花山院家教

花山院家教（かさんのいん いえのり）は、鎌倉時代中期に活躍した公卿です。太政大臣を務めた花山院通雅の次男として生まれ、その家柄と才能から、若くして朝廷で重要な地位を占めることとなりました。

弘長2年（1262年）に家教は従五位下に叙爵し、そのキャリアをスタートさせます。その後、父の功績により従五位上に昇叙。文永3年（1266年）には侍従に任ぜられ、朝廷での役割を担い始めました。文永5年（1268年）には従四位下、そして文永7年（1270年）には従四位上へと順調に昇進し、阿波権介も兼ねます。文永9年（1272年）には正四位下に叙せられました。

文永10年（1274年）には右近衛権中将に任ぜられ、その後すぐに左近衛権中将に転じます。建治2年（1276年）には従三位・備中権守に叙任され、公卿の仲間入りを果たしました。しかし、父・通雅の死により喪に服すこととなります。建治3年（1277年）には正三位、建治4年（1278年）には従二位へと昇叙しました。

弘安2年（1280年）には権中納言に任ぜられ、朝廷での存在感をさらに高めます。弘安6年（1283年）に一度は権中納言を辞退しますが、すぐに還任。弘安7年（1284年）には正二位に叙せられました。また、大宮院（西園寺姞子）の院司を務め、弘安8年（1285年）には北林准后（四条貞子）の九十賀の儀式で奉行を務め、その次第を作進しています。

正応元年（1288年）には中納言に転じ、同年中に権大納言へと昇進。正応2年（1289年）には春宮大夫を兼ね、正応5年（1292年）には左近衛大将も兼帯するなど、その地位は頂点を極めます。

永仁2年（1294年）には踏歌節会の内弁を務め、久子内親王の院号を決定する議定にも参加。永陽門院を推すなど、政治的な影響力も持っていました。しかし、祖父の死により再び喪に服すこととなります。永仁5年（1297年）に病のため職を辞し、出家。同年5月26日に37歳という若さで亡くなりました。

家教は20代の頃から儀式の次第を作進するなど、有職故実にも精通していました。正応2年（1289年）や正応4年（1291年）の正月の叙位の議では執筆を担当するなど、その知識と才能は高く評価されていました。

花山院家教は、鎌倉時代中期における公卿社会において、重要な役割を果たした人物の一人と言えるでしょう。

父：花山院通雅
母：中院通方の娘
妻：大宮院権中納言 - 昭慶門院近衛。法性寺雅平の娘
子：花山院家定（1283-1342）

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