1967年の相撲

1967年の相撲界の動向

1967年の相撲界は、数々の出来事が相次ぎ、激動の一年となりました。アマチュア相撲では、野見典展が全日本相撲選手権大会で史上初の3連覇を達成。大相撲では、横綱大鵬が圧倒的な強さを見せる一方で、様々な変化が起こりました。

大相撲の主な出来事

1月場所では、横綱大鵬が2度目の6連覇と5度目の全勝優勝を達成し、その強さを改めて示しました。しかし、その一方で、1月場所後に元横綱千代の山の九重親方が出羽海部屋から独立し、九重部屋を創設。大関北の富士ら10人が同行し、出羽海一門から破門されるという大きな動きがありました。

2月には、元横綱栃ノ海が年寄名を中立に名跡変更。また、第1回NHK慈善大相撲が開催され、相撲界の社会貢献活動の始まりとなりました。3月場所では、高見山が十両に昇進し、外国出身外国籍として初の関取となる歴史的な出来事がありました。さらに、3月場所5日目には、横綱大鵬が前頭3枚目の淺瀬川に敗れ、34連勝でストップしました。

独立した九重部屋は、3月場所で幕内と十両でダブル優勝を果たし、その勢いをアピールしました。しかし、4月には片男波部屋で弟子11人が集団脱走するという事件も発生しました。5月場所からは、自費養成力士が廃止されたことに伴い、幕内と十両の定員が削減され、新入幕や新十両がいないという異例の事態となりました。

7月場所では、麒麟児-豊國戦の勝負判定を巡り、理事長が勝負検査役に注意。また、青ノ里が連続1000回出場で表彰されました。7月には、元関脇鶴ヶ嶺が引退し、年寄君ヶ濱を襲名。9月には、琴櫻の大関昇進が決定しました。10月には、大阪準本場所で横綱柏戸が優勝。12月には、沖縄巡業が行われました。そして、年末には日本相撲協会の機構改革が決定し、理事の削減や取締制の廃止、審判部の設置などが行われました。

各場所の結果

一月場所: 幕内最高優勝は大鵬幸喜（15戦全勝）。殊勲賞は麒麟児、敢闘賞は明武谷、技能賞は豊國。十両優勝は陸奥嵐幸雄。
三月場所: 幕内最高優勝は北の富士勝昭（14勝1敗）。殊勲賞、技能賞は藤ノ川、敢闘賞は陸奥嵐。十両優勝は松前山武士。
五月場所: 幕内最高優勝は大鵬幸喜（14勝1敗）。殊勲賞、技能賞は麒麟児、敢闘賞は長谷川。十両優勝は天水山正則。
七月場所: 幕内最高優勝は柏戸剛（14勝1敗）。殊勲賞は長谷川、敢闘賞は琴櫻、技能賞は若浪。十両優勝は若二瀬唯之。
九月場所: 幕内最高優勝は大鵬幸喜（15戦全勝）。殊勲賞は琴櫻、敢闘賞は海乃山。十両優勝は栃東知頼。
十一月場所: 幕内最高優勝は佐田の山晋松（12勝3敗）。殊勲賞は海乃山、敢闘賞は福の花。十両優勝は若ノ國豪夫。

年間最優秀力士賞は大鵬幸喜が受賞しました。また、年間最多勝は大鵬幸喜と柏戸剛が同数で分け合いました。

この年に誕生・死去した主な力士

この年、多くの力士が誕生し、また、多くの力士が亡くなりました。

誕生した主な力士

床岳
栃天晃正嵩
盛風力秀彦
安芸乃島勝巳
太晨光真
大翔鳳昌巳
重ノ海博久
龍興山一人
剣晃敏志
木村寿之介
大輝煌正人
貴闘力忠茂
小城ノ花[[昭和]]

死去した主な力士

兼六山鉄太郎
輝昇勝彦
小ノヶ嵜金藏
伊勢錦清
清瀬川敬之助
清水川元吉
錦華山大五郎
浪ノ音健藏
紅葉川孝市
* 小鉄

その他の出来事

11月には、北の富士が歌手として「ネオン無情」を発売し、50万枚を売り上げるヒットとなり、力士歌謡の草分けとなりました。

1967年は、大鵬の圧倒的な強さ、九重部屋の独立、力士の誕生と死、そして相撲協会の改革など、様々な出来事が相撲界を揺るがした一年でした。また、北の富士の歌手デビューなど、相撲界以外でも話題を提供した年でもありました。

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