三ツ山城

三ツ山城（みつやまじょう）

三ツ山城は、宮崎県小林市細野に位置する平山城で、伊東四十八城の一つに数えられています。別名として三ノ山城（みのやまじょう、さんのやまじょう）、または吉富城とも呼ばれていました。現在、その跡地は城山団地として利用されています。

概要

三ツ山城は、源平合戦（治承・寿永の乱）の頃、比叡山延暦寺の僧侶である明雲が下向した際に、宝光院の住職であった吉富氏によって、宝光院の裏山に築かれたとされています。小林がまだ「夷守」と呼ばれていた時代に、この地域の中心的な役割を果たしていました。城の北側と西側は辻之堂川が天然の堀となり、断崖が要塞としての役割を担っていました。また、東側には空堀が設けられていたと伝えられています。丘陵地の中央に位置する最も高い場所が本丸跡と考えられ、本丸と東丸、南出丸の間には空堀が存在していました。

城の北東約2kmの場所には小林城がありますが、こちらもかつては三ツ山城と呼ばれていたため、しばしば混同されることがあります。しかし、これらは全く別の城です。現在、城跡は住宅地となっており、小さな児童公園内に指標が一本設置されているのみです。しかし、南西の麓にある真宗佛光寺派の専寿寺境内には「景行天皇御腰掛石」があり、その案内板には三ツ山城の説明文も併記されています。

歴史

三ツ山城は、日下部氏が真幸院司であった間は日下部氏の管理下に置かれていましたが、北原氏が真幸院司となると、そのまま北原氏の所有となりました。当初、北原氏の居城は飯野城でしたが、その後、三ツ山城を居城とするようになりました。永禄元年（1558年）に北原氏13代目である北原兼守が亡くなると、その後継を巡る争いに伊東義祐が介入し、領地を奪われました。その後、伊東氏の意を受けた北原家庶流の馬関田右衛門佐が城主となりました。しかし、球磨の相良氏に逃れた北原兼親の支援を受け、島津貴久によって一時的に北原氏の手に戻りました。しかし、北原家中の内紛により、再び伊東氏の城となり、平良兼賢が城主に任命されました。天正4年（1576年）には、高原城、小林城、須木城が島津氏の支配下に入ると、三ツ山城も島津氏の城となりました。元和元年（1615年）の一国一城令によって、三ツ山城は廃城となりました。

関連項目

日本の城一覧
北原氏
伊東氏
小林城

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