近畿地方のご当地ソング一覧

近畿地方のご当地ソングについて

近畿地方は、その豊かな自然、歴史的な景観、個性的な文化から、多くの楽曲のモチーフとなってきました。ここに紹介するのは、近畿地方全体、あるいはその特定の地域や場所にゆかりのある「ご当地ソング」の一覧です。

近畿地方全般と主要都市

関西地方全体を歌ったものとしては、アイドルグループによる「I・愛 KANSAI」（JK21）や「LET'GO WEST〜K N S A I !!〜」（ジャニーズWEST、関西ジャニーズJr）などがあります。また、関西出身の種浦マサオは「関西人 in Tokyo」で、故郷への思いを歌っています。京都、大阪、神戸という三つの主要都市を結ぶ旅情を歌った楽曲として、谷村新司の「三都物語」や大西ユカリと新世界の「恋の京阪神」が知られています。地域に根差した鉄道会社を題材にした曲も複数あり、京阪電気鉄道には楠トシエらが歌う「京阪特急」や、主要駅名を織り込んだ中之島ゆきの「出町柳から」があります。近畿日本鉄道には楠トシエの「近畿特急」、南海電気鉄道には伴久美子の「南海電車」が存在します。

各府県のご当地ソング

三重県

三重県に関連する楽曲には、県全体の魅力を伝える「地物が一番」（飯田知子）、「ヘルシーピープルみえ・21」（津児童合唱団）などがあります。四日市市は「四日市の歌」（伊藤秀志）、伊勢市は北島三郎の「伊勢の女」、水森かおりの「伊勢めぐり」など、数多くの曲に描かれています。伊勢神宮近くを流れる五十鈴川（竹川美子「五十鈴川」）や、景勝地である二見浦（田端義夫「二見情話」）、志摩半島（鳥羽一郎「志摩半島」）といった自然や観光地も歌の題材です。内陸部では、伊賀市上野（西岡たかし「上野市」）、桑名市（笹みどり「七里の渡し」）、いなべ市（近藤久美子「やさしい風が吹く街で」など）、名張市桔梗が丘（平井堅「桔梗が丘」）といった地域が登場します。鳥羽市を舞台にした山口百恵の「少年の海」も有名です。

滋賀県

滋賀県、特に「近江」に関連する楽曲は古くから多く、明治期に生まれた「江州音頭」や、大正期の「淡海節」などがあります。ペギー葉山「みどりいっぱい」、芹洋子「近江の譜」「近江わがまち」といった歌や、笑福亭仁鶴による「仁鶴の娘江州音頭」も生まれました。近年では、インターネットを中心に話題となった「知ったかぶりカイツブリ」（2008年）、「滋賀ッツマン」（2009年）のようなユニークな曲もあります。滋賀県の象徴である琵琶湖は、まさに歌の宝庫であり、有名な「琵琶湖周航の歌」（京都大学水上部、加藤登紀子ら）をはじめ、「琵琶湖哀歌」（東海林太郎、小笠原美都子）、「びわこ旅情」（三波春夫）、「鳰の湖」（丘みどり）など、枚挙にいとまがありません。余呉湖（斉藤昌子「みずうみの詩」）、伊吹山（森山愛子「伊吹おろし」）といった他の自然も歌われています。長浜市（MONKEY KEN「長浜の歌」）、米原市（氷川きよし「番場の忠太郎」など）、彦根市（「彦根ばやし」「ひこにゃん音頭」）、守山市（都はるみ「守山音頭」）、多賀町（金田たつえ「多賀音頭」）など、各地の市町村や地域（湖北地方など）にもご当地ソングがあります。比叡山も滋賀県側・京都府側の両方で歌の舞台となっています。

