宇文乞得亀

宇文乞得亀（うぶん きつとくき、拼音：Yǔwén Qǐdeguī、生年不詳 - 333年）は、鮮卑宇文部の大人として知られています。彼の父は宇文遜昵延であり、兄には宇文悉跋堆がいました。歴史書『資治通鑑』では、宇文乞得帰と表記されています。

生涯

宇文遜昵延の死後、宇文乞得亀はその地位を継承しました。325年1月、後趙の君主である石勒は、宇文乞得亀に官職を与え、慕容部の大人である慕容廆を攻撃させました。これに対し、慕容廆は嫡男の慕容皝に迎撃を命じ、遼東相の裴嶷に拓跋部を指揮させて右翼に、征虜将軍の慕容仁を柏林に赴かせて左翼に配置しました。宇文乞得亀は澆洛水に布陣し、砦を固めて出撃しませんでしたが、兄の宇文悉跋堆に慕容仁を攻めさせました。しかし、宇文悉跋堆は慕容仁に敗れて戦死し、さらに慕容皝と慕容仁の攻勢により、宇文乞得亀は大敗を喫しました。宇文乞得亀は夜に乗じて単騎で逃走を図り、彼の兵はほぼ全て捕らえられました。慕容仁と慕容皝は宇文部の都城に侵入し、多くの財宝を奪い、百万もの家畜を鹵獲し、数万の民を略奪しました。宇文乞得亀は軽騎兵による追撃を受けましたが、辛うじて逃げ延びることができました。

327年12月、代王の拓跋紇那が賀蘭部の帥である賀蘭藹頭討伐のために兵を挙げると、宇文乞得亀もこれに協力して兵を派遣しましたが、撃退されました。329年12月、拓跋紇那が宇文部へ亡命して来ると、これを迎え入れました。

333年8月、宇文乞得亀は東部大人の宇文逸豆帰によって領土を追放され、逃走中に亡くなりました。

逸話

325年より以前、海から大きな亀が現れ、平郭で死ぬという出来事がありました。これは、宇文乞得亀が敗れる予兆であったと伝えられています。

参考文献

• - 『魏書』（列伝第九十一）
• - 『晋書』（慕容廆載記）
• - 『北史』（列伝第八十六）
• - 『資治通鑑』（巻九十三、巻九十四、巻九十五）

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