宋晃

宋晃（そう こう）

宋晃（生没年不詳）は、五胡十六国時代の前燕に仕えた人物です。西河郡介休県を本貫とし、鮮卑慕容部の大人である慕容廆（ぼよう わい）の長史を務めた宋奭（そう せき）の子として生まれました。

生涯

咸康3年（337年）9月、慕容皝（ぼよう かん）が文武諸官を編成した際、宋晃は平熙（へい き）、張泓（ちょう こう）と共に将軍に任じられました。『晋書』には、裴開（はい かい）、陽騖（よう ぶ）、王寓（おう ぐう）らと共に列卿将帥に任じられたと記されています。その後、護軍将軍に昇進しました。

咸康4年（338年）5月、後趙の天王石虎（せきこ）が前燕国内に使者を送り、誘降を促しました。この時、東夷校尉の封抽（ふう ちゅう）、成周内史の崔燾（さい とう）、武原県令の常覇（じょう は）、居就県令の游泓（ゆう こう）らが後趙に応じ、36城が後趙の支配下に入りました。宋晃もこの誘いに乗り、後趙に寝返りました。

燕王慕容皝は軍を派遣し、後趙に応じた諸城を攻略し、奪還に成功しました。敗れた宋晃は游泓、封抽と共に高句麗へ逃亡しました。この亡命は、高句麗の4世紀以降の国家発展に無視できない影響を与えたと考えられています。宋晃のような中国人の流入は、高句麗に新たな文化をもたらし、国政の整備、軍備拡張、積極的な外交政策を推進する一助となりました。

永和5年（349年）、高句麗の故国原王（ここくげんおう）は宋晃を前燕に送還しました。燕王慕容儁（ぼよう しゅん）は宋晃を許し、名を「宋活」と改めさせ、中尉に任じました。

元璽元年（352年）11月、慕容儁が皇帝に即位し、文武百官の組織を整えた際、宋活は中書監に任じられました。

これ以後の宋活の事績については、史書に記録が残っていません。

家系

父：宋奭
子：宋恭（そう きょう、宋隠の父）、宋畿、宋洽

参考文献

『晋書』巻109、巻110
『新唐書』巻75
『資治通鑑』巻95、巻96、巻98
『十六国春秋』巻15、巻24、巻26

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