大賀良平

大賀良平の生涯

大賀良平は、1923年（大正12年）に生まれ、2006年（平成18年）に没した日本の軍人、自衛官です。海軍兵学校を卒業後、海軍軍人として太平洋戦争に参加。戦後は海上保安官、そして海上自衛官として、日本の安全保障に貢献しました。

海軍軍人としての経歴

長崎県出身の大賀は、旧制長崎県立瓊浦中学校で優秀な成績を収め、海軍兵学校に合格。1942年（昭和17年）に卒業し、軽巡洋艦「阿武隈」に航海士として乗艦。アッツ島沖海戦など、アリューシャン方面の戦いに参加しました。キスカ島撤退作戦にも従事し、その後、潜水艦乗り組みとして海軍潜水学校を卒業。新鋭潜水艦「伊号第二〇二潜水艦」の航海長などを務め、舞鶴で終戦を迎えました。

戦後の復員と海上保安庁

終戦後、大賀は復員業務に従事。1948年（昭和23年）に海上保安庁が設置されると、海上保安官として瀬戸内海などの掃海作業に従事しました。朝鮮戦争勃発に伴い、1950年（昭和25年）からは、日本特別掃海隊第5掃海隊の指揮官として、朝鮮海域での掃海作業を指揮しました。

海上自衛隊での活躍

1952年（昭和27年）、海上警備隊発足に伴い、海上自衛隊に転官。約10年にわたり掃海畑を歩み、海上幕僚監部防衛部勤務では、防衛力整備計画に携わりました。掃海出身の立場から、水中処分員の育成や機雷処分の研究を推進。実機雷を用いた訓練や、掃海艇による機雷処分方法の研究を計画しました。

その後、護衛艦隊司令官、大湊地方総監などの要職を歴任し、1977年（昭和52年）には第12代海上幕僚長に就任。前任の幕僚長から後継者に指名されましたが、就任後まもなく胃潰瘍で入院。復帰後は、環太平洋合同演習（リムパック）への部隊参加を実現させ、退官しました。

その他の活動

退官後は、財団法人水交会の会長や、日本無線の顧問を務めました。1993年（平成5年）には勲二等瑞宝章を受章。2006年（平成18年）に83歳で逝去しました。

年譜

1939年（昭和14年）12月：海軍兵学校入校
1942年（昭和17年）11月14日：海軍兵学校卒業、海軍少尉候補生
1943年（昭和18年）1月15日：軽巡洋艦「阿武隈」乗組
1943年（昭和18年）6月1日：海軍少尉任官
1944年（昭和19年）2月1日：「呂号第六十七[[潜水艦]]」乗組
1944年（昭和19年）3月15日：海軍中尉に進級
1944年（昭和19年）4月15日：海軍潜水学校附
1944年（昭和19年）5月1日：海軍潜水学校普通科学生
1944年（昭和19年）8月9日：第11潜水戦隊司令部附
1944年（昭和19年）10月15日：「伊号第二〇二潜水艦」艤装員
1944年（昭和19年）12月1日：海軍大尉に進級
1945年（昭和20年）2月14日：「伊号第二〇二潜水艦」乗組（航海長）
1945年（昭和20年）8月10日：「伊号第二〇二潜水艦」水雷長兼分隊長
1945年（昭和20年）11月29日：佐世保鎮守府出仕
1945年（昭和20年）11月30日：予備役に編入、充員召集
1946年（昭和21年）4月25日：佐世保地方復員局艦船運航部附
1947年（昭和22年）11月28日：公職追放仮指定
1950年（昭和25年）11月：運輸事務官の身分で日本特別掃海隊第5掃海隊の指揮官として朝鮮海域の掃海活動に従事
1951年（昭和26年）1月：海上保安官に転官（三等海上保安正）
1952年（昭和27年）8月：海上警備官に転官（1等海上警備士）、第二幕僚監部航路啓開部監理課勤務
1955年（昭和30年）7月1日：掃海艇「やしま」艇長
1956年（昭和31年）8月：第1掃海隊群幕僚
1957年（昭和32年）7月：海上自衛隊幹部学校指揮幕僚課程に入校
1959年（昭和34年）1月：海上幕僚監部防衛部防備課掃海班長
1959年（昭和34年）8月：2等海佐に昇任
1960年（昭和35年）12月：海上自衛隊幹部学校幹部高級課程に入校
1961年（昭和36年）12月：第2掃海隊群首席幕僚
1965年（昭和40年）2月：港湾防備調査のため1ヶ月間、イタリア、フランス、イギリス及びドイツに出張
1965年（昭和40年）7月1日：1等海佐に昇任
1966年（昭和41年）7月：アメリカ海軍大学校指揮課程に留学
1967年（昭和42年）8月16日：海上幕僚監部防衛部防衛課防衛班長
1969年（昭和44年）2月17日：第5駆潜隊司令
1969年（昭和44年）12月16日：第9護衛隊司令
1970年（昭和45年）7月16日：海上幕僚監部総務部人事課長
1972年（昭和47年）1月1日：海将補に昇任
1972年（昭和47年）6月16日：第1潜水隊群司令
1973年（昭和48年）12月1日：海上幕僚監部防衛部長
1975年（昭和50年）7月1日：海将に昇任
1976年（昭和51年）3月16日：第13代 護衛艦隊司令官に就任
1976年（昭和51年）12月1日：第15代 大湊地方総監に就任
1977年（昭和52年）9月1日：第12代 海上幕僚長に就任
1980年（昭和55年）2月15日：退官
1993年（平成05年）4月29日：勲二等瑞宝章受章
2006年（平成18年）6月25日：逝去

栄典

レジオン・オブ・メリット・コマンダー - 1978年（昭和53年）5月
勲二等瑞宝章 - 1993年（平成5年）4月29日

脚注

『世界の艦船』2002年5月増刊号 海上自衛隊の50年（海人社）
『海の友情』阿川尚之 著（中公新書）2001年
水交誌602号（平成20年5・6月号）、603号（平成20年7・8月号）「元海上幕僚長大賀良平」

関連項目

日本特別掃海隊
石田捨雄
折笠重康

外部リンク

* 大賀 良平へのインタビュー概略 - ウェイバックマシン（2020年10月23日アーカイブ分）

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