奈女沢温泉

奈女沢温泉（釈迦の霊泉）

奈女沢温泉は、群馬県利根郡みなかみ町に位置する温泉地で、みなかみ18湯の一つに数えられます。その効能から「釈迦の霊泉」とも呼ばれ、古くから湯治場として親しまれてきました。国土地理院の地形図には「奈女沢鉱泉」と記載され、国民保養温泉地にも指定されています。

泉質と効能

泉質は、メタケイ酸、ゲルマニウム、ラジウムを含む含ラジウム石膏泉（硫酸塩泉）で、アルカリ性低張性冷鉱泉です。泉温は約25度。

「釈迦の霊泉」「御神水」として知られ、神経痛、筋肉痛、慢性消化器病、切り傷、やけどなど、さまざまな症状に効果があると言われています。飲泉も可能で、原爆症、脱毛症、美肌、さらには肝臓癌、大腸癌、前立腺癌、痛風などへの効果も期待されています。

温泉街の様子

JR上越線・上牧駅から北東へ約4キロメートル、板沢山と高檜山に挟まれた標高約780メートルの山あいに位置します。利根川の支流である奈女沢川の源流部にあり、温泉宿「釈迦の霊泉」が一軒のみ存在します。

連泊する湯治客が多いのが特徴ですが、日帰り入浴も可能です。食事は自然食が中心で、携帯電話は圏外ですが、Wi-Fiによるインターネット接続が利用できます。

歴史

地元では古くから「湯沢の湯」と呼ばれ、猟師によって発見されたと伝えられています。明治初期には、地元の僧侶であり教育者でもあった上杉正が源泉付近に小屋を建て、湯を沸かして入浴に供しました。明治中期には湯治場として知られるようになり、大正末期に旅館として本格的に改装。戦後には客室が増築されました。温泉宿の名前も「奈女沢館」「月光館」と変遷しています。1979年（昭和54年）には、上牧温泉と共に国民保養温泉地に指定されました。

温泉の効能は広く知られており、『月夜野町史』には「医師に見放された多くの人が霊泉によって快癒している」という記述があります。スポーツ新聞などのメディアを通じて、原爆症や脱毛症に効果があると報じられたこともあります。美肌効果を求めて訪れる女性客も多く、入浴と合わせてコップ一杯の飲泉が推奨されています。「御神水」と名付けられた温泉水は、会員向けに頒布もされています。

周辺情報

温泉地周辺には、苔谷、夫婦岩、一の世の滝、二の世の滝、浮島、千日堂、高橋お伝の生家などがあります。ゼンマイやフキ、ナメコなどの山菜採りや、イワナ・ハヤ釣りも楽しめます。春にはシバザクラが咲き誇ります。

上杉謙信の隠し湯伝説

奈女沢温泉は、上杉謙信の隠し湯であったという伝承があります。月夜野町のウェブサイトや雪国観光圏のウェブサイトでも、そのように紹介されています。古くから歴史を秘めた温泉として、再開発されたとされています。

アクセス

公共交通機関

上越線上牧駅から徒歩1時間、または車で15分
上越新幹線上毛高原駅から車で20分

自家用車

関越自動車道水上インターチェンジから車で15分
関越自動車道月夜野インターチェンジから車で25分

水上インターチェンジ出口や国道17号、県道61号沿いには、案内看板が設置されています。

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