第11軍 (日本軍)

第11軍の概要

第11軍は大日本帝国陸軍の一部として、日中戦争勃発の昭和13年7月4日に編成されました。この軍は主に華中地域を作戦地域とし、戦争の最終局面までさまざまな作戦に参加しました。

沿革

第11軍は、大陸命弟133号の指示により戦闘序列が下令され、中支那派遣軍の一部として武漢作戦に投入されることとなりました。そして、1940年には漢水作戦、1941年には錦江作戦・江北作戦を遂行。さらに、1943年には江北殲滅作戦や江南殲滅作戦、常徳殲滅作戦などを担当しました。

1944年5月27日には湘桂作戦が始まり、作戦は徐々に進展。9月には新設された第6方面軍の一部として活動を続け、11月10日には桂林と柳州を占領しました。また、第3師団と第13師団は貴州省へ進出し、時には中華民国の臨時首都である重慶を狙う姿勢を見せました。12月10日には、第37師団と北上してきた部隊との連絡を取り、大陸打通を達成しました。

作戦が終了した後も、司令部は柳州に置かれて駐屯を続けました。しかし、昭和20年4月1日、連合国軍の沖縄上陸を受けて、隷下の師団は南京方面に集結することが決定されました。特に第13師団のしんがりとして歩兵第65連隊は、宜山から撤退をし、柳城で警備任務を果たしました。第11軍司令部は6月19日に湖南省方面へ撤退を開始し、全県において終戦を迎えました。

軍概要

歴代の司令官には、岡村寧次中将（1938年6月23日～1940年3月9日）、園部和一郎中将（1940年3月9日～1941年4月10日）、阿南惟幾中将（1941年4月10日～1942年7月1日）、塚田攻中将（1942年7月1日～1942年12月22日）、横山勇中将（1942年12月22日～1944年11月22日）、上月良夫中将（1944年11月22日～1945年4月7日）、笠原幸雄中将（1945年4月7日～終戦）がいました。

また、歴代の参謀長には、吉本貞一少将（1938年6月20日～1939年1月31日）、沼田多稼蔵少将（1939年1月31日～1939年8月1日）、青木重誠少将（1939年8月1日～1941年3月1日）、木下勇少将（1941年3月1日～1942年12月1日）、小薗江邦雄少将（1942年12月1日～1944年2月7日）、中山貞武少将（1944年2月7日～1945年4月23日）、福富伴蔵少将（1945年4月23日～終戦）が名を連ねています。

最終司令部構成

終戦時の司令部構成は次の通りです：

• - 司令官: 笠原幸雄中将
• - 参謀長: 福富伴蔵少将
• - 高級参謀: 田中義男中佐
• - 高級副官: 愛甲哲中佐
• - 兵器部長: 蚊野豊次大佐
• - 経理部長: 野崎幹一主計大佐
• - 軍医部長: 三輪不二雄軍医少将
• - 獣医部長: 日根野三郎獣医少佐
• - 法務部長: 増田徳一法務少佐

このように、第11軍は日中戦争において華中地域で多くの重要な作戦に従事し、その活動は歴史に刻まれています。

もう一度検索