紹介されました。1996年には「水の郷百選」に認定され、同年には「吉田川の川遊び」が「日本の音風景100選」に選ばれました。

その他の名所

いがわこみち：最長の水路を利用した遊歩道
やなか水のこみち：観光施設が集まるエリア
吉田川親水遊歩道：川沿いの散策路
古い町並み：城下町の雰囲気を残す町並み
愛宕公園（飛騨・美濃さくら三十三選）：桜の名所
宗祇水（名水百選）：名水百選第一号
郡上八幡城（岐阜県史跡）：木造模擬天守
旧八幡町役場庁舎（登録有形文化財）：現・郡上八幡旧庁舎記念館
郡上八幡博覧館：旧税務署庁舎を利用した展示施設
郡上八幡樂藝館（登録有形文化財）：旧医院を利用した展示施設
慈恩寺：八幡城主遠藤慶隆による創建
安養寺：県指定重要文化財を収蔵
大滝鍾乳洞、美山鍾乳洞、縄文鍾乳洞：近隣の鍾乳洞
赤谷山城跡：山城の跡

出身有名人

平野三郎：岐阜県知事
村上康成：絵本作家
毛利眞人：音楽ライター・音楽史家
岩崎瀧三：実業家
小栗孝一：実業家・馬主
森信人：京都大学防災研究所副所長

関連項目

郡上八幡テレビ：日本初の自主編成を行ったケーブルテレビ局
GJ8マン：さくらももこによる郡上八幡をイメージしたキャラクター
大和ハウス：テレビCM「郡上八幡」篇を制作
バンめし♪：コナミによるメディアミックス企画。郡上八幡がモデル

外部リンク

郡上市役所
郡上八幡観光協会
郡上八幡産業振興公社
郡上漁業協同組合
* 八幡町ホームページ（2004/01/21アーカイブ）

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