嘉定 (南宋)

嘉定（かてい）

嘉定は、中国の南宋、寧宗の治世で使用された元号であり、1208年から1224年までの期間を指します。この時代は、南宋が金との関係に苦慮し、国内では社会不安や反乱が頻発した時代でした。

嘉定年間の主な出来事

嘉定元年（1208年）: 郴州で瑤族の反乱が発生。秦檜の王爵が追復される。韓侂冑の首が金へ送られ、金との和約が結ばれる（3度目）。これにより、歳幣が増額される。
嘉定2年（1209年）: 青羌が黎州を急襲。史弥遠が単独宰相となり政権を掌握。朱熹に「文」の諡が贈られ、道学の禁令が解ける。詩人の陸游が死去。
嘉定3年（1210年）: 群盗を招諭する詔勅が出される。李元礪率いる蛮寇が南雄州を急襲。
嘉定4年（1211年）: 李元礪が誅される。金の使者がモンゴルの侵寇に遭遇。羅世伝の殺害により黒風峒の反乱が平定される。
嘉定5年（1212年）: 諸路に両浙の倍役法が施行される。
嘉定6年（1213年）: 宗室と胥吏の通婚を禁ずる詔勅が出される。思州知州の田宗範が反乱を企てる。寧宗の「罪己詔」が下る。モンゴルが金の中都を包囲。
嘉定7年（1214年）: 四川の宋軍が金の秦州を攻めるも敗退。金が開封へ遷都。真徳秀の上奏により金に対する歳幣支給の停止が決定。
嘉定8年（1215年）: 南宋が金に歳幣の減額を求めたが拒否される。モンゴルが中都を攻め落とす。
嘉定9年（1216年）: 馬軍司水軍が設置される。
嘉定10年（1217年）: 金が南宋からの歳幣停止を理由に侵攻開始。中原の官民を招諭する詔勅が出される。
嘉定11年（1218年）: 山東の盗賊、李全が帰順。宋軍が大散関を奪還。金が和議を求めてくるも南宋は拒否。金は南侵を再開。
嘉定12年（1219年）: 金軍が棗陽軍を攻めるも退却。興元府の軍人、張福が反乱。
嘉定13年（1220年）: 南宋と西夏が金を挟撃することに合意。連合軍が鞏州を攻めるも戦果なし。
嘉定14年（1221年）: 鄂州の五関と漢陽軍が金軍により侵される。岳飛の廟堂が臨安に建てられる。
嘉定15年（1222年）: 金軍が淮南に再侵。宋軍が金軍を迎撃して大勝。
嘉定16年（1223年）: 科挙試験官の収賄を厳しく扱う詔勅が出される。
* 嘉定17年（1224年）: 金が南宋に対する侵攻を停止。寧宗が崩御。理宗が即位し、翌年から「宝慶」へ改元。

嘉定時代の社会情勢

嘉定年間は、南宋の国力が衰退し、社会不安が増大した時代でした。金との度重なる戦乱に加え、国内各地で反乱が頻発し、民衆は疲弊していました。また、政治腐敗も深刻化し、社会全体に閉塞感が漂っていました。

嘉定の終焉

寧宗の崩御後、理宗が即位し、嘉定は宝慶へと改元されました。しかし、南宋の苦難はその後も続き、最終的にはモンゴル帝国によって滅亡することになります。

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