疒部

疒部（だくぶ）について

疒部（だくぶ）は、漢字の部首の一つで、康熙字典では214部首のうち104番目に位置しています。この部首は、人が病床に伏している様子を象った象形文字である「疒」を構成要素とする漢字を分類しています。主に病気や体の不調に関する意味を持つ漢字が属しています。

概要

疒部は、病気や不調を表す漢字の多くに含まれており、その起源は人が病床に伏す姿を象った象形文字である「疒」にあります。「疒」は、疾病の「疾」の原字であり、部首としては疾病に関する文字によく使われます。楷書では、左から下にかかる垂れの位置に配置され、半包囲構造を形成することが特徴です。

字体のデザイン差

「疒」の字形には、地域によるデザインの差異が見られます。印刷書体（明朝体）において、1画目の形状が異なります。『康熙字典』では短い縦棒としていますが、日本や韓国ではこれに従っています。一方、中国の新字形、台湾の国字標準字体、香港の常用字字形表では、点画として表現されています。

部首の通称

疒部は、地域や言語によって異なる通称で呼ばれています。

日本：やまいだれ（病垂れ）
中国：病字頭
韓国：병질엄부（byeongjil eom bu、病疾の垂れの部）
英米：Radical sickness

部首字

疒

中古音

広韻 - 尼戹切、麦韻、入声
詩韻 - 陌韻、入声
三十六字母 - 娘母

現代音

普通話 - ピンイン：nè 注音：ㄋㄜˋ ウェード式：ne4
広東語 - Jyutping: イェール式:
日本語 - 音：ダク（漢音）・ニャク（呉音）
朝鮮語 - 音：녁(nyeok) 訓：병들어 기댈（byeong deureo gidael、病気にかかり寄りかかる）

例字

疒部に属する漢字の例を以下に示します。これらの漢字は、病気や体の不調、症状など、健康に関する様々な概念を表しています。

3画: 疝
4画: 疫、疥
5画: 痂、疳、疵、疾、症、疹、疸、疼、疲、病、疱
6画: 痍、痕、痔、痒
7画: 痙、痣、痛、痘、痢
8画: 痾、痰、痺、痲、痳
9画: 瘦（痩）、瘋、癒、瘍
10画: 瘧、瘡
12画: 癇、癌、癈、瘤、療
13画: 癖、癒
14画: 癡（痴）
16画: 癪、癩
17画: 癬
19画: 癲

まとめ

疒部は、漢字における病気や体の不調を表す重要な部首です。この部首を持つ漢字を理解することで、病気や医学に関する語彙の理解を深めることができます。また、字体や通称の地域差を知ることも、漢字文化の多様性を理解する上で役立ちます。

もう一度検索