猿ヶ馬場山 (岐阜県)

猿ヶ馬場山（さるがばんばやま）

概要

猿ヶ馬場山は、岐阜県大野郡白川村の白川郷東側に位置する、飛騨高地で最も高い山です。標高は1,875mを誇ります。

この山には、かつて前衛峰として存在した帰雲山にまつわる歴史があります。1585年（天正13年）に発生した天正大地震によって、帰雲山は山崩れを起こし、麓にあった帰雲城は一夜にして埋没するという悲劇に見舞われました。この出来事は、この地の地形と歴史に大きな影響を与えています。

1998年（平成10年）には、周辺の天生湿原を含む山域が天生県立自然公園に指定され、自然保護の対象となりました。また、猿ヶ馬場山は日本三百名山とぎふ百山にも選定されており、その秀麗な姿と豊かな自然が評価されています。

山名の由来

猿ヶ馬場山の名前の由来には、二つの説があります。

一つは、山頂が広くなだらかで、まるで猿の遊び場のように見えるためという説です。もう一つは、天生峠周辺に生息するニホンザルの大群に関する伝説にちなんでいるという説です。これらの説からも、この山が自然と動物、そして人々の生活と深く結びついていることが伺えます。

登山道

猿ヶ馬場山は豪雪地帯にあるため、春先には山頂に多くの残雪が残ります。このため、春山登山を楽しむ人々にとっては人気のスポットとなっています。

残雪期の山頂からは、北アルプス、御嶽山、白山などの山々を360度見渡せる大パノラマが広がります。白川郷の萩町集落にある明善寺の横から伸びる登山道が唯一のルートですが、山頂付近は不明瞭な箇所もあるため、注意が必要です。春先の残雪を利用して山スキーやスノーシューを楽しむ人もいます。

宮谷の上流部には林道があり、その先にはワサビ田が広がっています。稜線に合流すると、電波施設のある帰雲山へと続きます。この下部には、ブナやダケカンバなどの広葉樹林が広がっており、東側に伸びる稜線沿いの尾根を進むと、オオシラビソなどの針葉樹林に覆われた平坦な山頂にたどり着きます。

地理

猿ヶ馬場山は飛騨高地の最高峰であり、山頂の西北西0.7km地点には三等三角点（点名「猿ケ馬場」、標高1,827.42m）が設置されています。西側には、かつて前衛峰だった帰雲山が位置しており、庄川を挟んで両白[[山地]]と対峙しています。

源流の河川

猿ヶ馬場山を源流とする主な河川は、日本海側の富[[山湾]]へと流れています。

宮谷・なお谷：庄川の支流で、山頂の西北西5.1kmには関西電力の鳩谷ダムがあります。
栗ヶ谷川：宮川の支流で、山頂の東北東7.8kmには関西電力の下小鳥ダムがあります。

交通・アクセス

猿ヶ馬場山の北側には、大野郡白川村と飛騨市河合町を結ぶ国道360号が通っており、山腹には東海北陸自動車道の飛騨トンネルが貫通しています。また、北西の山腹には宮谷林道などの林道も敷設されています。

JR東海高山本線の猪谷駅からは、西南西に約17.4kmの位置にあります。
東海北陸自動車道の白川郷インターチェンジからは、南東に約5.3kmの位置にあります。

関連項目

飛騨高地
日本三百名山
ぎふ百山
猿ヶ馬場山 (曖昧さ回避)

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