白子 (鈴鹿市)

白子（しろこ）

三重県鈴鹿市南東部に位置する白子は、伊勢湾に面した港町であり、鈴鹿市の玄関口としての役割も担っています。近鉄名古屋線によって東西に分断され、東側には白子港や住宅地が広がり、西側には住宅地が広がっています。鈴鹿市の中心市街地を形成する一角であり、歴史と文化が息づく地域です。

地理

白子は、鈴鹿市南東部の伊勢湾沿岸に位置しています。近鉄名古屋線が東西を分断しており、東側には一丁目と二丁目、西側には三丁目と四丁目が広がります。さらに、三丁目と四丁目の間には国道23号線が通っています。一丁目は主に港湾施設と住宅地、二丁目から四丁目は住宅地となっています。内陸部の神戸と並び、鈴鹿市の中心市街地を形成しています。

北は白子駅前、南は寺家、西は白子町に接しており、堀切川が地域を流れ、その河口が伊勢湾に注ぎ込んでいます。

港湾

白子の港は、商業港である白子港と漁港である白子漁港の2つで構成されています。これらの港は、周辺地域の漁業の拠点となっており、様々な海産物が水揚げされます。江戸時代には紀州藩によって手厚く保護され、伊勢湾における物流の中心地として栄えました。また、戦時中には軍港として利用された歴史も持っています。現在、鈴鹿市は白子港をまちづくりの核として位置づけ、様々なイベントを開催し、活性化に取り組んでいます。

歴史

草創期

白子の地名は、平安時代の史料に「白子浜」として記録されています。当時、白子浜は稲生社領の東の境界であり、南北朝時代には藤原忠実の荘園である栗真荘の一部でした。この頃には、白子山観音寺の「白子不断桜」が京都でも知られていました。また、15世紀には白子港が既に栄えており、入港料を徴収していた記録が残っています。応仁の乱の際には、足利義視が白子に到着し、世保氏との戦いに勝利したと伝えられています。

成長期

江戸時代には、白子は伊勢国奄芸郡に属し、白子村または白子町と呼ばれていました。紀州藩の支配下に入ると、白子港は重視され、藩の別邸や代官所が置かれました。白子から出港する千石船は、紀州徳川家の旗印を掲げて江戸に入港することが許されたため、多くの商人が集まり、物流拠点として発展しました。これにより、伊勢型紙や鈴鹿墨などの地場産業が発達しました。特に伊勢型紙は、多くの職人を抱え、江戸時代から現代まで続く伝統工芸品となりました。また、白子は伊勢参宮街道の宿場町としても栄え、多くの旅籠が立ち並びました。

転換期

1937年（昭和12年）には、鈴鹿海軍航空隊の基地が設置され、白子港は軍港となりました。これにより、白子は軍隊色を強め、町全体が軍事的な雰囲気となりました。第二次世界大戦後には、白子町を鈴鹿市から分離しようとする運動が起こりましたが、住民投票の結果、僅差で否決されました。その後、旧海軍航空隊跡地は鈴鹿電気通信学園となり、白子港は沿岸漁業基地へと姿を変えました。近鉄名古屋線以西には新しい住宅街が広がり、古い町並みを残す東部とは異なる景観が形成されました。

1978年（昭和53年）には、白子駅周辺で住居表示が実施され、白子に丁目が設定されました。住居表示の対象とならなかった地域は、現在も「白子町」として残っています。

地名の由来

白子の地名の由来には諸説あります。

白貝・白魚が転訛したとする説
『平家物語』に登場する「古市の白児党」に由来するという説

沿革

1889年（明治22年）：町村制施行により、江島村・寺家村と合併し、奄芸郡白子町白子となる。
1896年（明治29年）：奄芸郡が河曲郡と合併し、河芸郡白子町白子となる。
1942年（昭和17年）：市町村合併により、鈴鹿市白子町となる。
1978年（昭和53年）：白子町が分割され、鈴鹿市白子（一 - 四丁目）となる。

世帯数と人口

2019年（令和元年）6月30日時点での世帯数と人口は以下の通りです。

世帯数：データなし
人口：データなし

1995年以降の国勢調査による人口の推移は、データなしです。

1592年以降の世帯数の推移は、データなしです。

学区

白子地区の市立小・中学校の学区は以下の通りです。

小学校：データなし
中学校：データなし

伝統工芸

鈴鹿墨: 9世紀に奈良から伝わり、江戸時代に紀州藩の保護政策によって発展しました。地理的条件と気候条件に恵まれ、国内シェアの約3割を占めています。1980年（昭和55年）に伝統工芸品に指定されました。
伊勢型紙: こちらも9世紀に始まり、紀州藩が専売制を敷いたことで発展しました。最盛期には多くの職人が活躍し、国内シェアの99%を占めていました。1955年（昭和30年）に重要無形文化財に指定され、複数の職人が人間国宝に認定されています。

郷土料理

白子漁港で水揚げされた新鮮な魚介類を使った郷土料理が数多くあります。

こうなごの卵とじ、こうなごのくぎ煮: 日常的に食べられています。
イワシの押しずし: 婚礼などのハレの日に食べられています。
こうなごずし: 酒、みりん、醤油、生姜で煮込んだこうなごを太巻きにしたもので、久留真神社の祭りに欠かせない料理です。
しろこピザ: 白子の青年有志が開発したご当地グルメで、こうなごと海苔が使用されています。

出身人物

真山隼人: 浪曲師で、鈴鹿市シティセールス特命大使を務めています。

交通

鉄道: 近鉄名古屋線が通っていますが、白子地区に駅はありません。最寄り駅は白子駅で、白子駅前に位置しています。
バス: コミュニティバスC-BUSが、駅西住宅、白子高校、白子四丁目の3つのバス停を運行しています。
道路: 国道23号線が伊勢平野の大動脈として、白子の三丁目と四丁目の境界を走っています。また、三重県道6号線（白子街道）と三重県道563号線が白子地区を通っています。

施設

史跡: 唯信寺、久留真神社などがあります。
郵便局: 白子郵便局があります。