矢野口文雄

映画録音技師 矢野口文雄

矢野口文雄（やのぐち ふみお、1917年9月29日 - 1985年1月15日）は、日本の映画録音技師です。長野県出身で、そのキャリアを通じて数多くの名作映画の録音を手がけました。特に黒澤明監督作品には欠かせない存在として、その名を広く知られています。

生涯とキャリア

1936年、矢野口は写真化学研究所に入社し、映画業界でのキャリアをスタートさせました。その後、黒澤明監督のデビュー作から常連の録音技師として数々の作品に参加。黒澤作品の音響を支える重要な役割を担いました。1946年には、紛争の影響で新東宝に移籍しましたが、1952年に東宝撮影所に復帰し、再び黒澤組に参加しました。彼は映画の音響技術の進歩に大きく貢献し、その才能は多くの映画監督やスタッフから高く評価されました。

1985年1月15日午後0時44分、矢野口は急性腎不全のため、国立東京第二病院で息を引き取りました。享年67歳でした。

代表作

矢野口文雄が録音を手がけた作品は多岐にわたります。以下に代表的な作品を挙げます。

1949年 - 『野良犬』
1951年 - 『高原の駅よさようなら』
1952年 - 『生きる』
1954年 - 『七人の侍』
1955年 - 『生きものの記録』
1957年 - 『蜘蛛巣城』
1957年 - 『どん底』
1958年 - 『隠し砦の三悪人』
1959年 - 『続・社長太平記』
1959年 - 『サラリーマン十戒』
1960年 - 『サラリーマン御意見帖 男の一大事』
1960年 - 『悪い奴ほどよく眠る』
1961年 - 『社長道中記』
1961年 - 『続・社長道中記 女親分対決の巻』
1961年 - 『大学の若大将』
1961年 - 『世界大戦争』
1962年 - 『サラリーマン清水港』
1962年 - 『続サラリーマン清水港』
1963年 - 『天国と地獄』
1963年 - 『マタンゴ』
1964年 - 『社長紳士録』
1964年 - 『続・社長紳士録』
1964年 - 『モスラ対ゴジラ』
1964年 - 『宇宙大怪獣ドゴラ』
1964年 - 『三大怪獣 地球最大の決戦』
1965年 - 『国際秘密警察 鍵の鍵』
1965年 - 『100発100中』
1966年 - 『ゼロ・ファイター 大空戦』
1967年 - 『社長千一夜』
1967年 - 『落語野郎 大泥棒』
1967年 - 『続・社長千一夜』
1968年 - 『首』
1968年 - 『空想天国』
1969年 - 『社長えんま帖』
1969年 - 『二人の恋人』
1969年 - 『続・社長えんま帖』
1969年 - 『弾痕』
1970年 - 『社長学ABC』
1970年 - 『続・社長学ABC』
1970年 - 『野獣都市』
1970年 - 『どですかでん』
1972年 - 『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』
1972年 - 『初めての愛』

これらの作品は、矢野口の卓越した録音技術によって、映画の魅力を一層引き立てました。

受賞歴

矢野口文雄の功績は数々の賞によって称えられています。

1952年 - 毎日映画コンクール録音賞
1961年 - 第15回 日本[[映画]]技術賞録音賞
1963年 - 第17回 日本[[映画]]技術賞録音賞
1985年 - 第39回 日本[[映画]]技術賞録音賞

これらの受賞歴は、彼の映画録音技術における卓越した能力と、映画界への多大な貢献を物語っています。

関連資料

鶴田義久『黒沢映画の美術』学研、1985年。ISBN 4051016994。

外部リンク

矢野口文雄 - 日本[[映画]]データベース
矢野口文雄 - allcinema
矢野口文雄 - KINENOTE
Fumio Yanoguchi - IMDb（英語）
矢野口文雄 - MOVIE WALKER PRESS
矢野口文雄 - 東宝WEB SITE


矢野口文雄は、日本の映画史において、その卓越した技術で映画の音を創造した重要な人物として、その功績は永遠に語り継がれるでしょう。

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