京都府

京都府全体を歌った楽曲のほか、特に京都市は多種多様な楽曲の舞台となっています。渚ゆう子の「京都の恋」「京都慕情」は、ザ・ベンチャーズによるインストゥルメンタル曲に日本語詞をつけたヒット曲です。このほか、西田佐知子や藤圭子の「京都ブルース」、小柳ルミ子「京のにわか雨」、森進一「京都去りがたし」、都はるみ「千年の古都」など、演歌からポップスまで幅広いジャンルのアーティストが京都市を歌っています。デューク・エイセスの「女ひとり」、赤い鳥の「竹田の子守唄」も長く歌い継がれています。JUDY AND MARY「KYOTO」、爆風スランプ「京都マイ・ラブ」、くるり「京都の大学生」、ROTTENGRAFFTY「響く都」、岡崎体育「鴨川等間隔」など、現代のアーティストによる楽曲も多数存在します。また、ブライアン・イーノやエルトン・ジョン、スクリレックスなど海外のアーティストも京都を歌のテーマにしています。市内では、木屋町（丘みどり「雨の木屋町」）、河原町（バーブ佐竹「三条河原町」）、祇園（藤本二三吉「祇園小唄」）、嵐山（長渕剛「雨の嵐山」、倉木麻衣「渡月橋 〜君 想ふ〜」）、大原（都はるみ「大原絶唱」）、鴨川（かぐや姫「加茂の流れに」）、嵯峨野（あべ静江「嵯峨野巡礼」）、西陣（笹みどり「西陣育ち」）など、特定の場所が歌われることが多くあります。京阪神を結ぶ京阪電鉄の出町柳駅も、種ともこの楽曲のタイトルになっています。京都市外では、伊根町（水田竜子「伊根の舟屋」）、宇治市（香西かおり「宇治川哀歌」）、亀岡市（三橋美智也「保津川下り」）、舞鶴市（菊池章子ら「岸壁の母」）などが歌われています。

大阪府・兵庫県

大阪府、兵庫県には、それぞれ多くのご当地ソングが存在しますが、本一覧では詳細な記載が省略されています。

奈良県

奈良県や「大和路」を歌った楽曲も数多く、「奈良路慕情」（三浦洸一）、「四季大和路」（タンポポ）、「やまとしうるはし」（新井満）といった曲があります。水森かおりは「大和路の恋」で奈良を歌っています。飛鳥（藤山一郎「飛鳥は逝ける」）、斑鳩（布施明「旅愁〜斑鳩にて〜」）といった古都や、奈良市内の奈良公園・東大寺は、吉永小百里「奈良の春日野」、さだまさし「まほろば」など、多くのアーティストに歌われています。東大寺の大仏を題材にしたユニークな楽曲も複数あります。若草公園（若草鹿之助「鹿せんべいツイスト」）や、平城遷都1300年祭の公式キャラクター「せんとくん」の応援歌なども生まれています。室生寺（牧村三枝子「室生寺」）、高取町（中村美律子「壷坂情話」）、生駒市（吉野さくら「女町エレジー」）、平城山丘陵（藤山一郎「平城山」）なども歌の舞台となっています。

和歌山県

和歌山県のご当地ソングとしては、県全体の魅力を歌ったもの（ウインズ、ウインズ平阪など）や、「紀州」をテーマにした楽曲が多くあります。和歌山市は「和歌山ブルース」（古都清乃）、「なんで和歌山」（ウインズ平阪）、市内のぶらくり丁を歌った曲（ウインズ）があります。橋本市（ウインズ「橋本愛賛歌」）、熊野・那智（ウインズ「熊野の風」）、熊野古道（水森かおり「熊野古道」）、高野山（ウインズ「高野 そして熊野」）、潮岬（香西かおり「潮岬情話」）、田辺市（古家学「弁慶よさこいODOROLAYO!」）など、県内の多様な地域が歌の題材となっています。紀勢本線岩代駅（谷山浩子「テングサの歌」）や、歴史上の人物である雑賀孫市をテーマにした曲（ザ・ビート「紀州サムライ魂」）も存在します。

これらの楽曲は、それぞれの地域が持つ特色や歴史、人々の思いを反映しており、ご当地ソングという形で近畿地方の多様な魅力を伝えています。

（本一覧では、楽曲の一部を抜粋して紹介しています。太字で示される曲名・歌手名は当地出身者のものとされていますが、本説明文では区別していません。）

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