藤井秀人

藤井秀人（ふじい ひでと）

日本の財務官僚。1947年12月13日生まれ。主計局長、財務事務次官などを歴任し、2007年に退官。

略歴

松江市立第四中学校、島根県立松江南高等学校を卒業後、東京大学を受験するも不合格。翌年、京都大学法学部に入学。

1970年9月、国家公務員上級甲種試験（法律）に合格。
1971年3月、京都大学法学部卒業。
1971年4月、大蔵省に入省し、大臣官房文書課に配属。

その後、大臣官房調査企画課、福知山税務署長、国税庁長官官房人事課長補佐などを経て、主計局に異動。

主計局では、総務課長補佐、主計企画官補佐、主計官補佐（通産、防衛担当）などを歴任し、1994年には主計局法規課長に就任。

1995年7月、主計局総務課長。
1996年7月、関東財務局東京証券取引所監理官。
1997年7月、主計局次長（末席）となり、その後、次席、首席と昇進し、異例の4年間務めた。
2001年7月、総括審議官。
2003年1月、大臣官房長。
2004年7月、主計局長。
2006年7月、財務事務次官に就任。池田勇人以来58年ぶり、京大法学部出身としては初の財務事務次官となった。
2007年7月、退官。

退官後は、日本政策投資銀行副総裁、代表取締役副社長、住友商事顧問、社外取締役などを歴任。
2023年4月、瑞宝重光章を受章。

人物像

温厚な人柄で、ノンキャリア組からも人気が高かった。一方で、「出世よりギャンブル優先」という豪胆さも持ち合わせており、「ジャン助」というあだ名で呼ばれていた。

同期の寺澤辰麿が「頭が切れすぎるのが欠点」と言われるのに対し、藤井は人当たりの良さが特徴であった。

「斎藤組」ではなかったが、外務・通産担当、防衛担当の主計官時代には、筋の通った査定で各方面から評価を得ていた。

京大法学部出身の財務事務次官として注目された際には、「いまどき民間でそんなこと気にしているところありますか？」と述べていた。

趣味は囲碁、読書。好きなスポーツはゴルフ、水泳。座右の銘は五省。

同期入省者

寺澤辰麿（全国地銀協会会長、横浜銀行頭取、コロンビア大使、国税庁長官）
福田進（内閣官房副長官補、国税庁長官）
高木祥吉（日本格付研究所社長、ゆうちょ銀行社長、日本郵政副社長、金融庁長官）
吉田和男（京都産業大学教授、京都大学大学院教授）
志賀櫻（弁護士、東京税関長）
村井博美（財務省印刷局長）
吉永国光（東和銀行会長、同行頭取、関東財務局長）
森田好則（財務省印刷局長）
窪野鎮治（国土交通省政策統括官、財務省印刷局長）
坂井建（税務大学校長、名古屋国税局長）
橋本孝伸（国税不服審判所次長）
西川和人（金融庁検査部長）
八木健（IMF理事）
田村義雄（クロアチア大使、環境事務次官）
西川聰（名証副社長）
坂井隆憲（自民党衆議院議員、大蔵省大臣官房企画官）
* 山本幸三（自民党衆議院議員、大蔵大臣秘書官）

エピソード

高校時代、東京大学受験に失敗し、京都大学に進学した。
主計局次長を異例の4年間務めた。
京大法学部出身でありながら、財務事務次官に就任したことは、当時注目を集めた。

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